笑み社がブログを立ち上げたようです

2ちゃんねるのVIPでSSコテとして活動中の笑み社 ◆myeDGGRPNQのブログです。基本的に作品保管庫として機能していますが一日一回日記を書きます。

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磯野カツオが薔薇乙女と出会うそうです 番外編

504 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 12:52:49.21 ID:p4PLm5T30
そろそろ書き始めようと思う。

505 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 12:58:03.33 ID:v56xBYDG0
来たわぁ

506 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 13:09:44.65 ID:p4PLm5T30
【絆】

 ――僕のミーディアムはおじいさんだ。

 今年で幾つになるか判らないけれど、白くて長い髭。禿げ上がっ
た頭。優しい雰囲気。それらは磯野家にいる人間は誰も持っていな
い、おじいさんの魅力だった。
「おじいさん。お茶が入りましたよ」
「おお、蒼星石か。ありがとう」
 頭を撫でられるのは嬉しい。僕は今までミーディアムと必要以上
に馴れ合ったりはしなかったしこれからもないと思っていた。永遠
を生きる僕たちにとって、必然的に訪れるのは愛する『人間』との
別離。それが恐ろしかったからだ。
「蒼星石、翠星石はどうしたんだい?」
「あ。翠星石なら真紅と遊ぶって言って磯野家に行きましたよ」
「そうか。
 ――蒼星石」
 おじいさんが僕を優しい眼差しで見る。その眼差しも、僕が大好
きなものだ。
「蒼星石も、私たちに構わないで遊びに行っていいんだよ?」

507 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 13:11:37.20 ID:p4PLm5T30
「――」
 今まで、そんなコトも言われなかった。
 今までのミーディアムは僕たちに必要以上の干渉を持たなかった。
 力を僕に与えることはあっても、僕たちに愛情を与えてはくれな
かった。
「――おじいさん」
 だから、言っておこう。
 僕の、気持ち。
 僕の、心を。
「僕。おじいさんとおばあさんのこと、大好きです。
 きっと、翠星石も同じ。僕、おじいさんとおばあさんと――ずっ
と、ずっと一緒にいたい」
 初めて、ミーディアムに言ってしまった。
 愛している、と。
 ずっと一緒にいたい、と。

「――蒼星石。ありがとう」

 僕たちはずっと一緒にいられる。
 アリスゲームがない。理想の世界。

 真紅。ありがとう。

蒼星石 FIN


508 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 13:13:47.56 ID:fepQX97m0
おーきてたー

509 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 13:13:52.77 ID:cyvkZo8r0
相変わらず気持ち悪い文章だな

510 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 13:23:40.73 ID:+Q4O9OfhO


511 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 13:28:36.90 ID:p4PLm5T30
【愛憎】

 私、翠星石のミーディアムはアリスゲームの最中に亡くなった。
 何百年も膠着状態だったアリスゲーム。それが動き、そして決着
した。そうなれば、死人だって出る。それは予想出来たし、そのこ
とで心を痛めることも考えなかった。
 ……しかし、今の私はそのミーディアムの墓前で俯く。
 人の死。
 それを目の当たりにすることはなかったが、ミーディアムのタラ
ヲを死なせてしまったのは、きっと私が弱かったからだ。
 
 私が弱くて。
 彼は死んだ。

 タラヲは心底腹が立つ餓鬼だったけれど、命を落とす要因は私だ。
 私が守ってあげれば、守ってあげられる力があれば。
 タラヲは死ななかった。


512 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 13:29:41.58 ID:p4PLm5T30
「物まねちび人間……」
 タラヲの死。それは磯野家に於いて大きな影響はなかった。
 母親のサザエも、父親のマスオも、決して涙は流さなかった。む
しろ、その日の晩はごちそうだったと真紅に聞いた。
 それだけ、タラヲは愛されなかったのだ。
 家族から腫れ物のように扱われ、愛ではなく、憎しみを注ぎ込ま
れた。

 ――ならば、あのような人間が出来上がる。

 人を平気で裏切り。
 他人を虐げる。
 それが、フグ田タラヲだった。

513 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 13:30:12.70 ID:lP0WwmRzO
コンビニでガム買うときに店員さんが落としたから「商品変えていいですか」って言ったら潔癖症きめえ……って感じの動きをされた保守

