笑み社がブログを立ち上げたようです

2ちゃんねるのVIPでSSコテとして活動中の笑み社 ◆myeDGGRPNQのブログです。基本的に作品保管庫として機能していますが一日一回日記を書きます。

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磯野カツオが薔薇乙女と出会うそうです 1

1 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:00:12.78 ID:+pDoX+WT0
 ――僕には、何が出来るのだろう。

 毎日。そう、毎日のようにそれを考えていた。
 
 誰かの役に立つことも。
 誰かの心の支えになることも。
 誰かを笑わせることも。
 誰かを、信じることも

 ――僕には、何一つとして出来なかったのだから。

2 :ヴぁぶ ◆be/KuVa/B. :2009/03/08(日) 13:00:52.48 ID:UrdKOJ7Z0 ?PLT(31056)
sssp://img.2ch.net/ico/taxi.gif
   wwww
  /     \
/  (●) (●)\
| ∵   ○   ∵ | ヴぁぶの2get
|   (__人__)  | 
\   `⌒´  /
/        \

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 13:02:03.33 ID:1rPDplwi0
またお前か
結局進路はどうなったんだよ

4 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:03:03.07 ID:+pDoX+WT0




「カツオ~!」
 朝から聞こえる姉の苛立ったような声。
 布団をかぶってその声が聞こえないようにつとめるがそれも無駄。
 
 僕の努力は虚しく。部屋に来襲してきた姉に布団をはぎ取られる、
我が楽園は侵略者の手により奪われ、一気に外気と触れた全身が震
える。

「ひどいじゃあないか! 姉さん!!」
「五月蝿い! 早く準備しないと遅刻するわよ!」
「――!?」
 時計を見る。時刻は残酷にも8時を回っている。

「どうして起こしてくれなかったんだよォォ!!」
 
 朝食も採らずにランドセルを背負い、僕は今日も急いで学校へと
出掛けた。


5 :きびなご ◆ixr4/nDQQ. :2009/03/08(日) 13:05:57.30 ID:uML1efwL0 ?PLT(16130)
sssp://img.2ch.net/ico/gomiopen1.gif
読みにきた。
書き溜めしてたみたいだけど、改行の位置がおかしくなってるよ。

6 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:06:13.33 ID:+pDoX+WT0

 
 通学路は閑散としていた。
 それもそのはず。僕が走っている道は今から30分ほど前は人で
溢れていたのだ。今現在、僕が走るこの道に人が溢れる道理はない。

「――」
 呼吸が乱れる。
 目が覚めてすぐに走り出したため身体が目覚めていない。その上
朝食を採っていないことで空腹が極限に近くなっている。

 学校が近づく。
 教師の一人が門を閉め出す10秒前。よかった。僕はこの闘いに
勝利したのだ。


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 13:10:25.56 ID:ZkzsocXv0
笑み社来た
規制に負けないで下さいね
支援します

8 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:10:29.20 ID:+pDoX+WT0


 ――教室で行われる授業は全てが退屈だ。
 
 隣の席の花沢さんはまじめにノートをとっているが僕はそんなこ
ともしない。先生が話す授業の内容など馬耳東風。僕の耳にはグラ
ウンドで体育にいそしむ声や木にとまっている鳥の鳴き声しか聞こ
えない。
「――ねえ、磯野くん」
「ん? ノートはとらないよ」
「そうじゃあないのよ。私のところに――」
「花沢!! なにを喋っている!! 磯野!! 廊下に立っと
れ!」
「!? 先生! 磯野くんは――」
「黙れ!! どうせ磯野が誑かしたんだろう!」
「先生!」
「いいよ。廊下に立ってます」
 僕の弁解を聞いてくれるものなんていない。僕は決して言い訳も
せずに廊下へ向かった。


9 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:14:08.76 ID:+pDoX+WT0


 学校が終われば中島たちと空き地で野球が出来る。僕が毎日を過
ごすにあたり、最も楽しみにしていることの一つだ。

「なあ磯野。先刻の先生の言葉に、どうして反芻しなかったんだよ」
 空き地へ向かう道中。中島が僕に尋ねる。尋ねられたところで僕
は明確な答えを答えることは出来ない。
「めんどうだったんだよ。中島だってあの先生の言うことはおかし
いと思うだろう?」
「ああ。無論、そう思ったさ」
「だったらそれでいい。『大人』っていうのは大変さ。注意してくれ
る人がいないからさ。現にコンビニや病院とかで騒ぐ年寄りを誰が
注意する? 子供ならまだしも、大人は注意しづらいものなんだ。
その結果、大人は堕落していく。弱点を克服することが出来ないか
らね」
「――なるほど。磯野が言うことはなんとなく理解出来る。つまり、
乗り越える以前にその弱点を知ることがない。そういうことだね」

 中島との会話はいい。彼は僕の言葉をきちんと受け止め、理解し
てくれる。
 空き地に向かう道。そこで、僕は汚れた紙を見つけた。

 ――それが、僕の運命を大きく変えるものになる――


10 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:18:10.25 ID:+pDoX+WT0


 ――中島たちとの野球を終え、家へ帰宅する。先刻拾った紙はポ
ケットに入れたままだ。何気なく入れてしまったが、その内容は見
ていない。

「カツオ。宿題は?」
「今からやるよ。
 あれ? ワカメは?」
「今日もサーキット。大会が近いんだって」
 
 ワカメは最近サーキットでカートレースにハマっている。SLレ
ースというものならばワカメでも出られるらしく、そのことでワカ
メは毎日のようにサーキットへ行っている。
 
 ――故に、自室は1人だ。
 ワカメがいなければ、この紙の内容を訝しがられずにすむ。

「?」
 
 ――巻きますか?
 ――巻きませんか?


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 13:19:31.22 ID:w2/Ogtn70
野球はしっかりやってるw

12 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:22:14.32 ID:+pDoX+WT0


 全く理解出来ない。
 何を巻くのか。何を巻かないのか。そのコトが一切この紙には書
いていない。否、書いてあるにはあるのだがその部分は雨に濡れた
のか、インクが落ちてしまって読めない。

「ふむ。もしかして、丸をつけて誰かに渡すのか?」
 机に転がっている鉛筆で『巻きます』の部分に丸をつける。別に
それ以上何かするわけでもなく、机の引き出しにいれておいた。

「はは。なにしてんだろ。僕」

 ――判らない。
 きっと、僕は欲しかったのだ。

 ――この、繰り返しのような日々を変えてくれるものが。


13 :ロロロ ◆2IMwLoLoLo :2009/03/08(日) 13:24:35.03 ID:6La3bn3n0
ルギア爆誕おもしれぇ

14 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:25:27.76 ID:+pDoX+WT0


 ――それから三日。
 
「ちわ~! 三河屋っす!」
「あれ? サブちゃん。今日は姉さんも母さんもいないよ」
「ああ。いいよ、ただの届け物だから。判子ある?」
 三河屋は最近になって運送屋の仕事も始めたらしく、ワカメが注
文したカートのパーツやらを届けてくれていたため、僕もなんの疑
いもなく判子を押して箱を受け取った。
「――!」
「結構重いんだけど大丈夫?」
「こ、これはなんですか?」
「――それが、差出人の名前が無いんだ。ただ、取り扱い注意のシ
ールが貼ってあるから気をつけてね」
「わかりました。ありがとうございます」
「じゃあね。
 それと――」
 
 サブちゃんはバイクに乗り込みエンジンをかける。その音で、な
にを言っているのか判らないが、サブちゃんは、何かを言っていた。


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 13:27:44.41 ID:3hu8ItEnO
三河屋wwww

16 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:28:57.23 ID:+pDoX+WT0


「なんだろう。これ」
 箱を開けると。それは中世ヨーロッパのような作りの鞄。重量も
それなりにあり、かなり重たい。
 自室の床に置くのにもゴトリと重たくも低い音がした。

「この鞄。鍵が掛かってない……」
 今まで開かなかったため、鍵が掛かっていると思っていたのだが、
この箱。どういうわけか手でこじ開けないと開かないようになって
いる。
 
 故に――

 ――開けてみよう。

 そう、思った。


17 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/08(日) 13:29:15.00 ID:4wjztB/lO
もうきた!はやい!メイン笑み社きた!これから読むか

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 13:30:12.45 ID:wPjtA81eO
がんばれ支援

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 13:30:43.49 ID:4wjztB/lO
奇妙だな……この箱、内側からカギがかけらているッ!

20 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:32:22.09 ID:+pDoX+WT0


 重たい見た目に似合わず、それを開ける際には大した腕力は必要
とせず、意外とあっさり開いた。

 ――唖然とした。

 中に入っているのは赤い装束を身にまとった色白の、大きさはタ
ラちゃん程度か、もしくはそれ以下の小さな女の子だ。
「――な!?」
 どうして。
 女の子が箱の中に、それも運送屋に運ばれて我が家に来ているの
だ。
 それは本来在り得ないコト。
 この、紅の少女はピクリとも動かない。
 
 まるで、死んでいるかのように。

「――? これは?」
 紅の少女の傍らには一つのゼンマイ。
 そこで、僕は予感した。

 ――これは、人形だ、と。


21 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:37:22.23 ID:+pDoX+WT0


「少しぐらいなら、いいよな」

 ゼンマイを手にとって、紅の少女の背中に空いている穴にあてが
う。抱きかかえた状態なのだが、それだけで薔薇のようないい香り
がする。

22 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:38:05.16 ID:+pDoX+WT0
「――」
 
 ギコギコという音と共にゼンマイを回す。十数回、ゼンマイを回
すと、少女がぴくりと動き出す。
 本当に人形のようだが、その動きはまさに人間のそれだ。
「――あ」
 少女の目と口が開く。
 ただ見られるだけで魅入ってしまう。その人形の手が動き――

「!?」
 その手が僕の頬を叩く。突然のことだったので人形を落としてし
まう。本来ならば、そのまま人形は床に落下する筈なのだが、その
人形はきちんと着地し、僕を睨みつけた。

「まったく、レディの身体をなで回すなんて人間の雄は本当に下劣
なのだわ。ゼンマイを巻いたのなら――」
「!? わああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 いつもと同じ昼下がり。
 されど、これからは違う。

 ――これが出会い。
 僕と、『真紅』との出会いだ。


23 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:43:09.62 ID:+pDoX+WT0


「それで、君はなんなんだ?」
「? 貴方、私がなにかも知らないでゼンマイを巻いたの? 呆れ
たものだわ」
「ああ。だから教えてくれ。君は――」
「そうね。なにも知らないで死んでいくのも可哀想ね。
 私は誇り高きローゼンメイデン第5ドール。真紅よ」
 
 ――そうは言われてもさっぱり理解出来ない。
「貴方、本当に馬鹿ね」
「な!? 僕が悪いのか?」
「悪いに決まってるじゃない。なに? 私が悪いとでも言いたい
の? 下僕のくせに生意気ね」
「いつ下僕になった!? 僕は君のことなんてさっぱり知らないん
だ! きちんと説明しろ!」
「――ふう。
 わかったわ。私たち『ローゼンメイデン』のことを話してあげる」


24 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:48:14.82 ID:+pDoX+WT0


「――これが、私たちローゼンメイデンよ」
「――」

 真紅の話は、俄には信じがたいものだった。
 ローゼンという、彼女たち7体の人形を作った男に会う為に、彼
女たちは遥か昔から殺し合っている。それがアリスゲーム。
 『アリス』とは完璧な少女を指す言葉であり、彼女たちはその称
号を手に入れ、父親であるローゼンと永遠に共にあることを目的と
している。
 そして、そのアリスゲームで勝利するには人間と契約して、エネ
ルギーの拠り所を得ることが大きなポイントとなる。
 真紅の話を要約すればそういう話になる。
「そんなモノ、信じられるか!」
「信じる信じないは勝手だけど。
 信じないと――貴方、死ぬわよ」

 真紅がそう口を開いたその瞬間。窓ガラスが割れ、自室に人形が
侵入してきた。
 ――それはどこにでもある、熊のぬいぐるみ。しかし、本来のそ
れと違う点は、それが包丁を持っている点にあった。


25 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 13:52:39.73 ID:+pDoX+WT0


「……これは?」
「水銀燈ね。迷ってる暇はないわ。貴方、今すぐ私と契約しなさい」
「え!? ――って、うわあ!」
 ぬいぐるみは僕の身体を切り刻もうと襲い来る。間一髪躱したが、
次は間違いなく殺される。

「くっ! 貴方! 契約を――」
「そんなこと――!」
 出来ない。
 それをすれば、きっと僕はこの闘いに巻き込まれる。そうすれば、
僕はもう戦うしかない。いつだって命を狙われる立場に置かれる。
 それは、どうしても厭だ。

「――!」
 真紅がぬいぐるみに押し倒される。あの体勢では、コンマ数秒後
に真紅の死が待っている。

 ――それを、認めるか。
 否――認める筈がない――!

