笑み社がブログを立ち上げたようです

2ちゃんねるのVIPでSSコテとして活動中の笑み社 ◆myeDGGRPNQのブログです。基本的に作品保管庫として機能していますが一日一回日記を書きます。

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秋山澪が麻薬に手を染めるそうです

1 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 20:27:01.54 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 ――幼い頃 私は 蝶 に憧れていた

 ふわり ふわりと宙に舞い

 綺麗な 羽を ゆらゆらと

 そんな 蝶 をある種尊敬していた

 私の本質とは離れた存在

 自己を表現できない私には あまりにも眩しい存在

 蝶

 それが どうしてか赦せない私は――

 ――自分の 目標を 握り殺した

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 20:27:43.99 ID:luUY0xuQ0
終了

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 20:28:17.81 ID:0Zg3EkGmO
澪「麻婆豆腐うめぇwwwwwwwwwwwwww」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 20:28:31.74 ID:EeDD8GjJ0
ウシジマ君「あんたいい人だからな!特別にジャンプさせてやるよ!」

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 20:28:56.55 ID:Cc+BoVlDO
座薬と聞いて

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 20:29:04.12 ID:Xjo2xtJmO
>>1
笑み社 コテやめたとか言って支援

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 20:29:22.01 ID:Ujs1+CWyO
なんかキモいな

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 20:29:40.53 ID:nhCnTezz0
>>1
おい、引きこもり



死ね

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 20:29:55.80 ID:8moke9pJO
またゲロスレか

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 20:30:12.84 ID:Up4uJF6u0
とりあえずハッピーエンドかバッドエンドかどうか聞かせて

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 20:31:17.31 ID:w4/FKHQKO
座薬に見えた

12 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 20:31:58.56 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

「みーお!」

 声がする。
 うるさい。
 でも、心地いい声。
 耳元でガンガンと響く声が、なんとなく気持ちがいい。
「澪澪澪澪澪!!! 澪ーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
「やかましい!!」
 ガツンと一発。電光石火の一閃。
 いわゆる、げんこつである。
「いってえ……」
 目の前の少女。田井中律が頭をさする。
 その姿を、私は何度も、何十度も、何百度も見てきた。
 それなのに、飽きることはなく笑えている。
 どうしてか。簡単なコトだ。
「なに笑ってんだよぉ。居眠り澪ちゃんめ」
「フフ……だって――」
 ――可笑しいのだもの。
 こういうやり取りを、これからも続けていきたい。
 こうして、律とずっと一緒にいたい。
 それは、恋する乙女のような願い。
 叶うコトは、きっとないのだろうけど。
 私は、ずっとこうありたいと思うのだ。

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 20:38:18.48 ID:X6jytCVk0
書き方が自分の文章に酔ってる臭いがする。キモイ

14 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 20:38:56.59 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

「……そういえば、今何時?」
「ん? 4時だけど」
「は?」
 ……なんというコトだ。
 私はまるまる二時間机に突っ伏して眠っていたのか。
 机に突っ伏しているのには慣れているが、こんなにも眠っていたのは初めてだ。数学、物理と
眠くなる教科が続いていたとしても、これはちょっとおかしい。
「律。ノート見せてくれない?」
「いや、無理。私も睡眠とってたから」
 ……呆れた。
 いつものことだが、改めて呆れる。どうしてこんな勉強不真面目人間が私と同じ高校にいるん
だ?
 
 ――中学三年の冬。一人ぼっちだった私と一緒にこの学校を受験した律。
 律のことは小学校からの友達だけれど、中学一年からは違うクラスだったためか話す機会も 減った。
 だが、受験シーズンになってから律は毎日私の家を訪れ、一緒に勉強した。
 アレは、私たちが楽器を始めてから1年ほどたった日。律は猛烈に勉強をし始めた。
 それはまるで霊でもとりついているかのような集中。
 私はそれに、恐怖さえ抱いた記憶がある。
「……あの時の律はどこにいったんだか」
 あの頃を思い出す。
 今とは違う。雪の季節だった。

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 20:40:56.93 ID:QtMzJr1hO
笑み社またこんな話かwww

まあ、とりあえず様子見

16 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 20:52:14.26 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 音楽室。
 今日も行われる放課後のティータイム。
「ティラミスうまっ!」
「美味しいよ、ムギちゃん」
 いつもの席でケーキを食べ、なおかつ紅茶をバケツで飲む二人。
 いくら余るほど家にある上に美味しいとはいえ、これは明らかに異常である。人間の水分摂取を遥かに上回る量であるのは確かである。
「練習しましょうよー!」
 これまたいつものように練習の催促をする梓。その手にはギターではなくフォークが握られており、口の周りにはティラミスのクリームがついている。説得力がないというレベルではない。
 ちなみに、梓が今食べているケーキはフルーツケーキである。つまりは二つ目。
「……練習2……ティータイム8……というところかな」
「……はっ! それは今日の予定の話か!? 馬鹿律! 逆転してるじゃないか!」
 朝、登校の際には――

『よーし! 今日の予定は練習が8割、ティータイムが2割だぞう!!』

 と、私の家の玄関で前回り受け身をとりながら宣言していたはずだ。
 なのに今の現状はどういうことか。すでにティータイムを始めて1時間半は経ってる!

17 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 20:53:49.42 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

「えー? 今日は、ムギのお菓子が美味しいから、練習はなし!」
 なし!?
 練習が消滅しました。
「何言ってんだああああああ!!」
 律の肩を持ってぐわんぐわん。
 既に練習解放モードの律はあほ面でぐわんぐわん。
「ほらムギもなにか言ってやれ!」
「――――、――――」
 ほわー。という擬音が鳴りそうなほどに安らいだ表情。
 というより、恍惚とした顔。ガチレズの噂は本当だったのか。
「あのさ。澪ちゃん」
 唯が話しかける。どうせ今日はうちで鍋しようとかだろう。

「澪ちゃん、日本人じゃないって本当?」

 ――え?