514 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 13:30:30.53 ID:p4PLm5T30
「大っ嫌い……ですぅ」

 大嫌いだ。
 フグ田タラヲなんて、大嫌いだ。

 なのに、どうして。
 どうして涙が、止まらないのだろう。

 それはきっと。

『うざいで~す』

 あの瞬間までの日々。
 それまでは――

 私とタラヲには、信頼があったからだ。

 おやすみなさい、と呟き、墓地を後にした。
 もう此所には来ない、と心に決めて。

翠星石 FIN

515 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 13:33:13.24 ID:p4PLm5T30
次は金糸雀。
少し休憩する。

516 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 13:39:15.64 ID:yIjIpO680
また偽物。
いい加減にして。

517 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 13:40:20.91 ID:v56xBYDG0
タラヲが哀れすぎるw

518 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 13:41:52.99 ID:yIjIpO680
タラヲが今までやってきたことを考えれば
このくらいは当然。

519 :水晶の舟 ◆Crystalx/k :2009/03/09(月) 13:47:37.74 ID:NZrmvuCg0 ?DIA(114212) 株優プチ(gallery)
sssp://img.2ch.net/ico/u_mosa.gif
あれ笑み社が二人いる・・・・?

520 :笑み社 ◆EMI/ZionKk :2009/03/09(月) 13:49:17.82 ID:yIjIpO680
トリップを変えてみた

521 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 13:51:33.58 ID:6b+D/uEg0
なりすましは辞めて

522 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 13:52:04.37 ID:p4PLm5T30
じゃあ偽物が書けばいい。

私を偽物とするのならば今すぐにブログを更新すればいい。

523 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 13:54:47.44 ID:6b+D/uEg0
ブログはハッカーにジャックされていた。
打つ手がない。私の負け。

524 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 13:56:56.48 ID:6b+D/uEg0
なぜこんなことするの
わからない

525 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 13:58:52.58 ID:p4PLm5T30
じゃあ早くここに『本物』のSSを書けばいい。
早く。

526 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 13:59:25.88 ID:6b+D/uEg0
マンコが気持ちいい。
だからいじる。それだけ。

527 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 14:00:21.62 ID:lP0WwmRzO
偽物死ねよ
何で俺の時は怒られてお前の時は認可されるんだ死ね


528 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 14:02:06.27 ID:p4PLm5T30
認可はしていない。

私が今まで積み重ねてきたものをかすめ取るような真似はふざけている。


529 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 14:02:16.38 ID:6b+D/uEg0
>>525
貴女が本物なら貴女が書けばいいだけ。
貴女のするべきことはそれだけ。

>>527
この事態はあなたが招いた。
切に死んでほしい。

530 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 14:03:05.32 ID:NSbbGph6O
新しい酉をつけるのは?

531 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 14:03:28.74 ID:aOg+jDCMO
             /)
           ///)
          /,.=゙''"/
   /     i f ,.r='"-‐'つ____   細けぇ事はいいんだよ!!
  /      /   _,.-‐'~/⌒  ⌒\
    /   ,i   ,二ニ⊃( ●). (●)\
   /    ノ    il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
      ,イ「ト、  ,!,!|     |r┬-|     |
     / iトヾヽ_/ィ"\      `ー'´     /



532 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 14:03:52.14 ID:lP0WwmRzO
>>528
ブログがハッカーの山脈にやられたって誰も信じないだろうに
かすめ取れてないから安心するべきそうするべき

533 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 14:04:37.50 ID:6b+D/uEg0
そう、細かいことなどどうでもいい
安心してSSを書けばいい

534 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 14:05:41.66 ID:lP0WwmRzO
>>529
お前が止めればいい話だろ
やっていいことと悪いことの区別ぐらいしろよここまでくると倫理観の問題だわ人のせいにすんな死ね

535 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 14:07:46.56 ID:6b+D/uEg0
>>534
責任転嫁しないで。私は貴方を責めてるの。
早く死んで。

536 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 14:09:42.22 ID:lP0WwmRzO
>>535
じゃあ俺の何が悪いのか聞いとくよ

537 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 14:11:55.13 ID:6b+D/uEg0
>>536
トリキーをばらした。あれは致命的。
冗談とは言え、軽率すぎる。
最低。

538 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 14:16:08.02 ID:lP0WwmRzO
投下の邪魔になってるだろうけど笑み社に嫌われたくないから言っとくが俺は誰にも教えてねーよ


539 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 14:19:26.13 ID:6b+D/uEg0
じゃあ449は何?