 そう思うのと同時に、僕の足はぬいぐるみを蹴り飛ばしていた。


26 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 13:56:04.08 ID:o9p8QCayO
支援

27 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 14:03:22.33 ID:+pDoX+WT0


 ぬいぐるみは吹き飛び、襖にぶつかる。そのことでぬいぐるみが
僕たちを諦める筈がないが、一時的にでも真紅は助かったのだ。今
はそれでいい。

「ありがとう。
 でも、どうして私を?」
「厭なんだ。女の子が痛がってたり苦しんでたり。そういうのは、
ね」
「――そう。貴方、立派ね」

 ――その、穏やかながらも凛々しい顔を見て覚悟は決まった。

「真紅。契約っていうのはどうすればいいんだ?」
「貴方――!」
「早く言え!」
「……そうね。私の薬指にキスを。それだけよ」
 
 ……跪いて、真紅の細い、折れてしまいそうな指に口づける。

 ――熱いなにかが、僕の身体を駆け巡る。 
 マグマのような痛みに、僕の身体は溶けてしまいそうになる。

 それも、平気だ。
 僕の痛みで、真紅が助かるならそれでいいのだから。


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 14:04:29.51 ID:cLGu2vR80
なんだ笑み社か

29 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 14:07:14.67 ID:+pDoX+WT0


「真……紅……?」
 目が覚めると、そこには僕等を襲ってきたぬいぐるみの姿はなく、
いるのは僕を心配してくれている様子もなく、本棚から漫画をとっ
て読んでいる真紅の姿だけがあった。
「あら。目が覚めたの? まったく、人間の雄は下劣なだけじゃな
く体力もないのね」
「は、は。言ってくれる、な――」
「あまり動かない方がいいわ。ガラス片が飛び散ってるから今の貴
方じゃ踏んで怪我するわ」
「――!」
 今、気がついた。
 部屋は数分前のそれとは大きく異なり、ガラスは割れて飛び散り、
襖は壊れ、おまけに畳までひっくり返されていた。
「心配はいらないわ。この本を読んだら直すから」
「お前、直せるのか?」
 ええと答えて、すぐに目線を漫画へ戻す。姉さんや母さん。否、
こんな状態、誰に見られてもヤバすぎる。
 しかし、そんな些末なことを気にする程、僕の体力には余裕がな
い。身体の至る所にガタがきている上に、不思議と全身の力が入ら
ないのだ。
「直せるのならいい。僕はもう少し眠るから、直しておいてくれよ」

「――ええ。わかったわ。カツオ」

 薄れゆく意識の中。声が聞こえた。

 ――ありがとう、と。


30 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 14:08:03.42 ID:+pDoX+WT0
少し席を外す。
よかったら保守をお願いしたい。

スレが伸びなくて不安……

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 14:10:25.98 ID:w2/Ogtn70
みてるよー

32 :おっかけ:2009/03/08(日) 14:12:19.54 ID:rfuNv4GlO
大分ひさしぶりにあった気がする

33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 14:16:13.26 ID:XcaYvBbCO
俺も見てるぜ

34 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/08(日) 14:21:45.56 ID:4wjztB/lO
>>30
投下の邪魔になるかなって不安だったんだよ!

35 :ロロロ ◆2IMwLoLoLo :2009/03/08(日) 14:22:14.50 ID:6La3bn3n0
(ow)/ 明日は月曜日

36 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 14:25:30.17 ID:o9p8QCayO
明日も日曜日

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 14:38:23.36 ID:qUBFPcfXO
支援

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 14:55:07.38 ID:7X76ayx+0


39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 15:03:40.48 ID:qUBFPcfXO
あげ

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 15:03:44.63 ID:4wjztB/lO


41 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 15:03:54.40 ID:+pDoX+WT0
ただいま
今から再開するけれど、コメントもお願いしたい。
私もレス乞食……

42 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 15:07:30.60 ID:+pDoX+WT0




「カツオ。紅茶を入れて頂戴」

 あれから二日後の昼。真紅は僕に紅茶を入れろという要求を突き
つけてきた。
 ――冗談じゃない。いつも紅茶なんて飲まない僕が紅茶を入れて、
しかもこの部屋に持ってくるなんて、怪しい以外何者でもない。今
だって真紅の存在を家族全員に隠しているというのに、そんなこと
をすれば一発で僕の部屋に誰かいるのがバレてしまうじゃないか。

「ダメだ。僕の部屋にお前がいることがバレたら、また面倒なコト
になるし、なによりアリスゲームに僕の家族を巻き込むことなんて
出来ない」
「――そうね。私も注意が足りなかったわ。ごめんなさい」
「? やけに素直だな。どうしたのさ」
「いいえ別に。ただ――この押し入れというところも、悪くはないわね。少し埃っぽいけれど」
「皮肉か」
「そうとったのなら好きにすればいいのだわ」
 オーケー判った。
 そういうのならこっちにも考えがある。

43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 15:08:44.40 ID:qUBFPcfXO
wktk

44 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 15:10:15.92 ID:+pDoX+WT0
「そうか。じゃあ、この指輪を取るぞ」
 契約した時から薬指についている指輪。この指輪を取れば、きっ
と契約が終わり、真紅は慌てふためく。そう思って指輪を外そうと
試みる。
「あ、れ?」
「なにをしているの? カツオ。言っておくけれど、指輪を無理に
取るというコトは、指を一本差し出す、そういうコトになるわよ」
 それでこの余裕か。
 ――僕の抵抗は終了した。
 大人しくお茶でも持ってこよう。

45 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 15:10:39.95 ID:o9p8QCayO
たしかし

46 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 15:15:50.95 ID:+pDoX+WT0


「あら? カツオ。どうしたんだい?」
「母さん。紅茶ある?」
「……ごめんねカツオ。緑茶はあるんだけどねえ」 
 
 台所で昼食の準備をしている母に聞いてみる。もとより期待はし
ていない。この家にそんな高級じみたものが存在しているとは思っ
ていないからだ。
 真紅の要望に応えられないのは些か恐ろしいが仕方ない。大人し
くツインテールのビンタでも受けるとしよう。
「カツオ。どうして紅茶なんだい?」
「え? え~と……そう! 明日の調理実習で使うんだよ!」
 我ながら良い判断だ。これならば、母は僕に買ってこさせるだろ
う。
「そうかい。じゃあ、買ってきな――」
「きゃああああああああああ!!!!!!!!!!」
 
 姉さんの叫び声。
 ――と、もう一人分の叫び声。誰のものかなんてすぐに判った。


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 15:16:33.19 ID:4wjztB/lO
>>41
全レススレでもうわかってるからwwwww
がんばれ

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 15:19:26.79 ID:rDkKAC59O
カツオの声で脳内再生するとなんだか楽しくなってくるな

49 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 15:23:49.53 ID:+pDoX+WT0


「どうしたんだい! サザエ!」
「か、母さん! こ、これ!!」
「全く! 人間はこれだから嫌なのだわ! レディの部屋をノック
もしないで――!」
 姉さんに襟を掴まれて宙ぶらりん。真紅のそんな状況を見て、僕
の世界は止まった。
 止まった世界のハズなのだが、真紅の目は間違いなくこちらを見
ている。
「あらカツオ。紅茶は煎れてきたのかしら?」
 やめろやめろ! 僕の名前を呼ぶな!
 
「カ~ツ~オ~! なにか知ってるの? これ!」
 姉の腕が前に、真紅が僕の眼前に突き出される。
「これとは失礼ね」
「あなたは黙ってなさい」
「――」
 姉さんに言われて言葉を失ったのか、真紅は黙ってこちらを見る。

 ――ああ。なんていうか。いっそのこと指一本ぐらい覚悟してお
こうかな。


50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 15:24:30.80 ID:BdrZ2c/90
すごい痛いし気持ち悪い

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 15:24:48.73 ID:1+2KXDBKO
サザエ強いなw

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 15:28:03.17 ID:qUBFPcfXO
サザウェw

53 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 15:29:39.74 ID:+pDoX+WT0


「――というわけで、真紅はここにいるんだよ」
 ローゼンメイデンのことを説明する。至って触りだけな上に殆ど嘘だ。
 要するに、真紅たちを作った人から送られてきた。だから捨てる
わけにもいかない、と。

「ふ~ん。この子がねえ」
 見る限り、姉さんと母さんは真紅が人形だということに気がつい
ていなかったようだった。故に、僕の説明を聞いたところで信じた
りはしなかった。
 それでいい。真紅たちの闘い。アリスゲームに巻き込まれない為
には、いっそ真紅を人間だと思ってくれた方が助かる。

「いいから紅茶を持ってきなさい」
「お前は黙っててくれ。母さん、姉さん。真紅は他に行くところが
ないんだ。お願いだから、ここにいさせてやってくれないか?」
「――そうねえ。見たところ本当に小さい女の子だしねえ」

「いいわよ。ただし、真紅ちゃんもこれからは色々と手伝ってもら
うわよ!」


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 15:31:57.48 ID:4wjztB/lO
いきなり犬拾ってきた子供みたいな扱いだな

55 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 15:35:21.56 ID:+pDoX+WT0


「だわだわ!」
 今日も皿が割れる音がする。同時に聞こえるのは真紅の悲鳴。
 姉さんも早く気がついた方が良い。

 ――真紅は家事に関する全ての事柄が苦手なのだ。
 
 以前真紅に朝食を作らせた時、この世のものとは思えないものが
出来た程である。
 洗濯機も扱えず、皿洗いをすれば先刻のように皿を割る。
 典型的なお嬢様をそのまま人形にしたような。そんな人形が真紅
なのだ。ローゼンというのは真性のMなのだろうか。

「ねえ、お兄ちゃん」
 机に向かって宿題に勤しんでいるワカメが話しかける。きっと真
紅のことだろう。
「さっき、花沢さんが呼んでたよ。今すぐうちに来てって」
「花沢さんが? なんでさ」
 真紅のことではなく、花沢さんの話。つまり、花沢さんは僕に大
きな用事があるのだろう。
「わかんない。でも、結構急いでたよ」
 花沢さんが僕を家に呼ぶことは珍しいことじゃあない。しかし、
急いでいるという点に関しては珍しい。


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 15:37:25.40 ID:w2/Ogtn70
花沢さんからむとろくなことないからなぁw

57 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 15:41:38.40 ID:+pDoX+WT0


「あら。出掛けるの? ちょうどいいわ。サザエが鰹節を所望して
いるわ。今すぐに買ってきなさい」
 玄関で真紅とばったり出会い、開口一番お使いを命じられた。別
団断る理由もないが花沢さんの家に行くからすこし遅くなると真紅
に言った。
「――そう。なら私も連れて行きなさい。命令よ」

 ――読めた。
 このお使い。真紅が命じられたものだろう。それを僕に押し付け
ようとしたが、花沢さんの家という言葉に興味を持ち、行こうと決
めたのだろう。

 リュックに真紅を詰める。
 連れて歩くのもいいのだが、さすがに小さな女の子と一緒に歩く
のは恥ずかしいのだ。
「……結構快適ね」
 歩かなくても前に進めるというのがお気に召したのか、真紅はリ
ュックに詰められても道中、文句を言わなかった。


58 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 15:50:04.06 ID:+pDoX+WT0