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 20:55:10.69 ID:tMjsWXFUO
書き方がキモい
なんでスペース入れてんの

19 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 20:59:29.56 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 ――ナニヲ、イッテイルンダ?
「そ、そんなこと……」
「そうなの? なんか、選択授業の時に他のクラスの子が噂してたから……違うならいいよ!」
 手でVサインをとっておどける唯。
 三年になって私たち軽音部。それに和は同じクラスになった。
 今までクラスで3人以上友達がいた試しのなかった私にとって、それは夢のような時間。お昼をたくさんの人と食べられるという喜びは今までは全くと言っていいほどなかった。
 なにせ、私の父は私が生まれる前に他界しており、母は働きに出ているためか夕食ですら家族と共にとることが少なかったからだ。
 それ故、私は父の顔は勿論。母の顔すらも曖昧だ。律がいなかったら、今も一人で家にいただろう。
 だから、私は浮かれていたのかもしれない。
 皆が傍にいるコトで。
 私は、楽しい反面。わからなくなっていたのかもしれない。

 ――秋山澪とは、『チェサンジュ』とはどのような人物なのか、を。

20 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 21:05:05.94 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 私の本質。
 どうあっても抗えない。それが相応だという状態にして状況。
 それは――孤独だ。

 幼いころから一人だった私は、どうあっても巡り巡って一人になる。
 幼稚園の時から、小学校のころから、中学校のころからそう。
 友達と呼べる人物は、悉く私の前から姿を消した。
 律だって、中学校の三年間は懇意ではなかったのだ。
 楽器を始めて、高校に入って、部活を始めて、私は一人ではなくなった。
 律がいて、唯がいて、ムギがいて、梓がいて、和がいて――一人じゃない。
 それなのに、この不安。
 考えるだけで、足元から崩れ得しまうような悪寒にして予感。
 
 ――また、独りになる。
 
 それが、怖い。
 それが、恐い。
 それが、どうしようもなく恐ろしい。

 傍にいてほしい。
 そう思った人からいなくなる。
 それが私の本質。
 在日韓国人『チェサンジュ』の、中身。

21 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 21:13:50.46 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 ――その不安は家に帰っても続いた。

 帰り道、皆は笑っていた。
 無論、私のことではない。私たちの共通の趣味に関しての話で笑っていたのだ。なんでもない、談笑だ。
 いつものように、唯がアイスを買って、律が横取りして、梓がなだめて、ムギが喜ぶ。
 そんな、いつもの日常。
 それが、いつか壊れる。
 厭だ。
 嫌だ。
 否だ。
 そんなの――ゼッタイニイヤダ。

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 21:14:29.25 ID:AkCQfwcpO
支援

23 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 21:14:57.73 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 ベットに自らの体を放り投げ、震えを抑える。
 どうして、私はこんなにも恐れているのだろう。
 根拠のない恐怖ほど、恐ろしいものはない。
 誰にも言われたことはない。お前は一人ぼっちにならざるを得ない性質だ。などと、言われたことなんてこれっぽっちもない。
 ないのだから、心配なんてするな。そう自分に言い聞かせる。
 否、そんなコトはできない、と言い聞かせた自分が反論する。
 だって、事実じゃないか。
 一人だったのも、父親がいないのも、日本人じゃないのも。
 総て、本当のことじゃないか。
 嘘も、虚偽もない。支柱がないのなら、建物なんてあっという間に崩れてしまう。
「ちがう……唯は……律は……」
 みんなは、違う。
 決して、私を一人になんてしない。
 私は大丈夫だ。私には、仲間がいるのだから。
 ――そう思うと、ほんの少しだけ安心できた。
 ベットから顔を上げ、夕食の準備をしようと部屋を出た。

 今日の夕食はキムチとナムル。
 結局、食欲があまり湧かなかったのだ。

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 21:18:41.42 ID:EeDD8GjJ0
澪は脱北2世じゃなかったっけ?

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 21:20:20.05 ID:Up4uJF6u0
澪ちゃんじゃなくて山澪なら麻薬もしょうがないな

26 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 21:20:34.86 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 次の日。
 学校なんて行きたくなかったけれど、行かなかったら一人になるのでいつもの時間に家を出た。
「いってきます……」
 決して返ってくることのない挨拶。
 幼いころから繰り返してきた儀式じみたモノ。
 いつか、このいってきますに、いってらっしゃいが返ってくると思っていたあの日からず
っと変わらない。
 愚かしい。そう自嘲しながら通学路を歩く。
 7月の半ば。もうすぐ夏休みだ。
 夏休み、一ヶ月以上もの間人のぬくもりを知ることができない。
 そう思うと、少し憂鬱だ。
「澪ー!」
「!?」
 後ろから、なにかがぶつかってきた。
 私より、一回り小さな生物。
 振り向くと、きらりと光るオデコがあった。
「おはよ、どうした? 湿気た顔しちゃってさ」
「……」
 少し、元気になった。
 律の笑顔に、私は何度助けられたことか。
 だから、私は律の為になにかしたい。
 私の周りが賑やかなのは、律のおかげなのだから。

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 21:20:40.30 ID:T2wK/AmFO
ユニーク