540 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 14:23:07.68 ID:lP0WwmRzO
どこにトリキーあるんだよ
早く笑み社に投下させろよ


541 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 14:23:53.49 ID:V30DdWbdO
糞コテ雑談所すか
笑み社とかいうやついちいちスレタイにローゼンの名前使うな

542 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 14:25:30.62 ID:6b+D/uEg0
>>540
最近の貴方には悪意があるとしか思えない。
それに彼女が本物なら黙っていてもそのうち投下する。

>>541
うるさい黙れカス

543 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 14:37:27.08 ID:p4PLm5T30
【家族】

 家族。
 私が必要としていたけれど、手に入れることが一度も出来なかっ
たもの。

 大事な姉。水銀燈。
 大事な妹。翠星石、蒼星石、真紅、雛苺。この間初めて会ったけ
れど、雪華綺晶も。
 みんな、みんな仲良くしたかった。
 それなのに、私たちは争った。否、争わなくてはいけなかったの
だ。父のために、自分の為に。

「――詭弁かしら、ね」
 そう、詭弁だ。
 誰かの為に、誰かを傷つけるなんて間違っている。
 傷つけることは悲しくて。
 傷つけられることも悲しい。
 判っている筈なのに、どうしてこの身体は戦ったのだろう。
「――ハーイ!」
「いけませんイクラ! ごめんなさいね金糸雀ちゃん」
「ううん。構わないかしら! イクラちゃん。カナと遊ぶかしら」
「バーブ!」
 戦った理由なんて、私は考えない。
 今、大切なのは此所にいるという事実。
 波野家のお世話になっている私は、タイコやイクラちゃん、そし
てノリスケと幸せに暮らしたいと思う。
 ――そのために、今でも充分幸せだけれど――


544 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 14:37:59.84 ID:NSbbGph6O
本物がいない…

最近のスレ立てしづらさは異常

545 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 14:39:28.50 ID:NSbbGph6O
いた

546 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 14:39:30.63 ID:p4PLm5T30
「タイコ。これからカナのことはイクラちゃんと同じで呼び捨てで
いいかしら」
「え? でも金糸雀ちゃんは――」
「カナたちは家族かしら! ノリスケもタイコイクラちゃん、いい
え。イクラもカナの大切な家族かしら。だから――」
「――ええ。わかったわ。『金糸雀』。それじゃあ、晩御飯のお手伝
いしてくれる?」

「りょーかい! かしら!」

 今日のごはんはなんだろう。
 タイコの卵焼きを、また食べたい。

 でも、焦らなくてもいい。
 またいつでも食べられるのだから。

金糸雀 FIN


547 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 14:39:54.63 ID:6qOyAmsRO
久しぶりに笑み社見たな。

548 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 14:41:58.73 ID:lP0WwmRzO
良かった……心が折られたのかと思ったよ

549 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 14:52:46.86 ID:p4PLm5T30
【芽】

 私の姉妹はみんな格好いい。

 水銀燈は最初は怖かったけど、今は皆のお姉さんで大好き。
 金糸雀は私と気が合って、その上スゴく優しくて大好き。
 翠星石は意地悪もするけど美味しいお菓子作ってくれて大好き。
 蒼星石は大人な考えで皆を引っ張ってくれる存在で大好き。
 雪華綺晶は今まで会ったことがなかったけれどスゴくいい子だか
ら大好き。
 薔薇水晶はお父様は違うけど、おしとやかで憧れるから大好き。
 
 ――そして、真紅は私のために戦ってくれて、私を生き返らせて
くれて、また花子と一緒に暮らせるようにしてくれて大好き。

「雛苺ー! おやつよー!」
 花子は声が大きい。そんなに大きな声を出せなくても聞こえるのに。
「わかったのー! うにゅーなのー!」
 うにゅーでもなんでもいい。
 花子と一緒に食べるおやつは本当に美味しいからだ。