「あ! 磯野く~ん!!」
 花沢さんは玄関前に水を撒いている。これは彼女の日課であり、
毎日続けている一種の手伝いであった。
「どうしたの? 花沢さん、いきなり呼び出して」
「ぐふふ。見せたいものがあるのよ」
 花沢さんはバケツを仕舞い、花沢不動産の中に僕を入れた。

「あ! 花子~遅かったの~!」
「ごめんね。雛苺、お客さんが来ててね」 

59 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 15:51:52.23 ID:o9p8QCayO
ぐふふwwww

60 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 15:52:57.01 ID:+pDoX+WT0


 ――え?
 ピンク色の装束。綺麗な金髪。大きなリボン。
 明らかにその容姿は日本人のものではない。それならば――

「その子――」
「ええ、そうよ。雛苺。ご挨拶しなさい」
「うぃ~、むっしゅ。ヒナは、ローゼンメイデン第6ドール。雛苺
なの~」
「――!」
 その声を聞いて、リュックが跳ねる。
「雛苺……ですって?
 カツオ! 今すぐここから出して頂戴!!」
 リュックのファスナーを開ける。真紅はすぐに飛び出し、雛苺と
対峙する。

「真紅……なの?」
「ええ。雛苺……」
「わ~いなのー! 真紅~!」
 雛苺が真紅に抱きつき、真紅も雛苺の抱擁を素直に受け止めた。
「もしかして、見せたかったって」
「そう。この子。前に学校で言おうとしたんだけど、磯野くん廊下
に立たされちゃうんだもん」
「――ああ。あの時か」
「可愛いわよ。この子。素直で小さくって」
「うちのは全然素直じゃないけどな」

 ――ローゼンメイデン第6ドール。ということは、真紅の妹とい
うことになるのか。

61 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 15:57:58.02 ID:+pDoX+WT0


「よかったな。真紅」
「なにを指していっているの?」
「なにって。雛苺さ。お前の妹みたいなものなんだろ?」
「――ええ。そうね」
 時刻は夕方の5時。日は傾き、夕日のオレンジが街を包んでいた。
 リュックに入っている真紅の表情は見られないが、僕等の声はお
互いによく聞こえた。
「ねえ、カツオ」
「ん。なんだ?」
「――私たちは姉妹である前にアリスゲームのライバル。いうなら
ば、敵よ。それは雛苺も判ってる。だから、私たちに姉妹の絆なん
て――ないのよ」
「――」
 真紅は極めて冷淡に言い放つ。
 それがどのような意味を持つかなんて知らない。でも、僕が見る
限り、真紅と雛苺は間違いなく姉妹であり、彼女たちがいがみ合う
理由なんてどこにもないのだ。なにより、姉妹で争うなんて悲しす
ぎる。

「出会わなくていいのなら、出会いたくなんてなかった」

 リュックから、そんな本当にか細い声が聞こえた。


62 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 16:05:29.94 ID:4wjztB/lO
カツオ蹴り飛ばせばいいのに

63 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 16:12:12.88 ID:+pDoX+WT0




「カツオ! なんなのあの子供は!」
 真紅が珍しく怒りを露にしている。いつもなら何も言わずに僕の
頬を叩くのに、この状況はなかなか珍しい。
「あの子供?」
「ですですですですですですと! 本当に腹が立つわ!!」
「――ああ。タラちゃんか」
 確かにタラヲは人の癇に障ることを多くすることで有名だ。
慣れれば聞き流すことも出来るが最近からうちに住んでいる真紅は
慣れていないため、苛立ってしまうのだろう。
「そうよ! 全く! あの口調が一番腹が立つのよ。まるで――」
 ――まるで、と。その後には何も言わなかった。

 ――というより、言えなかったのだ。

 その、ミサイルかロケットかのような速度でガラスを割りながら
飛んでくる。西洋風の鞄によって。


64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 16:14:26.88 ID:qUBFPcfXO
タラヲw

65 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 16:18:03.80 ID:+pDoX+WT0


「これは、まさか……」
 中世ヨーロッパ風のつくり。重たそうなこの鞄はこの部屋に置い
てある真紅の鞄と同じものだ。

「いやですぅぅぅ!!」

 鞄が勢いよく開き、僕の顎にクリーンヒットする。それだけで
も失神ものなのだが、中から出て来たものはその衝撃を遥かに超越
していた。

「翠星石!」
「!? し、真紅ですか!」

 緑色の服。ブラウンの長い髪。真紅や雛苺と同じ、人形の少女。
 またあんな連中が現れたのか。そう思い、膝から崩れた。
 ――もう、嫌……。


66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 16:20:11.95 ID:1+2KXDBKO
俺の嫁クル━━━(゚∀゚)━━━!!

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 16:23:10.14 ID:Bq2zTMxb0
笑み社の文の書き方と7人の人形の戦い…
すごく…聖杯戦争です……

68 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 16:23:36.14 ID:+pDoX+WT0


「どうしたの翠星石。貴女が取り乱すのはいつものことだけれど鞄
で飛んでくるなんて」
 ガラスが吹き飛んだため、風がカーテンを揺らす。ついでに教科
書やノートもめくれ上がっている。
「はい……だって……蒼星石が……」
「蒼星石もいるの!?」
 話を聞く限り、蒼星石というのもいるのだろうか。きっともう一
枚のガラスも、その蒼星石とやらに割られるのだろう。
「翠星石~!!」
 ――あ。やっぱり。
 ガラスは健闘虚しく、粉々に砕ける。
「蒼星石! 翠星石は戻らねぇですよ!」
「そんなこと言わないで。おじいさんだってもう怒ってないから、
ね。
 ――って! 真紅!!」
「こんにちは。久しぶりね、蒼星石」

 ――呪い人形が三体。
 きっとこの後。紅茶を要求される。故に僕は黙って紅茶を煎れに
いった。


69 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 16:29:25.13 ID:+pDoX+WT0


「そう。翠星石が家を出た理由は判ったわ。それじゃあ、帰りなさ
い」
「嫌です!」
「翠星石!」
 ――帰ってみれば、話し合いも終盤になっていたようで2人は帰
るか帰らないかで揉めているらしい。
「別に無理に帰ることはないだろう? 喧嘩した相手とは、少し距
離をとってみればいいよ」
 紅茶を配りながら提案する。僕も友人と喧嘩した時、一旦距離を
とることで仲直りした経歴があるのだ。
「そ、そうですぅ! この人間が言う通りですぅ! 真紅、翠星石
に部屋を用意するですぅ」
「そうね。部屋は用意しないけれど、暫くはここにいるのもいいわ
ね。蒼星石。そういうことだから、ミーディアムに報告しておきな
さい」
「う、うん。じゃあね真紅。翠星石は迷惑をかけないようにね。
 あ、紅茶。ごちそうさまでした。真紅のマスター」
 蒼星石は丁寧に礼を言って鞄に入り、外に飛び出す。

70 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 16:36:13.30 ID:+pDoX+WT0
「真紅。ありがとうです……」
「礼を言うのなら、フネに許可をとってからにしなさい」
「いいって。母さんには僕から言っておくから」
「あ、ありがとうですぅ。翠星石は誇り高きローゼンメイデン第3
ドール。翠星石です。これからもよろしくお願いするですぅ」
 翠星石はぺこりと可愛らしいお辞儀をする。
 僕が出会って来たローゼンメイデンの中では一番おしとやかな印
象だ。今までは真紅のようなわがまま娘。雛苺のような子供と淑女
には程遠い人形ばかりだったからだ。

 ――その印象も、数分後には覆されることになるだが。


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 16:38:03.07 ID:Fwl3659LO
支援

72 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 16:42:28.89 ID:+pDoX+WT0


「カツオにいちゃ~ん!」
 
 タラヲが僕を呼んでいる。丁度いいので母さんに翠星石のことを
報告しておこう。
 ティーセットを片付ける。真紅が来てから毎日のように行って
いる行為故、手際は良くなった。
「翠星石だっけ? 僕の家族に挨拶しにいくぞ」
「はいですぅ!」
 僕の後ろをぴょこぴょことついてくる翠星石。ブラウンの長い髪
が揺れる。
「翠星石。この家の家長は私、真紅よ。まずは私に挨拶してしかる
べきじゃないかしら?」
「なにを言っているんだ? いつお前が――」
「カツオ兄ちゃ~ん? 早く来るです~」
 痺れを切らしたのか、タラヲが僕の部屋まで来る。その瞬間であ
る。
「!?」
 ――翠星石とタラヲに、なにかが生まれたのは。


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 16:43:54.43 ID:Bq2zTMxb0
ですぅワロタwww

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 16:48:49.11 ID:YV1xMddiO
うおおお支援

75 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 16:50:39.27 ID:+pDoX+WT0


「おまえ……翠星石の口調をパクりやがるとは! とんだ不貞野郎
ですぅ! さっさとその口調を止めて、おとなしくママのおっぱい
でも吸ってろ! ですぅ!」
 先刻までの翠星石とはうってかわり、乱暴な言葉遣い。そして天
へ向かうように立たせた中指がこの部屋に静寂と嵐を生み出した。
 僕は完全に面を食らい、うどの大木のように突っ立ったままだ。
真紅はため息と共にそそくさと部屋を後にし、残ったのは険悪なム
ード全開の2人と僕の3人。
「何を言ってるですか~? 僕はパクってなんていないです~。僕
が不貞野郎ならキミは嘘吐きです~」
「な! なにを言ってるですか! この物まね人間!!」
「物まねじゃないです~!」
「物まねですぅ!」

 ――あ。
 忘れてた。僕、縦笛を買いに行かなきゃ。

 敵前逃亡。というより、ここは放っておいた方が良い。
 僕は意味もなく外を出た。


76 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 16:54:20.61 ID:+pDoX+WT0


 ――中島にローゼンメイデンのことを話すわけにもいかない。つ
まるところ、この件について相談出来るのは花沢さんだけなのだ。

「花沢さ~ん!」
「あ! 磯野くん! 雛苺~。磯野くんよ~」
 奥から雛苺がやってくる。いつものように元気一杯の姿に安心す
る。もはや、彼女は花沢さんにとって唯一無二の存在であり、彼女
がいなくなるというのはそれ即ち花沢さんの心の柱が無くなるとい
うことなのだ。
「カチュオ~なの~!
 ――!?」
「どうしたの? 雛苺」
 雛苺の様子がおかしい。近くに浮遊している人工妖精『ベリーベ
ル』が雛苺になにかを囁く。

「ここは、危ない?
 花子! 逃げ――!」

 雛苺が言い終えたか言い終えないかのうちに、花沢不動産は巨大
な水晶に押しつぶされた。


77 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 16:59:03.64 ID:+pDoX+WT0


「雛苺!? 雛苺!!」

 間一髪巻き込まれずにすんだが状況は絶望的だ。
 雛苺が立っていた位置と水晶が落下して来た位置。まさに必殺の
位置であり、アレを避けきるとするならばそれは人の業ではない。
 ――否。あんなモノ。人間ではない彼女たちですら避けることは
不可能だ。零、生きていられる可能性なんて、零と言っても良い。
「――」
 ここからなら見える。この水晶を放った主を。
 紫色の装束。薔薇の眼帯。まさしく、それは真紅たちと同じ、ロ
ーゼンメイデンだ。

「雛苺……さようなら…………」
 
 紫の人形は、たしかに、そう、言った――


78 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 17:03:19.77 ID:+pDoX+WT0


 特大の水晶が飛んでくる。
 これは間違いなく必殺の一撃であり、雛苺の死体をも残さない。
そんな一撃だった。
 ――それを放つのならば、判りやすい。
 雛苺は生きている。
 そうでなくてはあの人形は雛苺にとどめを刺す必要がない。
「雛苺――!」
 花沢さんの悲痛な叫び。彼女も理解しているのだ。

 雛苺はこんどこそ――死ぬ。

 理屈などではない。これは本能だ。
 死を理屈で理解することは出来ない。故に、この予感はまちがい
ない直感であり本能の産物だ。
 死がコンマ数秒以内に雛苺にもたらされる。否、もう死んでいるのかもしれない。