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 21:22:47.81 ID:lbYVsKJo0
            .. ---. . .._
          , イ´: : : : ----- : ミ: . .、
      /: : : :/'´  ___  \ :\
      / : : : : :/ィ ´ : : : : : : }: : `ヽ.`Y: :\
    ,ム: :/: : :|: > --ミ、}:.ノ: : : :, ノY: : : : }
   /1: : ′: : :|⌒     `´ ´ ̄ ` ー|: : :i /
  /′ ! : i : : : : | u              |: : :|廴__
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     |:/ !: : : : :| -__≧ー'‘ー≦__-  } : :,{
    i! :ハ: : :i: :|弋j:_歹   弋j:_歹} .′:小.
    }'.人': :∧:{ ー '    , ` 一 ' {リ:/ |: :\
    /.:.:,:ハ: : :ト '''         ''' イ:. : トー‐`
  /イ ノ彡'. : |> . (  ̄ ` ⌒)  ...ィ:.: : :厂`
       }ヘ: {:.:.:./下、 ブ爪::::::.:|:.: :.ん、
       {:.:∧|:.:〈:.:.|,ィr'く i::::.:{:.:.: |: :/:.:.:.:}
      |:{:.:ヽ:.:.〉:l/,Yi. ト.!:./:.:.:.|/:.:.:.:.〈
         }:.:ヽ:.:.:/:./ { |l! | |ヽ:.:.:.:.: /:.:.:.:.:.:}
         |:.:.:.:}:.:.|:.:ト、人_j |:.:.〉:.i:./:.:.:.:.:.:./

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 21:25:31.20 ID:QtMzJr1hO
>>28
かわいい

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 21:26:24.80 ID:ZFFfX28U0
いいから台本SS(笑)書いとけよ

31 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 21:32:29.02 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 教室に入ると、唯、和、ムギ。それに梓がなにかを囲んでいた。
 汗をかいており、朝だというのに相当の疲労を見せていた。
「なにやってるんだ?」
「あ、澪ちゃんおはよー。えっとね、バトルドーム!」
「お! 懐かしいなー!」
「バトルドーム? ドラえもんがやってた時、よくCMしてたアレか?」
「そうよ。和ちゃん、説明してあげてくれない?」
「……私は……もう、限界……梓ちゃん……」
「和先輩。物凄い運動量でしたからね。澪先輩、よく聞いてくださいよ――」
 梓が大きく息を吸い込む。
 一緒にいた憂ちゃんは唯の腕を揉んでいる。よくできた妹だとなおのこと思う。

「ボールを、相手のゴールにシュウウウウウウウウウウウウウ!!!! 超! エキサイテイン!
!!!! 3Dアクションゲーム! バトルドーム。ツクダオリジナルから」

32 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 21:34:01.70 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 全身が跳ね上がった。
 今まで見せたことのない大声。
 そして、エキサイティンの発音とイントネーション。それらすべてが私の鼓膜、否。全身を刺激した。
「いい紹介でしたわー」
 拍手をしながら梓を称えるムギ。
 和は相当このゲームが辛かったのか、ダウンしている。
「澪ちゃんもやる? あとりっちゃんも」
「私はついでかい!」
「……フム。
 やるよ。私も混ぜてくれるか?」
「じゃあ、私に代わって澪先輩が」
「ザリガニがお風呂に詰まっていた時並のショックを体に受けた感じね……」
 梓に代わって私。和に代わって律。
 軽音部、バトルドーム大会と化した朝のひと時。

 その日。私たちは腕の筋肉痛で練習ができなかったのは言うまでもあるまい。
 和も生徒会の仕事に支障が出たらしい。

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 21:34:37.06 ID:QtMzJr1hO
笑み社はマニアックなネタ入れてくるから全然面白くないんだよなぁ

それが良い人もいるんだろうけど


バトルドームとか知らねえ

34 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 21:37:58.44 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 ――そんなある日。律が学校を休んだ。

 担任のさわ子先生(独身)は単なる風邪と言っていた。
 
 律が風邪をひいて苦しんでいる。

 大事な律。その律が辛いのなら、私はそれを軽くしてあげよう。
 
 そう決心したのだから、私は鼻息を荒くして律の家に行った。

 ――やめておけばよかったのだ。

 せめて、ノックくらいすればその悲劇は回避できたというのに――

「――あ」

 その現場を、見てしまったのだから。

 腕に突き刺さった、注射針と、死んだような眼をした――

 親友の、姿を。

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 21:38:51.68 ID:/bRiA8a7O
笑み社の文章は素晴らしいんだが…

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 21:41:08.42 ID:QtMzJr1hO
後、サザエさんが嫌いな俺は笑み社とは相性が悪い

37 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 21:43:34.96 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

「り…………つ?」
 
 視界が歪む。
 黒と白が混じった世界。
 腕に刺さっている注射が黒で。
 律の表情は白。
 陰陽の形は我が祖国の国旗を思わせる。
 ――声も、出ない。
 ただ、ただ立ち尽くして『律』のいない風景を眺める。
 あれは、律なんかじゃない。
 なにか、別のモノだ。
 別のもの。ケダモノじみた、それがなにかわからない。
 そうだ。アレは弟の聡だ。
 聡が律の格好をして、あのようなコトをしているのだ。
 ……在り得ない現実逃避。効果のない逃避は現実をさらに色濃くすることを、私は知っているのに――
「なんだ……澪か。
 見られちゃったか」
 律じゃない。そう思ったソレは。
 ――律の声で、溜息をつくように、そう言った。

38 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 21:49:42.06 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 涙が溢れた。
 目の前にいる人間は間違いなく私の親友だったもので、今はきっと違う。
 今は、人間を辞めてしまったケダモノ。あれが私には――にしか見えない。
 なんて、友達がいのない奴だ。私は。
「それ……なに?」
 言ってくれ。
 嘘でもいいから。言ってくれ。
 それが本当かなんて構わないから、言ってくれ。
 いつもの調子で、明るい笑顔を見せながら、言ってくれ。

『これはビタミン剤だよん。心配しちゃったかな? みおたんっ』

 皮一枚よりも薄い期待。
 それでも、信じた私がいたのだ。それだけで、私は人間なのだという安心が持てた。
 なのに、親友が紡いだ言葉は私の期待とは大きくかけ離れたものだった。

「――ああ。ご名答さ。
 これ、覚せい剤ってやつだから」

 なんて、ふら付いた目が答えた。

39 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 22:00:01.32 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