「花子。ヒナ、みんなみたいにオトナじゃないけど、花子のこと、
大好きなの!」
 私はみんなのような大人ではない。
 だから、他の姉妹が羨ましい。


550 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 14:55:22.65 ID:p4PLm5T30
「雛苺。あのね――貴女はまだ小さな芽なの。小さいけれど、いつ
か大きな花や実をつける『苺』なのよ」
「……」
「雛苺にはまだわからないか。
 とにかく、私が一生かけて雛苺を立派なレディにしてあげるわ
よ! 私のように!」
 ガッハッハと豪快な笑い声をあげる花子。
 私のミーディアム。こんなにも明るくて、まるで太陽みたいな人。

 ――私は、いつか大きな花と実をつける。
 そうなった時には、花子もカチュオと――

「花子。大好きなの!」

「ええ! 私もよ!」

 それは、10余年後の話になる。

雛苺 FIN


551 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 14:55:32.71 ID:93ywf4v/O
はやくはやくー

552 :きびなご ◆ixr4/nDQQ. :2009/03/09(月) 15:06:41.85 ID:7oi0OCa30 ?PLT(16130)
sssp://img.2ch.net/ico/gomiopen1.gif
支援

553 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 15:14:06.36 ID:p4PLm5T30
【鏡】

 1人。

 虚無。
 何もない空間。

 1人。

 泣いていた。
 私。

 楽しいことなんて。
 なにもなかった。

 私という存在を疑ってしまう程に。

554 :水晶の舟 ◆Crystalx/k :2009/03/09(月) 15:14:11.02 ID:NZrmvuCg0 ?DIA(114212) 株優プチ(gallery)
sssp://img.2ch.net/ico/u_mosa.gif
支援

555 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 15:14:38.16 ID:p4PLm5T30
 永い永い時間。
 孤独に打ち震え、狂いそうになる理性を抑えてきた。

 鏡の向こうではお姉様たちが笑っている。
 鏡の向こうではお姉様たちが泣いている。
 鏡の向こうではお姉様たちが生きている。

 私は?
 私は、生きているの?
 私は、死んでいるの?

 わからない。
 わからなくなってしまうほど、私は一人きりだった。
 そして、鏡が怖くなった。

556 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 15:15:28.23 ID:p4PLm5T30
 ――それを、そんな日々を砕いた男。
 一度終わったこの世界。

 でも、終わってしまった世界をまた初めてくれたのは赤薔薇のお
姉様。

「雪華綺晶」
「――? どうしたのですか? 赤薔薇のお姉様」
「貴女、独りは寂しかったでしょう?」
「?」
 ここは赤薔薇のお姉様のミーディアムの部屋。
 行くところがない私はここに住むことになった。この家の家族は
嫌な顔一つせずに私を仲間に入れてくれた。独りのときはあり得な
かったことだ。
「だから、身体もない、アストラル体のときは誰かと話をすること
もできない。可哀想な雪華綺晶。私が貴女の立場だったらすぐに狂
っていたのだわ」
「……そうですか? お姉様は強い方です」
「強い? いいえ。独りというのは強さと関係なしに辛いものな
の。頼るもの。頼られるもの。それがないと、強さ関係なしに心は
砕けてしまうの。
 でも――」
 お姉様の腕が首に回る。顔はお姉様の胸に押し付けられる体勢に
なる。立て膝になったお姉様が私を抱きしめてくれている。

「私の、大切な妹。雪華綺晶。
 もう貴女は独りじゃないのよ。だから――泣いてもいいのよ?」


557 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 15:16:01.07 ID:p4PLm5T30
「――!」
 溢れた。
 今まで我慢していた。
 
 寂しさ。
 妬ましさ。
 辛さ。
 怖さ。
 喜び。
 悲しみ。
 痛み。 
 憤怒。
 憎しみ。
 切なさ。
 愛しさ。

 総てが、涙として溢れた。
 総てが、嗚咽となって溢れた。


558 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 15:16:37.06 ID:p4PLm5T30
「う、あああああ! 寂しかった! 辛かった! お姉様ぁ!!」

「いいのよ。もう、ずっと一緒なのだから」

「お姉様ぁ!!」

 そうして、私は時間を忘れて泣いた。

 今までの感情を吐き出すように。

 もう、鏡を恐れることは決して、ない。

雪華綺晶 FIN


559 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 15:18:31.21 ID:p4PLm5T30
番外編はゆったり書いていく。

気が向いたら人形以外も。

560 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 15:18:47.41 ID:DEC/G8260
追いついた

561 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 15:24:35.69 ID:lP0WwmRzO
>>559
タラヲですらも?