「――薔薇の盾(ローズシールド)――!」

 巨大な紅い薔薇が水晶を受け止め、受け流す。
 それは彼女を――

「――カツオ。貴方、本当にどんくさいわね。レディの一人も満足
守れないなんて」

 あの、紅い少女を思い起こすものだった。


79 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 17:03:47.50 ID:4wjztB/lO
ですぅwwwwwwwwww
がんばれ笑み社

80 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 17:07:29.06 ID:+pDoX+WT0


「真紅! 翠星石まで引っ張りだしてなんなんですか! 翠星石は
まだ物まね人間との決着を――!」
「黙りなさい翠星石。今は雛苺の救出が先決よ」
「雛苺? まさか! あの中にチビイチゴが!?」
 翠星石の手には大きな如雨露。見据えるは水晶に潰された花沢宅。
 ……手が震えている。翠星石も理解しているのだ。あの中にいる
雛苺の絶望的状況を。
「翠星石。スイドリームを使って水晶を引き上げ、その間に私が雛
苺を」
「判ってるです! スイドリーム!」
 如雨露が輝き、アスファルトを砕く程に雄々しい大樹が姿を見せ
る。その勢いで水晶が砕け、真紅が飛び込む隙間が生じた。
「雛苺!」
 
 ――よかった。雛苺は無事だ。
 ここから見える限り、雛苺は生きている。

「――!」
 遠くの紫の人形が手を翳す。
 ……忘れていた。あの紫の人形を2人に伝えていない。故に――
「きゃあああああ!!!」
 真紅に水晶が降り注ぎ、雛苺との距離が開く。


81 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 17:11:07.54 ID:+pDoX+WT0


「真紅!」
「大丈夫だわ。これぐらいで、諦めて――きゃあっ!」
 水晶は容赦なく真紅を攻める。この水晶の主を2人に教えないと
――
「真紅! 翠星石! あそこにローゼンメイデンがいる! 紫の奴
だ!」
 僕の言葉に2人は明らかに驚いている。その顔は在り得ないこと
を聞いたという顔だ。
「そんなことあるはずないのですぅ! 紫のローゼンメイデンなん
て――!」

「いる筈ない。そう仰りたいの? 翠星石」

 僕等の目の前に降りて来たのは存在しない筈の紫色。

「てめーは――誰ですか!?」

「私の名は薔薇水晶。ローゼンメイデン第7ドール」


82 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 17:14:49.64 ID:+pDoX+WT0


「薔薇水晶……だと……!」

「――」
 翠星石の表情は険しく、目の前の事実を信じることが出来ない。
そんな表情だった。
 ……第7ドールの存在。それ自体は決しておかしいことではない。
真紅も言っていた。『ローゼンメイデンは7体』。それが嘘でなけれ
ば、翠星石が第7ドールに対して、ここまでの驚きを見せる筈がな
い。

「アリスゲーム。それが、お父様の望み」

 水晶を翠星石は避けられない。ミーディアムのいないドールは本
来の力を発揮することが出来ないからだ。
 ――嫌だ。
 僕は間違えない。僕が求めているものは『幸福』だ。なにかが目
の前で無くなってしまうのは、もう――

「うわぁぁぁ!!」
 考える暇もなければ。
 思案する時間もない。
 翠星石の盾になって水晶を受けることに、なんの躊躇もなく行動
に移した。


83 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 17:17:18.91 ID:4wjztB/lO
しえ

84 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 17:18:17.78 ID:+pDoX+WT0


「――ん! ――ん!!」

 何か、聞こえる。
 血に塗れた僕を、誰かが――

 
 ――ああ。ダメだ。
 全身に力が入らない。
 まるで、僕の中に存在していたエネルギーというエネルギーが総
て吸い取られていくようだ。指が熱くって千切れてしまいそうにな
る。
 耳に神経が行かず、『磯野カツオ』という存在が左手の薬指に収束
し、その薬指が破裂してしまえば――僕は――

「――カツオ。帰るわよ」

 意識が完全に消え去る前に――凛とした声がした。

 最後に見たものは、ピンク色のヒカリと少女の泣き顔だった――


85 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 17:18:56.45 ID:+pDoX+WT0
第3章が終わったところで少し休憩する。
>>95まで。

86 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 17:25:37.55 ID:+pDoX+WT0
……あれ?

87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 17:26:33.70 ID:TUcDkmS4O
みんな気をつかってるんだよ!
きっとそうだよ!

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 17:29:10.28 ID:Bq2zTMxb0
ゆっくりやすんでいってね!!!!!!!!!

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 17:29:31.17 ID:ClrbfnkKO
カツオの声で再生されない
全く

90 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 17:34:38.48 ID:4wjztB/lO
>>86
かわいいなお前

91 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 17:42:38.97 ID:+pDoX+WT0
落ちてしまうかもしれない。

92 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 17:44:54.97 ID:4wjztB/lO
ちゃんと保守はするよ

93 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 17:47:37.23 ID:o9p8QCayO
いる

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 17:47:59.36 ID:gMeeZPd80
水銀燈禁止だぞ~~~!!!!

95 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 17:48:01.84 ID:4wjztB/lO
かわいいな
お前みたいなコテは
理解できるよ

96 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 17:48:44.75 ID:+pDoX+WT0




「第七の……今まで誰もあったことのないローゼンメイデン、か」
「はい……翠星石たちだけじゃ……追い払うのが精一杯だったです
ぅ……」
「まったくだわ。あの薔薇水晶、私たちとはまるで強さが違う。ま
るで――私たちとは『違うモノ』のような」
 薔薇水晶の一件。それは彼女たちローゼンメイデンにとっても一
大事だった。今まで何百年も膠着状態だったアリスゲームが動き出
したコト。彼女たちが同じ時代に目を覚ましたことすら異常事態で
あるというのに、その中でも今まで誰も会ったことも聞いたことも
ない、最早存在するかすら判らない。その第七ドールが自分たちの
前に現れ、雛苺を倒していった。それは永い時間を生きてきた彼女
たちにとっても由々しき事態であり、一刻も早く解決しなければな
らない大事なのだ。
「薔薇水晶、だったっけか? あの子の能力とかそういうのは判ら
ないのか? 真紅」
「……おそらく、水晶の能力でしょうね。ただ……」
「ただ?」
 この場にいて、薔薇水晶に会っていないのは蒼星石だけだ。彼女
が薔薇水晶に遭遇した際に、対応が遅れてしまう可能性がある。そ
れ故に蒼星石には僕たちが持つ総ての情報を提供する必要が在る。
もはや、アリスゲームは『未知』を照らすために第三、四、五のド
ールが一丸になる必要があるのだ。

97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 17:49:04.68 ID:gMeeZPd80
リ科異(苦笑)

酉なしのゴミがコテだとwwwww

98 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 17:49:30.46 ID:+pDoX+WT0
「――人工精霊をつけていなかったのだわ」
「そ、そんな筈ねえですぅ! 確かに、翠星石も薔薇水晶の人工精
霊を確認してねぇですが、お父様が翠星石たちに差別なんて――!」
「僕もそう思うよ。僕たちは全員人工精霊をつけている。僕のレン
ピカ、君のホーリエのようにね。
 それがないということは、その薔薇水晶は自らの力のみで真紅や
翠星石。それに雛苺を圧倒したということになる」
「……つまり、薔薇水晶を倒すには君達では――」

 ――倒せない。
 彼女、薔薇水晶はローゼンメイデン中『最強』ということになる
のだ。


99 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 17:51:57.00 ID:+pDoX+WT0


「ひとつ。心当たりがあるわ」

 薔薇水晶を倒すことが出来ない。
 その結論に至り、部屋を重い空気が支配した。その中でたった一
言だけ真紅が呟いた。その呟きを聞いて、今まで俯いていた2人が
驚嘆した顔を上げた。その顔は安堵と不安が混ざった表情。つまり、
彼女たちも心当たりはあるのだ。しかし、それを期待している反面
にそれを敵として認識している面もあるのだ。ならば、その心当た
りというものとは――
「――他のローゼンメイデン、か」
 他のローゼンメイデンが加われば或いは薔薇水晶を倒すことも叶
うかもしれない。しかし、それにも条件がいくつか存在する。
一. そのものが目覚めているか。この時代に目覚めていないので
   は味方になってもらうことも叶わないのだ。

一. そのものが味方になる意志があるか。最悪、敵になってしま
  った場合、我々の敗北は決定してしまう。

一. そのものが本当に力があるのか。真紅たちの買いかぶりだっ
  たとしたら、そのコトで我々の勝利が遠のくからだ。


100 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 17:55:35.94 ID:+pDoX+WT0


「――そいつは、強いのか?」
「心外ね。あの子は純粋な戦闘能力ならば私たちが全員でかかって
いっても或いは、というところよ。貴方、家来のくせに主人の言葉
が信頼出来ないの?」
「――」
 いつもと変わらない口調。その言葉で安心し、口元が緩む。
「どうしたのですか? 人間」
「いや、真紅がそこまで言うなら、そいつは本当に強いんだろう。
それよりも、翠星石と蒼星石は誰かと契約しているのか? 力を使
うとミーディアムの肉体が疲弊するのなら、君達の場合はミーディ
アムへの配慮が必要なんじゃないのか?」

101 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 17:56:18.18 ID:+pDoX+WT0
「うん、僕は裏のおじいさんと契約しているけれど――」
「翠星石は……まだ、だれともミーディアムの契約をしていないで
す……」
 ――驚いた。
 裏のおじいさんが蒼星石と契約しているということもそうだが、
翠星石が未だに誰とも契約していないという点についてはさらにだ。
「ちょ! ちょっと待て! 契約していない奴は力を使えるの
か!?」
「はい。ミーディアムがいない翠星石でも力を使うコトが出来ない
というわけではないですぅ。勿論、大幅な弱体化はしますが……」
「その弱体化っていうのはどれぐらいだ?」
「そうですねぇ。ミーディアムがいる真紅の強さが25mのプール
だとすれば、今の翠星石の強さは精々この家のお風呂程度ですぅ」
 ――つまり、彼女。翠星石には一刻も早く誰かと契約を交わす必
要があるというコトになる。彼女が戦力にならなければ薔薇水晶を
打倒することはできないのだから。

「とにかく、あの子を捜しましょう。
 ――水銀燈が協力してくれるとは思えないけれど、ね」

102 :ハム速転載禁止サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/08(日) 17:56:19.08 ID:4wjztB/lO
>>97
いま祭り中だから仕方ない

103 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 17:59:41.78 ID:+pDoX+WT0




interlude

 底暗い教会。かつて、日曜日にはミサが開かれていたこの教会も
今は神父もシスターもいない、寂びれた建物となっている。
 ――本当に暗く、黒い。灯りといえば割れたガラス窓から照らさ
れていた月光のみだ。今宵は満月。暗い教会に珍しく光が広がる。
 巨大な十字架。この十字架の前で、果たしてどれほどの男女が永
遠の愛を誓ったことだろうか。
「――」
 果てのない闇に一つの影。銀色と黒色の影。それは人影では決し
てない。――理由なんて簡単だ。その影の正体は人形であり、人間
ではないのだ。
 人形の表情は重く、なにか悲しみを背負っているようにも見える。
もしくは、なにかを思案している。そのような表情だ。


104 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 18:00:54.04 ID:o9p8QCayO
水銀燈のみーであむは誰だろう

105 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:02:16.62 ID:+pDoX+WT0
「――ああ、なんだ。こんなところにいたのか」
 教会の重たいドアが開き、人が侵入してくる。小柄な少年なのだ
が、その口調はひどく大人びている。
「どこにいたっていいじゃない。それとも貴方。私が他の子に負け
たとでも思ったのぉ?」
 銀と黒の人形が少年を責めるような口調で言う。少年は両手を上
げて戯けたようなポーズをとってやれやれと漏らす。
「それは在り得ない。僕自身、君の姉妹を直接見たわけではないが
君が他の子に負けるなんて到底思えないね。否、君ならば一国の軍
が相手でも勝利できよう」
「フフ、貴方ホントおばかさんねぇ」
「ああ。でも、君の力は知っているつもりだ。
 ――水銀燈。アリスになるのは、君だ――」
 張りつめた空気に少年の声が響く。
 月光に、眼鏡をかけた少年が照らされる。