「――気持ちがいい。
 なあ、澪……チカチカ、テカテカして……色んな事が吹っ飛んで……気持ちいい」

 頭を揺らす。
 その様は揺り籠(フォウマルハウト)のようだ。口からは涎が溢れ、目は開いているのか、それとも閉じているのかもわからない。とにかく、目は目として機能しておらずアレが見ている世界は私たちの世界とは違うモノだ。
 足元はおぼつかない。ドアの側で立ちつくした私に近づこうとするが、決してその距離は縮まらない。膝は笑い、腰は用を成していないのだから歩けないのは当然だ。
 ――まるで、ゾンビみたいだ。
 以前、律が私に無理矢理見せたゾンビ映画のゾンビと同じ。
 かつての親友を見て、そんなコトを考えてしまった。
「みーおー」
 だらしのない口が私の名前を呼ぶ。
 私は声も出せない。
 怖い、と思った。
 律を、親友を。大事な人を――

 初めて、本当に怖いと感じた。

40 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 22:04:48.42 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 しばらくして、律は糸の切れたマリオネットのように眠ってしまった。

 寝顔は以前と変わらぬ愛らしいもの。

 そう、律は風邪なんて引いていなかったのだ。

 腕を見ると、無数の注射痕があった。

 そう、律は今回が初めてではなかったのだ。

 置手紙を書いておく。『明日、放課後うちに来い』と。

 そう、私は律から事情を聴きたかったのだ。

 律の可愛いオデコにキスをして、部屋を後にした。

 そう、私は律が大好きなのだから――

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 22:05:46.37 ID:AkCQfwcpO
期待支援だ
笑み社ってほかにも書いてるのか?

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 22:08:49.41 ID:ormtCPXIO
笑み社の質が下がった気がする
とりあえず様子見

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 22:09:49.12 ID:AkCQfwcpO
>>42
kwsk

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 22:12:08.27 ID:Rv1hy3R60
打った直後の寝顔なんて見れたもんじゃないぞ

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 22:12:43.13 ID:QtMzJr1hO
笑み社のブログでSS見れるよ

46 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 22:16:58.15 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 翌日。

「みおみおみおみおみおみお――みおーーーーーーーー!!!!!!!!!」
「やかましい!!」

 律は当たり前のように学校に来て、当たり前のように部活をして、当たり前のように私の家に来た。
「なんだよー。澪がどうしてもっていうから来たのにさー」
 膨れる律の横顔。
 それを見ると、まるで昨日のコトが嘘だったかのように思えた。
 私も、律も、人に言えないコトがあるということに、安堵していたのだ。日本人ではない私。覚せい剤を使っている律。
 それになんの差があるのだろうか。
 ……そんな考えを振り払うようにかぶりを振る。 
 それじゃあ、律は壊れていってしまうではないか。
 壊れてしまう律を、見たい筈がない。
「……ここに座ってくれないか」
 座布団を敷き、律を座らせる。
 ちょこん、と座る姿を愛らしく思うが今はそういう場合ではない。

「律――どうしてあんなことをしたんだ?」

 それしかない。
 言うコトなんて、これひとつだけだ。

「……誤魔化せない、よな。
 いいよ。話すよ。私とアレが出会った経緯を、さ」

 静かに語り出した。
 それは、中学三年の冬だった、と。

47 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 22:27:48.13 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 私、田井中律は15歳だった。
 15歳の冬となると、9割の人間がそこに行きつく。
 高校受験。今の世の中、高校にも行かない人間は人としてカウントされない。行きつく先はニートか社会から脱落者。つまるところ、裏の世界の住人になる。
 故に、私は高校進学を当然のように選択した。というより、現代の中学校では教師たちは初めの大前提として進学を考える。当然だ。教師というのは大学を卒業して初めてなれる職業なのだから、中卒なんてファンタジーの世界なのだろう。
 高校の選択は、そうそう幅広いものではない。家から通える距離を考えると、私が選択できる高校なんて2つか3つ程度。勉強が得意な方ではなかったので、適当に桜ケ丘高校を志望した。
 そう。適当だったのだ。私がこの高校を選んだ理由は。別に仲のいい友達が行くわけでもない。制服が特別可愛いわけでもない。とにかく、煩わしい受験から逃れたかったのだ。桜が丘は私立故、入試は冬の頭。公立高校を受験するものたちを横目に遊んでいよう。そう考えたのだ。

 しかし、勉強はできなかった。
 学校の実力テスト。模試での結果は振るわず。教師からも頑張らなきゃ厳しいとまで言われた。
 自分でも分かっていた。学力が足りないことぐらい。それでも、私はがんばれなかった。手が進まない。机に体が向かない。幼馴染の澪と一緒に始めた楽器の方に目が行ってしまい、ドラムの技術 だけが向上していく。
 気がつけば11月末。言ってしまえば、私は崖っぷちだったのだ。

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 22:29:57.66 ID:OjRAUoUUO
遅すぎね

49 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 22:35:35.27 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 そうして、辿り着いたのが澪だった。
 一緒に楽器を始めたのはいいもののの、余り話す機会がなかった故に、初めて勉強を教わりに行った時は緊張した。
 何度も遊びに行った澪の家。澪しかいない。澪しか見たことのない家。両親の温もりが存在しない家。そう思うと、澪が可哀想に思えてくる。
 私には、両親がいる。
 今でも元気に働いており、普通の家庭である。
 それが、少し退屈だと感じたこともあるけれど、澪を見るとそれの退屈があまりにも馬鹿馬鹿しいものだと感じずにはいられなかった。
 澪の教え方はわかりやすい。普段人見知りなクセに、どうしてこんなに教えるのが上手なのだろうか。将来は幼稚園の先生なんて似合うのかもしれない、と思った。
 澪は悪くない。
 悪いとするなら、それは間違いなく自分だ。
 わからない、という以前の問題。
 私には、やる気も集中力も全くなかったのだ。

50 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 22:40:44.88 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 勉強に行き詰ったある日。
 私はネットであるモノを見つけた。