562 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 15:25:59.06 ID:p4PLm5T30
>>561
無論。
別に後日談である必要はないのだから。

563 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 15:27:48.20 ID:lP0WwmRzO
>>562
いや死んだとか関係なしにタラヲが嫌いみたいだったから
どんなのか期待してる

564 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 15:30:10.46 ID:NSbbGph6O
がばれー

565 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 15:30:54.40 ID:TNgj8FnpO
ちょw番外編始まってたww

566 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 15:37:36.71 ID:p4PLm5T30
【姉】

 仲良く。
 ずっと一緒にいる。

 他の姉妹たちはそれを容易にこなしていた。
 誰かを傷つけることを拒み続けて、お父様の願いを蔑ろにした。

 少なくとも、私には彼女たちをそのように見ていた。
 馴れ合って、遊んで、笑い合って。
 いつか殺し合わなくてはならないことも知っていて、彼女たちは
憎み合わずに仲良く過ごしていた。
 ――ああ。莫迦らしい。
 否、莫迦らしいのは、自分だ。

 父の呪縛に縛られて。
 恨んでもいない妹を殺そうとして。
 本当は大好きなのに。
 一緒にいたいのに、素直になれずにいた自分が本当に莫迦らしい。
 いい加減にしよう。
 人を、妹を憎んでいるフリをするのは――

 ――おしまいだ。
 私は、皆のお姉さんなのだから。


567 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 15:38:12.60 ID:p4PLm5T30
「お姉様……ねえ」
「真紅? どうしたの?」
「いいえ。なんでもないのだわ。それよりも早くとりなさい」
「え? そうね。
 ――あ!」
「きゃはは! 水銀燈がババを引いたですぅ!」
「ぷ……翠星石! 笑っちゃ……駄目だって……プクク……」
「とらないように気をつけるのー!」
「さあ黒薔薇のお姉様。よろしかったらこのきらきーにババの苦し
みを……ウフフフ」
「次は……私が水銀燈のカードを……」
「……カナはもう上がっちゃってるかしら」

 ババ抜き。
 以前の私なら絶対にしなかったのに、変わったものだ。
「真紅ぅ!」
「オホホ。どうしたのお姉様! 早く上がらないとヤクルト一年分
は手に入らないわよ!」
 ――あれ?
 今――否、先刻から――


568 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 15:39:02.25 ID:p4PLm5T30
「お姉様? え?」
「いいじゃない。私は水銀燈。貴女の妹なのよ? だったら、お姉
様と呼んでもおかしくはないのではなくて?」
「――! 真紅! この翠星石を差し置いて水銀燈をお姉様だなん
て! お姉ちゃんもデレデレしてんじゃねえですぅ!」
「あはは。落ち着きなよ。姉さんもヤクルトの為に頑張りなよ」
「お姉ちゃんなのー! 水銀燈は皆のお姉ちゃんなのー!」
「黒薔薇のお姉様……早くババを……!」
「私も……お姉様と呼んでも……いい?」
「カナのお姉さんは水銀燈だけかしら!」

 ――ああ。これが、私の望んだもの。
 姉妹で仲良く遊んで。
 お姉さんって呼んでもらえる。

「ええ、そうね。
 かかってきなさぁい! 愚妹たち! (金糸雀は上がったのだから放っておくわぁ)」

 ――そうして、私たちの幸せな日々は。

 永遠になっていく。

水銀燈 FIN


569 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 15:55:47.51 ID:Fo/q3IBNO
さるさん。

ちょうどいいから休憩する。

570 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 15:57:43.44 ID:DEC/G8260
じゃあ役に立たない保守

571 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 16:16:12.72 ID:DEC/G8260


572 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 16:26:02.66 ID:NSbbGph6O
おひょひょひょ

573 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 16:39:59.28 ID:p4PLm5T30
【父】

 ローゼンメイデン。あの子たちはそう呼ばれている。

 私の父『三郎』の師であるローゼンが作った人形。それが彼女た
ちローゼンメイデンだ。
 彼女たちは普通の女の子と同じ。
 笑って、泣いて。
 私にはない、きちんとした感情を持っている。
 ……私には、ない。