「ええ。なら精々死なないように気をつけなさい。中島」

interlude out


106 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 18:05:15.12 ID:4wjztB/lO
中島かよwwwwwwwwww

107 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:05:28.31 ID:+pDoX+WT0


「そういえば、水銀燈っていう子の手がかりはあるのか?」
「いいえ。まったくないのですぅ」
「翠星石ちゃんは馬鹿で~す。キモイです~」
「! いちいちつっかかってくるなです! この物まね人間!」
「黙れで~す」
「てめえが黙れですぅ!」
 早朝から騒がしい。翠星石が家にきてからタラちゃんモードから
タラヲモードになっている。タラヲモードの煩わしさはゴキブリな
んて比にならない。翠星石が腹を立たせているのも当たり前だ。慣
れている筈の僕でさえ、タラヲは殺してやりたい衝動に襲われるの
だから。
「騒がしいわね。いい? 水銀燈は一筋縄じゃいかないのよ? あ
の子を仲間に引き入れるには切り札を持っているべきなのよ」
「切り札って? 水銀燈に弱みがあるとは思えないけれど……」
「蒼星石。あの子を真っ二つにしたことのある貴方が言う台詞では
ないけれど、確かにあの子を仲間に引き入れるための『弱み』は存
在しないわ。ただし、あの子を釣る『餌』なら私も知っているつも
りよ」


108 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:07:19.14 ID:+pDoX+WT0
 聞いたところによると、水銀燈というのは彼女たちローゼンメイ
デンの中でも最も早くに作られた第1ドールであり、彼女たち全員
のお姉さんということになる。
「餌? なんですか? それ」
「これよ!」
 真紅がポケットから出したもの。それは薄黄色の液体が入った容
器。その容器には『ヤクルト』と書いてある。即ち、これは乳酸菌
飲料という奴なのだろう。
 ……無論、僕はこんなもので第1ドールが捕まるなんて思っては
いない。しかし真紅の自信は相当なものだ。これならばもしかする
といけるかもしれないという期待がもてる。
「それをどうするんだ? まさかざるで捕まえるんじゃ……」
「あら。よく判ったわね。
 早く準備なさい」
 ……呆れた。
 まさか本当にそんな古典的な方法で捕まえようとするなんて。
 もしかすると、第1ドールの水銀燈というのは実はトンデモなく
頭が悪く、その反面戦闘能力は高いのかもしれない。


109 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:10:36.31 ID:+pDoX+WT0


「準備出来たわね。あとはあの『ジャンク』を待つだけよ」
「――成る程ですぅ……
 そーですねー! あの『ジャンク』でも待つとするですぅ!」
「そうだね。まあ、来ないかもね。あの『ジャンク』は」
 三人の間では既に作戦は開始していたらしく、三人は大声でジャ
ンクを強調しながら話す。
 真紅が丁度20回目のジャンク発言の瞬間――

「貴女たちぃぃぃぃ!!!」

 黒い。漆黒の装束を纏った少女が僕らに向かって飛来してきた。
「来たわね。翠星石」
「りょーかいですぅ!」
 真紅の合図で翠星石がざるからヤクルトを持ってくる。それを真
紅に渡す。
 真紅は安心した面持ちで怒りで顔が真っ赤の水銀燈に駆け寄る。
「貴女たち! どうしてもジャンクになりたいようね!!」
「落ち着いて、水銀燈。これを――」
 ヤクルトを渡し、真紅は水銀燈に一言。


110 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:11:24.82 ID:+pDoX+WT0
「――たすけて、『お姉様』――」

 その言葉を聞いて、水銀燈の顔面は一気に赤から真紅に染まる。
彼女にとって、お姉様という言葉は予想以上に効果的な言葉のよう
だ。
「しょ、しょうがないわねぇ! まあ? こんなに可愛くない子で
もぉ。一応姉妹だしぃ、助けてあげないこともないわよぉ!」
「ありがとう。お姉様」
 ――この2人からはなにか妖しいものを感じる。例えるなら百合
的な何かだ。薔薇(ローゼン)だっていうのに百合じゃあまるっき
り矛盾している。


111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 18:14:05.00 ID:1+2KXDBKO
(*´Д`)ハァハァ

112 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:14:34.13 ID:+pDoX+WT0


「――それで、貴女に協力してほしいのだわ」
「第7ドール。薔薇水晶……ねぇ……」
「お願いですぅ! 薔薇水晶に……チビイチゴは……」
「雛苺? あの子はその子に負けたっていうの?」
「うん。真紅と翠星石も……ローザミスティカをとられなかっただ
けで……」
「完全敗北だったのだわ」

 僕の自室はいつのまにかローゼンメイデンたちの憩いの場になり、
また作戦会議の場にもなっていた。議題はもちろん薔薇水晶のこと
だ。水銀燈は僕たちに協力してくれるらしいが条件があった。
 ――それは、水銀燈のミーディアムを探ってはならない、という
ものだった。彼女のミーディアムは戦いを嫌っているのか、それと
も作戦なのか真相は判らないが今は薔薇水晶を倒す戦力に加わって
くれたことを僥倖と思うべきだ。


113 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:17:01.25 ID:+pDoX+WT0
「水銀燈」
「なぁに? もしかして、貴方が真紅のミーディアム?」
「ああ、そうだ。
 君は、その薔薇水晶に勝利する自信というか。そういうものはあ
るのか? もし、この中の誰か1人でも倒れたら、きっと薔薇水晶
は倒せない」
「フフ……貴方、私を馬鹿にしているの? 言っておくけれど。私
はローゼンメイデン中最強よ」
「――!」
 ……驚いた。彼女たちローゼンメイデンは誰もが自分が最強にし
て最高のドールだと思っている筈だ。しかし、その思いは自分の中
で封印して戦う。
 それは偏に敗北した時が辛いから。ホラを吹き、嘯き、それで敗
北したならばそれは敗北を遥かに超えた『恥』だからだ。

「だから、私は負けないわ。仮に、真紅たちが敗北しても――私1
人でもそれは変わらないわ――!」


114 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:18:53.47 ID:+pDoX+WT0




interlude

「お父様……」
 夜空に一人。瓦の屋根に、紫色の少女が呟く。
 暗黒の空に、憂いた目はただ月を眺めていた。
 彼女自身、どうしてここにいるのかが理解出来ない。ただ、感傷
に浸りたくなった。それだけなのであるが、問題はそこだ。彼女に
とって、自身など戦闘の道具であり作り手である父を喜ばせるだけ
の人形に過ぎないというのに、どうしてか姉妹で殺し合うこの戦い
を憂い、そして自らを哀れに思ったのだ。本来は、そんな感情(も
の)はあるはずがないというのに。
 彼女が、他の子たちと同じく、ローゼンに作られていたとしたら、
この感情を判ってくれるドールがいたのかもしれない。しかし、自
分を作ったのは他のドールを作った者とは違う。故に、この苦しみ
は自分だけのものだ。
 ――ああ。切ない話だ。
 人間は人間という括りのなかで生活する。そのため、他人の痛み
を知ることも出来る。
 しかし、自分は第七ドールと名乗っていても事実ではそうではな
いまがい物だ。
 ……ローゼンメイデンではない自分の痛みを、ローゼンメイデン
が知る筈がないのだ。
 彼女は永遠に独り。
 永遠に、孤独――

interlude out

115 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:20:17.53 ID:+pDoX+WT0


「死ねですー! 呪い人形ー!」
「な! なんてこというですかこの物まねちび人間は! いいです
か? 翠星石たちは大事なことを話しているのですぅ! 邪魔すん
じゃねえです」
「五月蝿いですー!」
「五月蝿いのはお前ですぅ!」
「どっちも五月蝿いわよぉ!! ジャンクにするわよ!」
 タラヲと翠星石の不毛な言い争い。それを制止するのはいつもは
真紅の役割であるのだが、真紅はnのフィールドに用事があるとい
うコトなので、2人の子守りは僕と水銀燈でしていた。
「翠星石。貴女、聞けばミーディアムもいないそうじゃない。別に
貴女が負けるのは構わないけど、あんまり弱いと面白くないからさ
っさと契約してきなさい」
「う、うるせえですぅ! 可憐で美しい翠星石に似合う人間がいな
いんだから仕方ねえですぅ!!」
「怒られたですー」
「うっせいですぅ!!」
「――!?」
 薬指が熱い。これは真紅が能力を行使した時に走る痛みだ。つま
り、彼女が今危険に晒されているのは目に見えて明らかだ。
「まさか、薔薇水晶!」
「行くぞ! 今すぐにでも決着を――」
「ぼくもいくでーす」
「ちょ! どこ触ってるの!!」
「わかんないでーす」
 僕等は鏡からnのフィールドへ駆け込んだ。


116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 18:20:34.00 ID:rfuNv4GlO
へー

117 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:22:22.03 ID:+pDoX+WT0


「!? あなたたち!」
 何もない。無の空間。そこで真紅は紫の水晶の中に閉じ込められ
ていた。見たところ、それを破ることは出来ない。この能力の持ち
主である薔薇水晶を叩くしか真紅を救う手段はない。
「あら真紅ぅ。いつにも増して不細工だわねぇ」
 水銀燈が真紅をからかう。真紅は顔を赤くして黙りなさいと一言。
「真紅ちゃんのパンツが見られるですー」
 タラヲが閉じ込められて身動きが取れない真紅を下から覗く。そ
のことでさらに真紅は赤くなる。無論、怒りでだ。
「――皆、ここから半径10メートルに薔薇水晶はいるぞ。気を
抜くな」
 薔薇水晶のひやりとした気配。対峙したのは一度だけだが、不思
議とその情報を察知した。今、僕等の戦力をまとめると――
 まず、ミーディアム不在で実力を出すことが出来ない翠星石。
 どうしてついてきたのかも判らないただの子供であるタラヲ。
 唯一の戦力である水銀燈だが、彼女とてタラヲと翠星石を庇いな
がら戦うのは余りにも分が悪すぎる。


118 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 18:23:59.78 ID:4wjztB/lO
タラヲいらねえじゃんwwwwwwwwww

119 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:24:47.05 ID:RM3UPsueO
猿さん食らった。

ちょうどいいから7時まで休憩する。
保守をお願いしたい。

120 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 18:27:53.35 ID:o9p8QCayO
ほっしゅ

121 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 18:28:22.36 ID:4wjztB/lO
任せろ

122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 18:30:24.27 ID:NSffTKFa0
     / ̄ ̄ ̄ `\ 
     /:\___从__ヽ
     i::/ ''''''  ''''''' i  
     |:/ (●) ,  、(●)|  
     (6    ,ノ(、_,)、   |   そろそろ本家はじまるですよーー
     ヽ    ト==イ  ノ 
      \_ `ニ´_,/

123 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 18:31:51.61 ID:4wjztB/lO
>>122
ローゼンやってねーじゃん

124 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:32:13.68 ID:RM3UPsueO
ここでサザエさん実況しよう

125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 18:34:23.92 ID:S8BbMfBCO
ピザ夫

126 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:34:32.37 ID:RM3UPsueO
タラヲ死ね

127 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 18:35:58.98 ID:4wjztB/lO
>>124
お前それでいいのか?

128 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:36:47.99 ID:RM3UPsueO
いいの。
こだわらない。

129 :おっかけ:2009/03/08(日) 18:38:09.26 ID:rfuNv4GlO
ところで進路どうなったのよ

130 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 18:38:15.07 ID:o9p8QCayO
ワカメのモミアゲすげえんだな

131 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:38:21.76 ID:RM3UPsueO
MOTTO
MOTTO

132 :きびなご ◆ixr4/nDQQ. :2009/03/08(日) 18:38:42.97 ID:OTtVQwWQO ?PLT(16130)
sssp://img.2ch.net/ico/gomiopen1.gif
お風呂に入る前に1回支援しておこう。

133 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:38:56.57 ID:RM3UPsueO
>>129
決まった

134 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/08(日) 18:39:31.67 ID:4wjztB/lO
ちょっと馴れ合いたいから戻るわ
でも何で好きでサザエさん観なきゃならんのだ……

135 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 18:39:39.76 ID:z620Le600
しえん

136 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:41:33.91 ID:RM3UPsueO
サザエさん面白い

137 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/08(日) 18:43:34.29 ID:4wjztB/lO
>>136
そ、そう……
実況にしてはシンプルだね

138 :おっかけ:2009/03/08(日) 18:44:21.84 ID:rfuNv4GlO
進学?