『やる気工場』

 なんとも胡散臭い広告。
 見れば、その薬を服用すればやる気、集中力が格段に向上し、ストレスも発散されるというモノ。今の私にはうってつけの薬である。
 ――だが、私にだって常識はある。この手の薬は危ないもので、一生を棒に振る様なモノだということも知っている。カーソルは右上の×マークへと動く。
 ……いや。ちょっと待て。
 一度だけ。
 一度だけ、試してみればいい。
 もしかしたら、これは私の救世主になるかもしれない。
 神が遣わした、私のためのメシアなのかもしれない。
 そんな、馬鹿なコトを思った。
 
 気がつくと、家にそれが届いていた。

 それが、私の破滅。
 その序曲なのだった。

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 22:46:53.54 ID:D+RCeQ0xO
麻薬で狂った女の子って興奮するよね

52 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 22:49:35.04 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 はじめは、いけないことだとわかっていた。
 これで最後。
 これで終わりなんだと自分に言い聞かせながらも、常習していた。
 その度に涙がこぼれた。
 
 最低な自分への嫌悪。
 最悪な自分への劣等。
 こんな私を知らない澪への罪悪感。

 それらから逃れるために、また私は薬を使った。
 そうなってしまえば、あとは早かった。
 薬が私の体に順応し、更なる快楽を求めて疾駆する。
 どうしようもない。高校に合格し、澪と共にいられる特典と引き換えに、私は人を辞めるという対価を差し出したのだ。
 聞こえはいい。
 だが、それは単純な話。逃走だ。
 現実からの逃避は、時として自らの非力を際立たせる。それがどうしても赦せなかった。弱い自分も、それから逃げようと薬に溺れる自分の心も。
 私という人間(ケダモノ)が、大嫌いになった。

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 22:50:38.50 ID:QtMzJr1hO
笑み社薬やってるの?

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 22:50:58.97 ID:AkCQfwcpO
支援だ

55 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 22:56:30.38 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 ――それがルーツ。
 田井中律と、薬のルーツだ。

 律は、泣いていた。
 今まで見せたことのない顔。
 罪悪感と、今まで誰にも言えなかった不安が律を苛んでいた。
 綺麗な自分を見せて――汚い自分を際立たせた。
 他人には綺麗だと見せて――汚い自分がさらに色濃くなった。
 可哀想、なんて思わない。律がやったことは最低だ。絶対に許せない。だって、薬なんて、なんの解決にもならない。薬を使ったからといって受験が――
「あ……」
 解決、してしまったのだ。
 彼女が望んだこと。それは安心と解放。受験から逃れることで、それは実現する。ならば、
そのために薬を使ったコトになんの不自然さはない。私が歌詞を書いたりする時、栄養ドリンクを飲むのと何が違おう。
 律は、解決させてしまったのだ。
 問題。悩み。それら総ての障害を、薬で解決してしまった。
 それが要因。
 律が私に見せたあの姿の、決定的要因なのだ。

56 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 23:04:15.49 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

「まるで、魔法の薬だな……」
「え?」
「だってそうだろう? 律は受験という障害を、薬によって解決したんだ。それが魔法の薬でなくてなんだ? 私もお前の立場だったら、同じ道を選んでいたのかもしれない」
 私の悩み。
 それが解決するのなら、そういう手もありなのかもしれない。
 私が、本当の日本人になれるのなら。
 私が、私の本質から解放されるのなら。
 それなら、私は喜んで禁忌に触れよう。
「私、自首する。
 それで……きちんとした姿でまた帰ってくるよ」
「なにを、言ってるんだ……?」
 お前は、まだ人間じゃないかと続ける。
 それに、律はううん、と首を横に振る。
「もう、駄目だよ。だって私はもう……」
 ――ああ。そうか。
 もう、戻れないのだな。
 なら――

「私も、お前と同じ所に連れて行ってくれ」

 私は秋山澪だ。
 田井中律と、共にあろうと決めた。秋山澪なのだ。

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 23:05:15.86 ID:pQfENFPg0
スレタイが座薬に見えた俺は死んでいい

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 23:05:35.58 ID:AkCQfwcpO
ようやく澪か。
支援。

59 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 23:07:02.95 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 そうして、私は律と同じになった。

 人間を辞めた。

 それが、私の救いだったのだから。

 今では、その日見た蝶が舞っている。

 まだ足りない。

 あの蝶になるには、まだ足りない。

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 23:12:16.12 ID:mFPDuwNDO
笑み社って絶対空の境界とか好きだろうな

61 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 23:12:22.31 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

「ん……律ぅ……」
「どうした? 澪」
「好き……律……キス…………」
「はいはい。私も好きだからな。澪」

 暗い部屋。
 誰も来ない家に、誰も来ない部屋。
 その中で、二人の少女が結ばれていた。
 通常ではありえない発汗。
 本来のそれとは段違いの快楽。
 人を辞した彼女たちは、一つの愛の形を体現していた。
「くしゅり……気持ちいいよぉ…………」
 呂律も回らず、焦点もあわない。その上、瞳孔は開いていた。
「だろ? みおちゃん……」
 黒髪の少女の耳をかじり、甘い声で攻める少女も同じ。

 ――外はまだ明るい。蝶が夏の夕空に舞っている。
 彼女たちは、蝶ではない。それに似せたなにかでしかなかった。

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 23:15:13.34 ID:Rv1hy3R60
もうちょっとリアリティのある描写をしてくれないか
知識ないのがバレバレで読んでて醒める
自分でやってみろとは言わないからさ

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 23:15:35.43 ID:AkCQfwcpO
これは、パンツ脱いでいいのか?