574 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 16:40:46.05 ID:p4PLm5T30
 なにもない。
 例えるなら、それはいつまでも覚めない夢のようなもの。いつか
は夢と気がつくかもしれないが、それから覚めることは出来ない。
要因は判っていても直せない病のようなものだ。
「お父様……」
「どうしたんだい薔薇水晶!? もしかして真紅たちにいじめら
れたのか? シット! あの不人気め!」
「待ってください。真紅たちは私を仲間に入れてくれます。そんな
言い方はやめてください」
「……薔薇水晶」
 お父様が一瞬だけ悲しそうな顔をする。
 それは、娘の反抗を悲しむ親の目。しかし、それもすぐに笑顔に変わった。
「薔薇水晶は優しいねえ! 本当にいい子だ!」
「……?」
 いい子?
 私が? いい子?
 そんなことはない。

 私はお父様も、あの子たちも傷つけた。

 痛い思いも、悔しい思いもたくさんさせた。
 その私が、いい子のハズがない。


575 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 16:41:41.00 ID:p4PLm5T30
「私は……いい子じゃ……ないです」
「? そんなことはないよ。
 いい子っていうのはね、反省出来る子のことを言うんだよ。悪い
ことをしてしまっても反省して、もうそういう悪いことは絶対にし
ない強い子を、いい子って言うんだ」
「反省……」
「そう。君は真紅たちを傷つけてしまったことを悔やんでいるのだ
ろう? でも、真紅たちはそれを気にしないで君に接している。だ
ったら、君は気にしないで真紅たちと遊んでくればいいよ」

 ――そう。
 反省して、真紅たちにきちんと謝ろう。

 そうすれば、きっと私はあの子たちと姉妹のように――

 三河屋から磯野家へ歩き出す。今日は皆でトランプをして遊ぼう
と思う。

 今度は、お父様も一緒に――

薔薇水晶 FIN


576 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 16:45:43.07 ID:V30DdWbdO
雛苺「笑み社ってコテが全レスするの~」(笑)

577 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 17:01:39.90 ID:p4PLm5T30
【少女】

 時間が緩やかに流れている。
 穏やかな日々。
 何よりも代え難い、幸せな時。

 ――数百年。私は不安だった。

 いつこの心が消えてしまうか。
 いつ姉妹に殺されてしまうか。
 いつ姉妹を殺してしまうのか。

 それが、余りにも怖くて、暗黒で。心から休まった時間なんてあ
りはしなかった。
 ……摩耗した心。
 私の小さな身体はもう限界だった。


578 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 17:02:21.87 ID:p4PLm5T30
「真紅ー!」
 カツオが呼んでいる。時刻は既に、おやつの時間なのだろう。
 漫画を閉じて椅子から降りる。
「――!」
 ぐらついた。椅子が古くなっていたのか、私の身体が床に叩き付
けられようとする。
「真紅!」
 ――刹那。大きな身体、といっても私に比べてだがなにかが私が
床に落下する直前に庇ってくれた。
 それが誰かは判っている。
 私の大切なミーディアム。カツオ。
「気をつけろよ。ほら、今日のおやつはお前の好きな姉さんのホッ
トケーキだぞ」
「そう。
 じゃあ、抱いて頂戴」
「――ほら」
 ふわりと浮く私の身体。
 カツオの顔が眼前にある。優しい表情。本当に穏やかな気持ちに
なるその表情に、眠気にも似た安心を感じた。
 カツオが、大人になっても、おじいさんになってしまっても、私
をこうして抱いてほしい。
 言葉には出さないけれど、それが今の願い。


579 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 17:03:36.06 ID:p4PLm5T30
「カツオ――」

「真紅?」

「――これからも、よろしくなのだわ」

「――ああ。こちらこそな」

 完全な少女なんて、いらない。 

 私は、普通の少女のように恋をしよう。
 私は、普通の少女のように笑っていよう。
 
 私は――

 私は、普通の少女のように生きていこう。

 真紅 FIN


580 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 17:05:21.53 ID:p4PLm5T30
これで人形編は終わり。

誰も見ていない?
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Comment

No title 

ローゼン見てない自分としては
名前の読みとかいろいろ解らないことが多かった
でも内容は悪くないと思うからまた書いてほしい
  • posted by  
  • URL 
  • 2009.03/10 19:38分 
  • [Edit]

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