139 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:44:39.42 ID:RM3UPsueO
今ノリスケがヤシガニった。

140 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:45:10.75 ID:RM3UPsueO
>>138
進学

141 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/08(日) 18:45:36.21 ID:4wjztB/lO
浪人生に謝れええええええええええ

142 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 18:46:38.67 ID:o9p8QCayO
えぇ~wwww

143 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:51:22.04 ID:RM3UPsueO
大丈夫かな

144 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:52:02.81 ID:RM3UPsueO
>>143
大丈夫だよ

145 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 18:54:11.81 ID:RM3UPsueO
BACK CAME ON来た。
この言葉は……

146 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 18:58:46.97 ID:o9p8QCayO
俺はチョキ

147 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 18:59:48.70 ID:o9p8QCayO
やった

148 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 19:15:03.21 ID:o9p8QCayO
なんで止まってるんだ?

149 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 19:19:15.41 ID:+pDoX+WT0
お風呂入ってきた。

再開する。

ちなみに私は予告もじゃんけんも的中させた。

150 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 19:21:12.88 ID:+pDoX+WT0
「フフ、真紅のミーディアム? もしかして、私が翠星石と人間を
庇いながら戦うと思ってる? そんなわけないじゃなぁい。私は私
の為に戦うわ」
「……そうだろうな。それならそれでいい、それで勝てるのならそ
れで僕は文句はない」
「言うじゃない。いいわよ、翠星石と人間が逃げる時間を作ってあ
げる。早くしなさぁい」
 ――この水銀燈というのは、実は一番姉妹思いなのかもしれない。
「やっぱり、お姉さんなんだな。お前」
「言ってなさぁい。
 翠星石! 早く行きなさい!!」
「でも……でも……」
「苛つくわね! いい? 貴女は足手まといなの! 悔しかった
ら契約でもして強くなってきなさい。
 私が貴女たち全員を倒すんだから――!」
「早く逃げるんだ!」
「……っ!
 判ったですぅ!」
 飛来する水晶を水銀燈の羽がガードする。
 これで、彼女たちが逃げるための時間が出来た。
 翠星石は、鏡からnのフィールドを脱出した。タラヲも翠星石と
一緒に、だ。

151 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 19:25:37.95 ID:+pDoX+WT0


 ――戦力は拮抗していた。

 黒い羽と紫の水晶が激突する。その力は完全に互角で、自称とい
えど、流石は最強のドールである。真紅と翠星石では勝てなかった
薔薇水晶とここまで戦えるのだ。もしかすると、彼女なら薔薇水晶
を――
「ちょっと、キツいわねぇ……」
 水銀燈の表情が歪む。薔薇水晶の力は底なしだ。水銀燈といえど、
ミーディアムからのエネルギー供給量を考えて戦っている為、初め
こそ互角だが、じきに押されていく。

152 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 19:26:23.81 ID:+pDoX+WT0
 ……まるで、薔薇水晶にはミーディアムなんていないかのようだ。
ミーディアムではない。なにか別のエネルギー供給源があるかのよ
うな力。それでは、水銀燈が孤軍奮闘したところでいつかは敗北す
る。大海と大河の戦いだ。どちらも凄まじい水の量だが、大河もい
つかは大海に屈するのだ。
「ぐっ! 負けるわけには……」
 水銀燈の羽の勢いが明らかに落ちている。これでは水晶に屈する
のも時間の問題だ。
「せめて、蒼星石でもいればねぇ」
「…………もう…………終わりに……する」
 薔薇水晶が特大の水晶を放つ。
 水銀燈には、それを躱す術はない。このまま潰される。無論、水
銀燈の側にいた僕と真紅もだ。

「――スイ――ドリーム――!!!」

 巨大な、余りにも巨大な木。
 その枝は水晶に絡み付き、水晶を粉々に砕く。

「水銀燈! 情けねえですねぇ!! しゃーねーからこの可憐で美
しく、また強い翠星石が助けてやるですぅ!!」
「ですー」

153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 19:26:45.49 ID:ymRUIQjxO
つまんね

154 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 19:30:05.83 ID:+pDoX+WT0


interlude

「翠星石が……足手まとい……」
 nのフィールドに繋がる鏡の前。自らの非力さを恨むブラウンの
髪をした少女。
 ――力になりたい。
 自分も、戦いたい。
 少女がその小さな手を握りしめる。爪が食い込んで、手のひらか
らには傷が出来ている。それでも血は出ない。彼女たちが人形だか
らだろう。
「ミーディアムさえいれば……翠星石だって…………」
 ミーディアムさえいれば自分だって負けはしない。自分とスイド
リームが、他のドールより劣っている筈がない。少女は自らの不運
を呪った。
 ――負けない筈。
 自分は薔薇水晶よりも水銀燈よりも、優れているのだから。

155 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 19:30:44.63 ID:+pDoX+WT0
「――翠星石ちゃん。ぼくが――」
「?」

「ぼくが、力になってあげるです。
 だから、もう、泣かないでほしいですー」

 少年、というには余りにも幼すぎる子供。その子供はなんの躊躇
もなく言った。

 ――それが、平穏への別れであることを知って――

interlude out

156 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 19:32:33.33 ID:+pDoX+WT0


「翠星……石?」
「ホント、情けないですねぇ。仕方がないからこの翠星石が助太刀
してやるです」
 先刻の弱い姿はどこに行ったのか。何よりも力強く、まるで大木
のように、翠星石はどっしりと立っていた。
「翠星石! その力は――!」
「ぼくですよ。カツオ兄ちゃん」
 僕の背後には、緑色に輝く薬指の指輪をかざした子供。タラヲの
姿があった。彼もまた、翠星石と同じく。今までの雰囲気ではなか
った。


157 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 19:33:03.68 ID:+pDoX+WT0
「翠星石ちゃん! いくで~す」
「言われなくともいくですぅ! スイドリーム!」
 如雨露からは透明の液体。それが地面に撒かれたその刹那――
「伸びやかに――健やかに――!」
「……これは……樹?」
 否、それは樹ではない。
 樹ではなくそれは蔓だ。つまり、翠星石の真の目的は――
「真紅! さっさと出るですぅ!」
 ――真紅。
 水晶の檻に閉じ込められた真紅の救出である。水銀燈の羽では砕
けなかった水晶も、巨大な蔓の圧力に耐えられる道理はなく、無惨
に砕け散った。
「やるわね翠星石。
 ただ、自分のミーディアムの心配をしなさい。幼いのだから、調
子に乗っているとすぐにミーディアムが――」
「きーきーやかましいですぅ! いくですよタラヲ! あの根暗女
をぶっ飛ばすですぅ!」
「まあ、三体もいればなんとかなるわねぇ」

「カツオ。限界だと思ったらすぐに言うのよ。貴方、少し無理をす
るから」


158 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 19:36:31.26 ID:+pDoX+WT0


 ――三体のローゼンメイデンで、一体のローゼンメイデンを打倒
する。

 僕たちのやっているコトは決して正当なものではない。
 ……正々堂々と戦うのなら、僕たちは一組ずつ戦うべきだ。
 しかし、今はそんなことを言っている場合ではない。今、優先さ
れるのは真紅を守ること。
 目の前から、この赤い少女のような人形を喪うのはどうしても厭
だった。
「ホーリエ」
「メイメイ!」
 真紅と水銀燈の人工精霊が薔薇水晶に突進する。人工精霊に対応
するために水晶でガードする。その水晶を――
「スイドリーム!!」
 大木を以て破壊し、真紅の薔薇の花弁と水銀燈の漆黒の羽が炸裂
する――!


159 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 19:38:16.54 ID:4wjztB/lO
がんばれ

160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 19:40:45.85 ID:ACW4AbObO
支援

161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 19:42:26.83 ID:ACW4AbObO
さるよけ

162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 19:46:31.53 ID:ACW4AbObO
さる?

163 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 19:47:50.28 ID:RM3UPsueO
さるさんなの。

164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 19:48:21.30 ID:w2/Ogtn70
あらー

165 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/08(日) 19:49:29.54 ID:4wjztB/lO
またかよ……

166 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/08(日) 19:59:50.50 ID:4wjztB/lO
落ちちゃう

167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:02:06.12 ID:KD4kyAmR0


168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:02:17.79 ID:w2/Ogtn70
支援

169 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 20:09:08.84 ID:RM3UPsueO
さるさんのメカニズムを知りたい

170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:10:29.76 ID:w2/Ogtn70


171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:11:40.38 ID:ACW4AbObO
さる

172 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 20:12:31.15 ID:o9p8QCayO
たしかに

173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:18:41.51 ID:ACW4AbObO
さるさる

174 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 20:18:50.11 ID:4wjztB/lO
>>169
今までみたいにゆっくり投下で良かったのに
30秒規制をフル使用したらさるさん食らうよそりゃ

175 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 20:20:05.11 ID:RM3UPsueO
レスがないと心折れる……わがままな私。

176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:21:34.36 ID:ACW4AbObO
そろそろ?

177 :きびなご ◆ixr4/nDQQ. :2009/03/08(日) 20:22:06.44 ID:uML1efwL0 ?PLT(16130)
sssp://img.2ch.net/ico/gomiopen1.gif
VIP株だか持ってればさるさんは回避できるみたいだけど、高いからなぁ。
まぁ、支援に頼るしかないんじゃないかと。

178 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 20:23:19.25 ID:4wjztB/lO
>>175
いままで何回折れてるんだ

179 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 20:25:00.87 ID:RM3UPsueO
5回は間違いなく。

180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:27:20.43 ID:ACW4AbObO
再開マダー?

181 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 20:28:54.69 ID:+pDoX+WT0
「…………!!」
 薔薇水晶は表情には出さないが、間違いなく押されていることを
認識し、焦っている。――ああ。焦れ。その焦燥こそが新たなミス
を生む。
 それが見えてしまえば簡単だ。
 今の僕たちの戦力ならば、一気に決着をつけることも可能だから
だ。
「――ッッ! キャァ!!」
 それでも。
 それでも相手は最強のローゼンメイデン。如何にこちらが三体で
向こうが一体であったとしても油断は出来ない。こちらが隙を見せ
れば向こうも同じ。一気に勝負をつけにかかる。

『――――――――』

 何か――聞こえた。
 アクマのような。テンシのような。
 まるで、月から来た使者のような。そんな、声。

182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:29:50.43 ID:ACW4AbObO
支援

183 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 20:29:51.01 ID:4wjztB/lO
きたああああああああ

184 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:32:47.37 ID:w2/Ogtn70
お再開したか

185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:33:00.35 ID:ACW4AbObO
3分間隔がベストだってばっちゃが言ってた!

186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:33:31.56 ID:1+2KXDBKO
カナリーか

187 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 20:35:52.68 ID:+pDoX+WT0


「水銀燈! 翠星石! 一気に決めるわよ!!」
「判ってるですぅ!」
「フン。早くしなさい!」
 三体とも、体力も気力も限界だ。先刻まで単独で戦闘してい
た水銀燈は特にだ。彼女はミーディアムのエネルギーも考慮しなく
てはならない。彼女のミーディアムは今ここにはいないのだから。
 
 真紅の手のひらが赤く光る。
 アレは本気で勝負を決するつもりだ。
 翠星石の如雨露も目映い緑の光を放つ。
 水銀燈も黒い羽を大きく広げ、一気に打ち放つ体勢だ。

「さあ、いってくれ。
 ――ここで、雛苺の仇をとってやれ」

 僕の言葉と同時に、三体の最大攻撃が炸裂する――!