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 23:26:00.85 ID:huTE88fXO
笑み社引退してなかったんだな

65 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 23:26:27.70 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

「なあ、澪……いいのか?」
「いいんだよ」
「……そっか」

 何気なくテレビをつける。
 このテレビで、あのバンドのライブDVDを見た。
 その時、律は興奮して私に言ったのだ。

『――バンドやろうよ! バンド!!』

 その言葉通り。私たちはバンド活動をしている。
 しかし、今の私たちはどう見ても――
「ジャンキーにしか見えないよな……。
 なあ、律。ネットで麻薬販売してた男が捕まったって」
 テレビから流れる、私には無縁のニュース。
 男は項垂れ、パトカーに乗せられる。見ていて、これほどに滑稽なものもない。
 今までなににも顧みず、とにかく粋を気取ることでしか自尊心を保てなかった男が、自らの男を落としている。まったくもって滑稽だ。
「……律?」
 見れば、律は震えていた。
 そして、口を開いた。
 その言葉――

「あの男、私が薬買ってる男だ……」

 そう、私たちに無縁なニュースなんて在り得ない。
 薬関連のニュースなら、私たちの存在を脅かすに決まってるからだ。

 ――私たちはしばしの間硬直した。
 そして、ある人物へと電話した。

66 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 23:40:28.06 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

「それで、逃げるの?」

 深夜2時。
 私たちは約束の公園で彼女に会った。
 琴吹紬。彼女ならば私たちを逃がす手立てをしてくれると期待したからだ。実際、彼女は物凄いモノを用意してくれた。
「SLRマクラーレン。この車は乗用車じゃない。スポーツカーという括りにも入らない。レーシングカーよ。AMGチューンを施したメルセデスエンジンはF1にも匹敵する馬力を誇る。最高時速は350キロ。私が所有する車でも、これは別格よ」
 銀色の車。
 まるで古代の戦馬を思わせるような気高さを持ったそれが、そこにあった。
「ムギ……いいのか?」
「いいの。
 もう、引き返せないコトは二人の顔を見ればわかるわ。一か月だけでも身を隠して。そうすれ
ば、琴吹グループの総力をかけてこの事件をなかったことにするから」
「……ムギ。ありがとう」
「お礼なんていいのよりっちゃん。私に普通を教えてくれた二人の頼みですもの。
 さあ、行って。運転は――」

67 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 23:41:36.03 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

 私たちは、ムギを背中にしてマクラーレンに乗り込む。
 と、すでに誰かが乗り込んでいた。

「いえい! この唯さんが二人を匿ったるぜい!!」

 間抜けな笑顔で、彼女はそこにいた。
 ――ああ。そうだ。
 私たちは、仲間なのだ。
 軽音部の、仲間なのだ。

「内部を改造して、三人乗れるようになってるわ。
 それじゃあ唯ちゃん。二人をお願いね」
 
 メルセデスエンジンのエギゾーストが響き渡る。
 それを返事とするように、私たちは出発した。

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 23:43:16.35 ID:5IIUWJZF0
これがふわふわ時間のPVになるの?

69 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/10(月) 23:53:02.35 ID:Y2S1w5Ls0 ?2BP(2000)

「唯! どこに行くんだ!?」
 逃げる、と言ってもどこに逃げるのかが問題だ。
 一か月も麻薬中毒者二人を匿う場所なんて、日本のどこにあるというのだろう。そも、下手に匿って見つかったら、その人にも被害が及ぶ。それは避けなくてはならない。
「アテならあるよ。私の親戚が世田谷に住んでるんだ。
 あの人たちなら匿ってくれる。私が言うのもなんだけど、ちょっと抜けてる家族だから」
 唯の口元が緩む。
 SLRマクラーレン。私も本で読んだことがあるが、それは暴れ馬のようにコントロールが難しいという。本来、エンジンをかけることもできなければこのように話しながら走らせるなんて、F1ドライバーでなくては不可能だ。
 それを、唯は楽楽操縦している。見ればクラッチミートも完璧だ。スピードメーターは200キロ超。 高速道路を攻めているフェラーリ乗り、ランボルギーニオーナーが目を丸くしてこの車を見ている。
「目立ってないか? 私たち」
「そんなことないよりっちゃん。まさか麻薬で逃げてる女子高生がマクラーレンに乗ってるなんて誰
も思わないもん。ああ、そうだ。二人は眠ってていいよ。きっと、朝には着くだろうから」
 京都から世田谷までを、2時間足らずで走破しようとする。
 それは、クルマに乗るものならどれだけ無謀かが分かるはずだ。否。乗らない私にもわかる。
 唯はそれをしようとしている。不思議と、唯ならできると思った。

 ――月は満月。
 そんな日に、私たちの逃避行は始まった。

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 23:54:25.09 ID:T2wK/AmFO
何かもの悲しい

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/10(月) 23:54:25.94 ID:8NfnP1L30
wktk

72 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/11(火) 00:04:59.65 ID:jFD9qfMF0 ?2BP(2000)

 ――目が覚めると、私たちは布団の中にいた。

 外を見るとまだ朝日は上っていない。時刻は午後4時半。そうすると、唯は本当に二時間足らずで世田谷までマクラーレンを運んだというコトになる。
 全く、なんという娘だ。いつF1に参戦してもチャンピオンになれる素質と才能。そして実力だ。
 息を吐くと、となりで眠っている律が見えた。安心しきった顔を見ると、私も安心できた。
 結局、私にとっての総てが律なのだ。
 その為に人間を辞めたのだ。当然と言えば当然だ。
 ――しかし、それでも私は軽音部の一員なのだ。
 
 私たちの為に、ムギは車を用意してくれた。
 私たちの為に、唯は車を全力で走らせてくれた。
 私たちの為に、この家の人は匿ってくれるらしいのだ。

 それで十分だ。
 あとは、あとは大事な人たちのためにこの身を隠すだけだ。
 でも、今は眠ろう。
 私は、また睡眠の、純粋な快楽に身を落とした。

「本当にありがとうね。波平おじさん」

「構わんよ。困った時は、お互い様じゃからな」

「ですー」

73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/11(火) 00:06:02.54 ID:Ven71OUM0
ちょwww
>>72