188 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:36:46.03 ID:ACW4AbObO
しーえん

189 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 20:39:33.97 ID:+pDoX+WT0


「……あ…………あ」
 薔薇水晶の腹部には大きな穴が空き、喉から漏れるはヒューヒュ
ーという呼吸音。
 薔薇の眼帯は外れ、その目には既に光は灯っていない。それでも
未だ呼吸が出来ているのは奇跡に他ならない。
「やったのだわ!」
 真紅が喜びの声を漏らす。その表情は雛苺の仇討ちと自らの恐怖
に打ち勝った。そんな表情だ。
 しかし、水銀燈は怪訝な表情を見せている。それはまるで――

「まだ、終わりじゃない……ということか? 水銀燈」
「……ええ。悔しいけど。
 完全敗北したローゼンメイデンからはその命ともいえるローザミ
スティカが放出される。それを奪って初めてそのローゼンメイデン
はリタイヤしたと見なされる。でも、あの薔薇水晶からは――」
 ――そう。薔薇水晶からはローザミスティカが出てきていない。
つまり、まだ薔薇水晶は敗北していないのだ。
「だったら! この翠星石が――!」
 翠星石が薔薇水晶に引導を渡そうと如雨露をかざす。
 タラヲの様子を見る限り、それが最後の一撃となるだろう。


「――否。君たちの宴は一旦終幕だ――」

 その時。
 アノ、声。
 全身の毛穴が開く。そんな、地獄の声が聞こえた。


190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:40:21.49 ID:ACW4AbObO
紫煙

191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:40:47.52 ID:w2/Ogtn70
ゴクリ

192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:42:58.77 ID:rfuNv4GlO
でた


193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:45:46.03 ID:ACW4AbObO
もいっちょ支援

194 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 20:46:31.44 ID:jd6DLk9j0
しえん

195 :はらっら゛:2009/03/08(日) 20:47:47.14 ID:lzDnU2LKO
アナゴさん...

196 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 20:49:04.48 ID:+pDoX+WT0


「アンタは――そんな……」
 その声の主の姿を見て、さらにぞっとした。
 毎日、僕はこの男と顔を合わせている。
 毎日、僕はこの男と挨拶を交わしている。
 そんな男が、僕たちの目の前で浮かんでいる。
 
「――ああ。やっぱり君だったのか。
 カツオくん」

「サブちゃん……」

 天を従えるかのような雰囲気。
 それはまるで皇帝。

 その男の正体は僕たちがよく知っている男『東天宮寺三郎』だっ
た。


197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:49:47.89 ID:ACW4AbObO
死炎

198 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 20:52:11.72 ID:+pDoX+WT0


「薔薇水晶。君はさがっていると良い。君は、もう戦えない。今の
ところは、ね」
「………………はい。お父様」
「! お父様、ですって……?」
 薔薇水晶は、確かにサブちゃんを父と呼んだ。ならば、あの男が、
三郎が――
「ローゼン、なのか?」
「そんな筈ないですぅ! あの原チャリ人間がお父様だなんて、お
父様だなんて……」
「――」
 三体とも同様を抑えることが出来ない。
 無理もない。彼女たちもサブちゃんとは何度も顔を合わせていた
のだ。その度に挨拶をして、頭を撫でられたりしていた。そのサブ
ちゃんが自分たち全員が愛して止まない父親だなんて。そんなコト、
俄に信じられる筈がない。
「――フウ。勘違いしているみたいだね。
 僕はローゼンなんかじゃあない。ローゼンたった一人の弟子にし
てローゼンを超えた者、さ」
「お父様を、超えた?」
「そう。僕は君たちが三体で戦っても倒せない人形を作り上げた。
薔薇水晶は僕の最高傑作さ。彼女は敗北こそしたがそれは完全敗北
ではない。
 ――今から三ヶ月後。僕は僕のnのフィールドにて薔薇水晶を改
造する。今度こそ、君たちでは勝てないようにね」


199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:52:21.71 ID:1+2KXDBKO
ちわー!・・・あれ、カツオくんじゃないか
どうしたんだい、こんなところで

200 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:52:51.91 ID:ACW4AbObO
試演

201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:54:00.86 ID:1+2KXDBKO
サブちゃんに人形趣味があったとはな

202 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 20:56:05.77 ID:+pDoX+WT0
「――な!」
 驚愕の声は果たして誰のものか。おそらくこの場にいる全員が驚
愕したことだろう。
 薔薇水晶の出生。
 サブちゃんの正体。
 そして、三ヶ月後に薔薇水晶が復活する、ということ。
 それら総てが僕たちの想定の範囲を遥かに超越するものであり、
僕たちのここまでの努力総てを否定するものであった。
「ああそうだ。ここに来るまでに本物の第七を破壊しておいた。ア
ストラル体で実体がないなんて反則だ。僕もほんの少し苦戦してし
まったよ。
 それじゃあ。三ヶ月後に、また――」

 そんな言葉を残して、サブちゃんは消えた。
 僕たちに、恐怖と戦慄を残して――


203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:56:17.07 ID:ACW4AbObO
私怨

204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:57:04.83 ID:/OIe+ijE0
お前ら気おつけろお
笑み社は創価学会員だお

205 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 20:57:11.85 ID:4wjztB/lO
ええええええええええええええええええええ

206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 20:59:15.81 ID:1+2KXDBKO
きらきー出番無しかよw

207 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 20:59:55.91 ID:+pDoX+WT0


 ――nのフィールドには静寂が残った。

 手が震える。どうしようもないと頭ではなく本能で理解している
のだ。
 今度こそ、負けてしまう。
 目の前から真紅がいなくなってしまうのだ。
「真紅?」
「…………」
 声をかけても何も話さない。
 彼女も判っているのだ。復活した薔薇水晶には勝てないこと。そ
して、本物の第七ドールを、サブちゃんが打倒しているという事実
に恐怖しているのだ。
 ドールを打倒出来る人間。ただそれだけで脅威なのだ。
 真紅、翠星石、水銀燈。そしてこれに蒼星石が加わったところで
きっと薔薇水晶を完全に打倒することはできない。その上ドール以
上の力を持つサブちゃんの存在。それが脅威でなくて何が脅威なの
だろう。
「……帰りましょう」
 水銀燈が呟き、nのフィールドから出る。
 それに倣い、僕らも立ち去った。


208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:00:48.51 ID:Mx02dQZi0
>>204
こんなスレ見て創価に入信するやつなんていねーよwww

209 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 21:02:33.25 ID:+pDoX+WT0


「――サブちゃんが……薔薇水晶を…………」
「さすがの私も気づかなかったわぁ。まさか、あの人間が人形師だ
ったなんて」
「しかも、翠星石たち以上の戦闘能力。もしかしたらあの人間はお
父様以上の――」
「翠星石! 馬鹿なことをいうのは止めなさい。お父様を超える人
形師なんて、在り得ないのだわ」
 
 ――そう。在り得ないのだ。
 彼女たちローゼンメイデンのドールを超える人形。それがあると
するならばそれは既に『人形』という枠組みから外れた何かになる。
 ……例えば、超人。
 超人は人の遥か上をいく存在。薔薇水晶がそれに該当するのなら、
もう真紅たちや僕には勝ち目なんてありはしない。
 勝てはしないのだから、逃げても逃げても敗北する。
 真紅たちが壊されるのも時間の問題だ。雛苺のように押しつぶさ
れるか、四肢をもぎ取られて絶命するのか。方法は幾つかあっても
結果は同じ。
「でも……翠星石たちじゃあ薔薇水晶には…………」
 その通りだ。僕たちじゃ薔薇水晶は倒せない。傷つきたくないの
なら、僕は彼女たちとは別れるべきなのだ。


210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:04:54.10 ID:ACW4AbObO
紫煙

211 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 21:05:18.11 ID:+pDoX+WT0
 昔から、痛いのは厭だった。
 痛覚を刺激されるのがどうして怖くて。
 そのコトで血液が滴り落ちるのが本当に恐ろしかった。
 それが本当なら、僕は彼女たちと別れ、もとの平和な時間を過ご
した方が樂だ。
 
 そんな考え。
 決して、間違えちゃいない。
 でも――
 守ると誓った。
 その誓いは決して忘れてはいない。
 それでも、僕たちは限界だ。

「僕たちは……勝て――」

 言いかけた。
 もう勝てはしない。君たちとはいられない。
 口に出して、彼女たちに言おうとした。

212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:05:43.18 ID:ACW4AbObO
支援

213 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:05:55.93 ID:+pDoX+WT0
「お父様が劣っている? 確かに、薔薇水晶を見ればそうかもしれ
ない。
 でも翠星石。考えてみなさい。貴方にはミーディアムがいる。私
にも、水銀燈にも蒼星石にも、頼れる存在がすぐ側にいてくれる。
それは何よりも素晴らしいことだし、これだけは覚えておきなさい。
 ――信じること。それが、本当の『強さ』なのだわ」

 ――ああ。
 なんてコト言ってくれるんだ。

 そんなコトいわれて、信じない奴なんていない。

「僕たちは勝てる。
 幸い、奴は復活まで三ヶ月かかるんだ。それで充分だ。それで、
僕たちはアイツ。サブちゃんと薔薇水晶よりもつよくなればいいん
だ」

214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:07:04.97 ID:ACW4AbObO
死炎

215 :きびなご ◆ixr4/nDQQ. :2009/03/08(日) 21:07:30.02 ID:OTtVQwWQO ?PLT(16130)
sssp://img.2ch.net/ico/gomiopen1.gif
支援っと。

216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:09:56.83 ID:ACW4AbObO
試演

217 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 21:15:17.84 ID:+pDoX+WT0




interlude

「退屈かしら」

 赤い屋根にちょこんと、黄色の洋服を着た小さな女の子が座っている。
 双眼鏡で一つの家を眺めながら、女の子はその日59回目にもな
る言葉を口にした。
「退屈すぎてお腹が減っちゃうかしら。真紅たちを見つけるのに時
間が掛かっちゃったお陰で、随分と出遅れちゃったかしら」
 足をぶらぶらさせているのにも飽きたらしく、女の子は立ち上が
った。立ち上がった刹那、彼女が持っていた傘が大きく開き、彼女
の身体をふわりと舞い上がらせた。
「今日こそ潜入してやるかしら! 待ってなさい真紅! このロー
ゼンメイデン1の頭脳派。金糸雀サマが――!! あ!!!!」
 本日の風は南南西から。
 風に乗った女の子。否、人形は哀れにも目的地とは逆の方向へと
流れていく。

「ア~レ~かしら~! たすけて~」

 ――こうして、彼女はまた一歩出遅れるのだった。

interlude out


218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:16:39.91 ID:ACW4AbObO
私怨

219 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 21:18:29.74 ID:+pDoX+WT0


「それで、本当にいいのか?」
「ええ。やって頂戴」
「――痛かったら、ちゃんと言えよ」
「大丈夫なのだわ。私は貴方のお人形、快楽を得ることはあっても、
痛みを感じるなんて――ッ! んっ!」
「……! 痛かったか? ごめん」
「いいのだわ。早く、続けて……」
「――ああ」

 暗い部屋。
 夜中になって急に起こしてきたと思ったら、僕はステキというか、
大変なことをさせられていた。
 真紅の吐息が首に掛かる。
 それだけでも理性なんてどこかに飛んでいってしまうというのに、
真紅は目にうっすらと涙を浮かべている。
 ――それは、快楽か。
 ――それは、痛みか。
 それとも別のモノか。
 僕には判らないけれど、これだけは判った。

 ……真紅たちは、定期的に螺子を巻いてやらないといけない、と
いうことが。


220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:19:14.97 ID:qf8aoN1JO
>>1
私も学会員です
不当な差別に負けずに頑張ろう!