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/11(火) 00:07:08.58 ID:TRciy+o/O
やっと笑み社っぽさが出たか…

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/11(火) 00:07:59.96 ID:ZnZtpzHfO
バトルドームだのF1だの完全に読み手を限定する気だなコイツ

76 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/11(火) 00:17:50.11 ID:jFD9qfMF0 ?2BP(2000)

 朝。
 逃亡生活、初めての朝。それは逃亡者にしてみればこの上ない恐怖。自分がここにいるのかという不安。明日もここにいられるのかという欺瞞。本来なら手が震え、心臓が破裂する思いだろう。だが、私たちにこと限ってそれは違う。
 なぜなら――
「朝ごはん出来てるわよ。食べる?」
「もう、姉さんったら。二人は疲れてるんだから、もう少し寝かせたあげなよ」
「カツオ!!!! 余計なことは言うんじゃありません!!!!」

 温かい家庭に、私たちは来たようなのだから。
 若い女性が、小学生の男の子の頭をおたまで38回殴る。その様は私と律のように思えた。
「あの……皆さんに自己紹介したいんで、いただきます」
 人見知りの私が、初対面の人に緊張していない。私の人見知りはコンビニ店員に袋の不要を伝えることすらできないのに。その上、私は皆に自己紹介をしようとしている。以前の私では考えられない進歩だ。
「ほら、律。お世話になるんだから、行くよ」
「う、うん……わかった。その前におはようのチュー」
 こちん、と一発。
 それが始まり。

 ――私と、磯野家の始まりの音だった。

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/11(火) 00:20:48.89 ID:ogsFfAsGO
ドラッグ使ったセッションとか激しそうでいいね

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/11(火) 00:21:49.60 ID:x1f/UjEl0
「翼をください」の意味合いも違ってきそうだね

79 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/11(火) 00:32:09.62 ID:jFD9qfMF0 ?2BP(2000)

「私が、秋山澪です。これからしばらくの間おいてもらえるということで、本当に感謝しています」
 深々と頭を下げる。
 ありふれた居間。家族の温もり。今までの私にはなかったものだ。それ故に、言葉が次々と自然と溢れてきた。
 母にも言っていないコトも、全部吐き出すことができた。それが、どんなに上等だろうか。
「田井中律です。この度はホントに――」
 律も心の底から頭を下げる。隣にいる唯の笑顔が私たちに力をくれる。これからの生活を象徴するかのような唯の笑顔は、私の緊張を無くしてくれた。また私は唯に助けられてしまった。
「そうかそうか。ワシが磯野波兵だ。困ったことはワシに言うんだぞ」
「私が磯野フネです――」
 ――と、次々と自己紹介が進められていく。
 この家は、二世帯住宅らしく、磯野家とフグ田家で構成されている。先刻、私たちを起こしにきた女性がフグ田サザエ、男の子が磯野カツオ。その妹が磯野ワカメだ。
 そして、最後の自己紹介をしたのは小さな子ども。サザエさんの子供らしいが、どうしてかこの子供と私は本質的に合わない気がする。

「フグ田タラヲでーす。タラちゃんって呼んでくださーい!!」

 大きな声で行った自己紹介。
 それは、私の心臓を鷲掴みにする声だった。

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/11(火) 00:32:35.10 ID:JsuX+5g3P
タラヲ死ね

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/11(火) 00:32:57.04 ID:kfMrAL2JO
まさかのコラボ。
支援

82 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/11(火) 00:43:47.44 ID:jFD9qfMF0 ?2BP(2000)

「タラちゃん。これ食べな」
「わーいでーす!」
 サザエさんの卵焼きを食べながらタラヲが笑う。
 僕、可愛いでしょう? と言わんばかりの笑顔に腹が立つ。
「うまい、うまい!」 
 テーレッテー、などと北斗の拳でおなじみのサウンドが聞こえるような笑顔で唯と律が朝食を食べる。もう少し遠慮しろと注意するがフネさんがにっこり笑っておかわりするかいと聞いてくれる。
 べっ! 別に食べたいわけじゃないからな。ただ、懇意にしてもらってるんだから、
それを蔑ろにするわけにもいかないからであって……ああ、そうさ。美味しいよ。こんなに美味しいモノを食べたのは久しぶりだ。
「ところで兄貴。この三人の姉ちゃん誰が好みだし?」
「なんてことを言うんだい!? そ、それは……」
 カツオくんが私を見る。坊主頭が可愛らしい男の子だ。そういえば、律の弟も小学生の時、野球部に入ってこんな頭にしていた覚えがある。
 ワカメちゃんは最近流行りの話し方をする。今どきの子供だ。ちなみに年齢は8歳。どう考えても口調と年齢が合致していない。

「びゃああああああああああああああああああああああああああうまあああああああああああああ
いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
あああああああああああああああああああああああああああああああいいいいいいい!!!」

 幸せな朝食。
 朝日が目に沁みる。そんな朝だった。

83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/11(火) 00:44:04.34 ID:a+DBRVF00
タラヲ死ね

84 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/11(火) 00:53:01.27 ID:jFD9qfMF0 ?2BP(2000)

 こんなことがあった。

「澪おねえちゃーん」
 私たちが使っている部屋。本来なら客間なのだが特別に私たちの部屋として与えられている部屋に、タラヲが侵入してきた。
 それに関しては、決しておかしいことではない。ただ、タラヲがしてくる要求が桁外れにおかしいないようだった。
「セックスさせてくださーい!」
「……え?」
 フグ田タラヲ。3歳。どう考えても聞き間違えだと思うだろう。
 否、断じて聞き間違えではない。タラヲはあろうことか、高校生の体を蹂躙しようとこの部屋に侵入してきたのだ。ませている、なんていうレベルじゃない。明らかに異常であり、私は抗いたい要求でもある。
「いやだ!」
「そんなこと言っていいんですかー?」
 タラヲが私の携帯のストラップに指を引っ掛け、ぐるぐると回す。その目、行動が指示しているコトはたった一つ。拒否すれば通報するぞ、という脅し。そんなもの、この家の人間が赦す筈がない。
「サザエさーん!」
「あら? もしかしてタラちゃん? ごめんなさいねー」
 このあと、タラヲを寝かしつけるなどの処置が取られればよかった。
 普通はそうする。人の弱みに付け込んでくるなんて最低の行為だ。もとより、タラヲの年齢に性欲なんて存在するわけがない。私は律のモノだ。

「タラちゃんがセックスしたいみたいだから、大人しくされてちょうだいねー」

「でーす」

 ――耳を、疑った。

85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/11(火) 00:57:19.49 ID:kfMrAL2JO
タラヲガチで死ね

86 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/11(火) 01:00:03.26 ID:jFD9qfMF0 ?2BP(2000)

 ――私は汚された。

 律のモノだと決めていた体を――

 この子供に汚された。

「さっさと服着るですー」
 
 煙草を吹かして私を見るタラヲ。

 それはまるで子供が虫を殺すかのような、無機質な目。

 これではまるで服従者。

「なんて……馬鹿……」

 私の声を聞いて、タラヲは立ち上がる。

「いたっ!」

 タラヲの足が私を踏みつける。

 蛍光灯の影になってよく見えなかった顔。

 その顔は、邪悪に歪んでいた気がした。

87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/11(火) 01:01:42.04 ID:vhdhNNQv0
つまんなすぎワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

88 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/11(火) 01:07:28.36 ID:jFD9qfMF0 ?2BP(2000)

「さて……もうすぐですねー」

 タラヲの笑みが、さらに歪な形になる。
 私がこの子供に会ってから感じていた不安。それが現実となる。
 フグ田タラヲ、この子供を攻略するには――

 ――結局のところ、殺すしかなかったのだ。
 
 ポケットに入っていたボールペン。
 中学三年の冬。律と一緒に買った蝶のボールペン。
 カチリ、ペン先を出す。

 ――ごめんね。律。唯。ムギ。梓。

 私、もう、駄目だ――

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/11(火) 01:08:50.55 ID:cC/UrNJvO
タラヲのセックスシーンの描写がないとか…

90 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/11(火) 01:20:42.19 ID:jFD9qfMF0 ?2BP(2000)

 Epilogue

 ――それからの話をしよう。

 私は、フグ田タラヲ殺してしまった。

 どうやら、私はこの家。否、この世界の神に触れてしまったようで、フグ田タラヲの殺害に於ける私の判決はなんと死刑。
 人一人殺したところで死刑になんてならない、薬をやっていたのならなおさら、というこの国でその判決は異例。私は上告したが、最高裁で死刑が確定。今の私は刑執行を待つだけの生ける屍だ。
 ――律は薬が抜け、社会復帰したが間もなくフラッシュバック。今では廃人同様の状態らしい。人も、何人か殺してしまったらしい。
 ムギは、あれから私たちの隠ぺい工作が表沙汰となり、琴吹グループ崩壊。今はなにをしているのかもわからない。
 梓はプロのジャズミュージシャンとして活躍している。CDを出せば最低でもスマッシュヒットを叩きだす売れっ子だ。子供も2人いるらしい。名前はフグ田あずみとタラ街道というらしい。
 そして、唯は驚きだ。マクラーレンの運転からドライビングに目覚め、今となっては超一流のF1ドライバーとして世界中の脚光を浴びている。今年のチャンピオンシップはほぼ当確らしい。

 ――私は、蝶になんてなれなかった。
 花の蜜を吸う、綺麗な蝶なんかじゃない。
 光に集まり、醜く飛ぶ、ただの蛾だ。
 それを、私は図り損ねていた。

 ――そうして、私は最後には一人になった。


秋 山 澪 が 麻 薬 に 手 を 染 め る そ う で す
                                    END

91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/11(火) 01:21:51.46 ID:kfMrAL2JO


92 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/08/11(火) 01:22:24.65 ID:jFD9qfMF0 ?2BP(2000)

終わった





終わった
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Comment

 

なんてこった、澪が89漬けに……
そしてタラヲw
乙な。

……昨今のVIPの現状を見る限り、
ブログを立ち上げてSSを書くのは
賢明だと思う。
  • posted by 格ゲスレの者 
  • URL 
  • 2009.08/12 17:56分 
  • [Edit]

 

マジでつまらんかった
  • posted by  
  • URL 
  • 2009.08/22 09:53分 
  • [Edit]

 

この人の作品初めて見るけど、タラオ云々の前までは面白かった。
けど、その後が無茶苦茶すぎて萎えた。
なに?途中で飽きたの、この人。
それとも作風?
  • posted by  
  • URL 
  • 2009.09/07 13:54分 
  • [Edit]

 

ケータイ小説(笑)

コレ待ってる人いるわけ?
  • posted by  
  • URL 
  • 2009.09/07 16:29分 
  • [Edit]

 

スレにバトルドーム知らない奴がいてワロタ
  • posted by ななな 
  • URL 
  • 2009.09/08 16:11分 
  • [Edit]

う~ん 

途中までは まあまあ読めた サ〇エ〇んネタになってから 一気にさめた
(-_-)
もっと凄い逃走劇にしてほしかった
  • posted by はんざき 
  • URL 
  • 2010.04/11 16:35分 
  • [Edit]

訴訟 

在日ネタは笑えないからやめろ
  • posted by  
  • URL 
  • 2010.04/16 23:53分 
  • [Edit]

 

というか麻薬使ってる描写がほとんどないよなw
特に後半とかネタにしか見えなかったわ
  • posted by  
  • URL 
  • 2010.05/09 22:51分 
  • [Edit]

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読み方はえみやしろ

笑み社 ◆myeDGGRPNQ

Author:笑み社 ◆myeDGGRPNQ
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