221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:19:42.99 ID:1+2KXDBKO
金糸雀さん置いてけぼり

222 :ハム速転載禁止:2009/03/08(日) 21:20:47.81 ID:4wjztB/lO
カナリアwwwwwwwww
オメガ=ウォーストかわいそーwwwwwwwww

223 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 21:21:28.04 ID:o9p8QCayO
くそ、騙された…

224 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 21:22:54.90 ID:+pDoX+WT0

 
 あー。僕は何をしたのだろうか。

 確か朝起きて、朝食を食べて、これからのコトをきちんと話し合
おうとホーリエに水銀燈を呼び出しに行ってもらって、スイドリー
ムには蒼星石を呼びに言ってもらった。うん。ここまでオーケー。
 次に、ワカメが堀川くんと一緒に出掛けたのを確認して、これか
らのコトに関して僕なりに紙におこしてみた。
 そうしたら、呼び鈴がなった。
 家には生憎誰もいなかったから僕が渋々応対したんだ。
 ――そうしたら。

「貴方が真紅のミーディアムね!? さあ、このローゼンメイデン
1の策士、金糸雀に捕まりなさい!!」

 とか言われて、椅子に縛り付けられてるんだっけ。


225 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 21:25:28.15 ID:+pDoX+WT0


 ここはどうやら僕の部屋ではない。
 目隠しをされているため、周りは見えないが音は聞こえる。あの
金糸雀とかいうドールと真紅が話している様子が微かに聞こえてく
る。

「――だわ」
「――かしら」
「――ですぅ」
「――よぉ」
「――だね」
「――ぶるわぁ」

 ……話が全く判らない。
 こうして聞いてみると、ドールたちって結構口癖が鬱陶しいな。

「――た! たかしら!!」

 ――あ。決着がついた。
 それもそうだ。今は四体のドールが協力しているのだ。一体のド
ールが勝てる筈がない。というより、指輪が熱くならなかったとこ
ろから察するに、戦闘にはならなかったみたいだ。
 あとは、僕がここから助け出されるのを待つだけだ。

 ――まあ、そのうち来るだろう。


226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:25:56.44 ID:ACW4AbObO
紫煙

227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:27:14.49 ID:1+2KXDBKO
アナゴさん混じってるw

228 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:29:19.99 ID:ACW4AbObO
支援

229 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 21:30:02.96 ID:+pDoX+WT0


「……忘れていたのだわ」

 忘れていたけれど何か? みたいな表情で真紅は僕を見る。
 埃まみれの僕の服を払ってくれたのはドール唯一の良心である蒼
星石。きっとこの子のミーディアムは彼女に感謝の気持ちを持って
いるに違いない。裏のお爺ちゃんは本当にいい子と一緒にいる。
「カツオくん」
「え?」
「あの子は金糸雀。僕たちローゼンメイデンの第二ドール」
「えっへんかしら!」
「チビカナ! どうしてここまで姿を現さなかったんです
か!?」
「それは……うん。それは翠星石たちの戦力を入念にチェックし、
確実にカナが勝利する為に戦略を練っていたのかしら!」
「そう? じゃあ、今すぐその戦略とやらを試してみるぅ?」
 水銀燈の挑発に縮まり込む金糸雀。なるほど、どうやら彼女は出
遅れてしまったらしい。
 ……と、そうすると彼女も。
「だったら、君は7体目。否、紫色の人形を知っているかい?」
 僕の問いかけに金糸雀は首を横に振って知らないことを示す。そ
れで充分だ。

230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:30:39.00 ID:ACW4AbObO
死炎

231 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 21:33:13.70 ID:+pDoX+WT0
「知らないのなら、僕たちと手を組んで戦わないか? いいや、戦
ってほしい」
「!? きょ、共闘かしら!?」
「ああ。紫色のドール。薔薇水晶は真紅たちが全員で掛かっても勝
ち目がない。というより、勝ち目が無くなる。故に、協力してほし
いんだ」
「……」
 金糸雀は俯き、黙ってしまう。
 当然だ。あの薔薇水晶の力を知らないのであれば、僕の誘いは罠
にしか聞こえない。四人掛かりでも倒せないドールがいるとは到底
考えないからだ。

232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:35:01.23 ID:ACW4AbObO
試演

233 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 21:36:08.08 ID:+pDoX+WT0
「――カナ。少し考えさせてほしいかしら……ミーディアムとも相
談しないといけないし……」
「うん。それでいい。急にこんなこと言って、ごめん」
「金糸雀」
「? 
 どうしたのかしら? 真紅」
「私たちは明日から裏山で『力』のコントロールの訓練を行うわ。
貴方が私たちに協力してくれるのなら、そこに来て頂戴」
「真紅たちはコントロールですね? だったら翠星石はあの物まね
チビ人間に力の引き出し方を教えてやるですぅ! 翠星石の能力
は優しさが重要ですからね」
「じゃあ僕は力を使ってもおじいさんに負担がかからないようにす
るよ。水銀燈はどうするんだい?」
「私? 私は……まあ、好きにするわぁ」
「――よし、各々やることが決まったのなら、三ヶ月後。3月15
日にここに集合だ」
「待ちなさいカツオ。正面から行くよりも私たちには人数がいるの
よ? それを利用しない手はないわ」
 ――戦力の利用。
 確かに、薔薇水晶に対する僕たちの人数は金糸雀を入れれば7人
から8人だ。これだけの人数がいるなら、一つに固まるよりも二つ
のグループに分けた方が利口だ。


234 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:37:54.15 ID:7X76ayx+0
支援

235 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 21:39:38.33 ID:+pDoX+WT0


「じゃあ、Aチームは翠星石と水銀燈。Bチームは真紅と蒼星石と
金糸雀。この編成で挟み撃ちするってことか?」
「そうね。金糸雀はまだ判らないけれど、一応数に入れておくべき
ね」
 
 ――大まかな作戦はこうだ。

 nのフィールドへの扉を薔薇水晶を挟む形に二つ作る。無論、薔
薇水晶のすぐ側に作ったとしたら、それは格好の的となってしまう
為、少し離れた場所で作る。
 そして、僕たちBチームが三組で薔薇水晶の注意を逸らす。その
間に水銀燈たちAチームが攻撃するという作戦だ。
 シンプルではあるが、効率を考えるならそれが一番効果的だ。勿
論、サブちゃんの邪魔が入るだろうが、それは問題ない。ドールを
二体以上打倒するには、『人』という器の余分が足りないのだから。

「それじゃあ、三ヶ月後に会いましょう。水銀燈」

「――ええ。それまでに強くなってなさい」

 ……こうして、僕たちの三ヶ月が始まった。


236 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 21:49:48.23 ID:o9p8QCayO
うい

237 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 21:50:07.16 ID:+pDoX+WT0




 岩石が抉れ、木が消し飛ぶ。
 真紅が用いる能力であるエネルギーの花弁。こと戦闘ではその万
能性を如何なく発揮するのだが、それは同時に僕自身が供給する
『力』も蝕む。
 『力』を与えすぎると、花弁はさらに勢いを増すのだが、僕の肉
体が保たない。
 逆に与えないと花弁に勢いはなく、その攻撃力は皆無となるのだ。
 ……故に、真紅は僕に命じた。

「――心を強く持ちなさい。貴方は強い。自分は出来るのだと思い
込みなさい」

 そんなコトは判っている。
 やらなきゃいけない。でも、僕の心はどうしても目の前の真紅に
きちんと届かないのだ。

「……カツオ」
 息を切らして倒れ込む僕に真紅が話しかける。正直、話をする余
裕なんてない。
「抱いて頂戴」
「……砂まみれだぞ?」
「いいのだわ。貴方を感じたい」
 木に寄りかかる僕にさらに寄りかかる真紅。そうすると、真紅は
目を瞑り、胸に手を当てた。


238 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 21:53:30.88 ID:+pDoX+WT0
「ゆっくり呼吸して。慌てちゃいけないのだわ」

 その指示に従う。
 僕にはそれしかないのだから。

「そう、上手よ。
 心を落ち着かせなさい。怒り、憎しみ、嫉妬。そういった負の感
情は抑えが利かない、暴走してしまうの。だから、貴方は知りなさ
い。
 ――優しさ、愛、慈しみ。それが、私の力となるのだから」

 呼吸が落ち着いてきて、指輪が温かくなる。今までは熱くなって
いた指輪が、今では優しい、母のような温かさを感じる。

「カツオ……貴方は、心の天才よ」

 そうして判った。
 ……僕の力は、『愛』だ。


239 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 21:56:30.43 ID:+pDoX+WT0


 あれから1週間。
 僕たちは学校が終わるとすぐに裏山へ行き、特訓を始めていた。
翠星石とタラヲはどこで特訓をしているのかは知らないが、夕食の
時には家にいるところを見ると、余り遠くには行っていないようだ。
「カツオ。随分と力をコントロールするのが上手くなったのではないかしら?」
「君のスパルタ教育の賜物だよ。最近は優しくなったけどね」
 初めは真紅のわがままで強情な態度に腹が立った。紅茶を入れろ
だの抱っこしろだの、僕はその要求が正直煩わしかった。
 だが最近。とはいってもここ三日で、真紅は大きく変わった気が
する。
 というのも、彼女は基本的に僕のコトを褒めてくれるのだ。今だ
ってそうなのだが、力のコントロールにしろ紅茶の煎れ方にしろ、
なににしても彼女は僕を褒めてくれるようになったのだ。
「優しい? そう……。
 それより、金糸雀は――」
 ――そう。アレ以来、金糸雀は我が家にやってこない。
 流石に自らの危機を察し、静観の身構えでいるのだろうか。否、
そんなコトは断じて在り得ない。
 理由なんて簡単だ。
 話をしたのが一回しかないが、僕は彼女が姉妹思いの優しい子だ
ということは判る。故に、僕はあの子。金糸雀を信じるのだ。
「まあ、そのうち来るさ。まだあと二ヶ月以上あるんだから。
 もう七時になるよ、今日はすき焼きらしいからそろそろ帰ろう」
 真紅を抱きかかえ帰路につく。
 
 冬のあの日に比べて大分日が伸びてきた。


240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 21:57:29.25 ID:7X76ayx+0
支援

241 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 21:59:44.89 ID:+pDoX+WT0


「すき焼きです~」
「すき焼きとはなんなんですか?」
「すき焼きというのはだな、翠星石」
 父が翠星石にすき焼きの食べ方を教える。ここに来て間もない時、
翠星石は父に人見知りをしていて上手く話せなかったが今となって
は――
「成る程ですぅ。感謝するですよ、茹で蛸人間!」
「はっは。茹で蛸とは一本取られたな!」
 和気あいあいと言った雰囲気で、翠星石は父と話をしている。父
も孫娘が出来たかのような穏やかな表情だ。
 ……その時、呼び鈴がなった。
 姉が立ち上がり、玄関へと向かう。
「おいおい真紅ちゃん。白菜も食べなきゃダメだよ」
「……そうね。レディたるもの野菜も食べなくてはいけないわね。
それに気がつくなんて、マスオは良い男なのだわ」
「ええ! ぼ、僕が良い男だってぇ!」
「――き」
 なにか聞こえる。
 玄関の方から声がする。姉は何を話し込んでいるのだろう。

242 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 22:00:18.40 ID:+pDoX+WT0
 ――ついで、足音が聞こえる。
 近づいてくるのは――

「すき焼きをごちそうになりにきましたー!」

 ハイエナのようなすき焼きハンター『ノリスケ』と――

「カナも食べにきたかしらー!!」

 小さな人形の、異様な一組だった。

243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:02:45.64 ID:1+2KXDBKO
ノリスケキタ━━━(゚∀゚)━━━!!

244 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 22:04:26.68 ID:+pDoX+WT0


「そういうわけだから、カナたちも一緒に戦うかしら!」

 すき焼きを堪能した金糸雀が僕の部屋に来て言った。
 彼女のミーディアムである波野ノリスケには家族がいる。それを
壊すようなことは出来ない、そう金糸雀は思っていた。
 しかし、ノリスケは違った。

『――君も僕の子供のようなものだ。だから――君の力になる』

 イクラやタイ子。自分の家族を守る為だけではない。
 目の前の小さな女の子を守るため、ノリスケは金糸雀の力になる
と決めたのだ。
「カナたちも明日から頑張るかしら。真紅たちの足手まといにはな
らないように一生懸命に」
「チビカナ……。
 判ったです! あのハイエナ人間と一緒に頑張るですぅ!」

「ああ。ノリスケおじさんがその気なら、君も一緒に薔薇水晶を倒
そう」
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