笑み社がブログを立ち上げたようです

2ちゃんねるのVIPでSSコテとして活動中の笑み社 ◆myeDGGRPNQのブログです。基本的に作品保管庫として機能していますが一日一回日記を書きます。

Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

磯野カツオが薔薇乙女と出会うそうです 2


245 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 22:05:20.50 ID:+pDoX+WT0
7章終了。

>>260まで休憩する。

246 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:06:37.49 ID:ODilbSHlO
磯野カツ夫人ってうすた京介の短編集があってだな

247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:10:24.47 ID:/Uy0jfPDO
追い付いた

ワカメの趣味がカートレースでサーキットに通い詰めてるって何の為の設定
なのか知らんけど、このSSの磯野家はえらい金持ってんな

248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:14:47.16 ID:Mx02dQZi0
>>247
磯野家は、初期はかなりの資産家のはず
時代が下るにつれて原作自体も徐々にサラリーマンになっていくが

249 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/08(日) 22:15:22.45 ID:o9p8QCayO
おつ

250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:16:38.36 ID:ACW4AbObO
ksk

251 :きびなご ◆ixr4/nDQQ. :2009/03/08(日) 22:17:01.19 ID:OTtVQwWQO ?PLT(16130)
sssp://img.2ch.net/ico/gomiopen1.gif
支援

252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:18:03.43 ID:ACW4AbObO
私怨

253 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/08(日) 22:18:27.07 ID:4wjztB/lO
ゴクリ

254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:20:58.07 ID:ACW4AbObO
ksksr

255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:22:00.52 ID:ACW4AbObO
紫煙

256 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/08(日) 22:24:56.39 ID:4wjztB/lO
休憩させてやれよwwwwww

257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:26:38.36 ID:Mx02dQZi0
>>256
そうやって書き込むからwww

258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:28:47.23 ID:ACW4AbObO
わかったよ

259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:29:28.57 ID:/Uy0jfPDO
>>248
へー、知らなんだわ
言われてみれば確かにあの家自体、かなり資産価値ありそうだしな


260 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/08(日) 22:30:40.39 ID:4wjztB/lO
>>257
ごめん……この休憩の間はレス控えるよ

261 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 22:31:12.21 ID:+pDoX+WT0
interlude

 ――孤独な巡礼。
 神の名のもとに。

 漆黒の教会で、水銀燈は1人。
 否、決して独りなどではない。
 彼女は孤高ではあるが、決して孤独などではない。
 確かに、彼女は群れることを嫌う。
 戦うことを義務づけられている自分たちが馴れ合うことに嫌悪し
ている。
 それは、仲良くすることが嫌いなのではない。


262 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 22:34:59.20 ID:+pDoX+WT0
 ――壊れることが、恐ろしいから。

 真紅、翠星石、蒼星石、金糸雀。
 それら全員が彼女の妹であり、彼女たちにとって、自分は姉なの
だ。彼女も姉という立場から彼女たちの面倒を見てあげたいと思っ
たことは一度ではない。
 しかし、それも叶わない夢のようなもの。
 ならば、壊れてしまう前に自らで否定してしまえば良い。
 ……そう、思った。
 そう思うことが当たり前だったし、そう思わなければやっていけ
ない。
「なのに……ねえ」
 なのに、今の彼女はどう思っているのだろう。
 妹たちと共闘して、一つの外敵を滅ぼそうとしている。
 以前の彼女ならば考えなかった。否、考えはしても行動しなかっ
た。

263 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 22:36:24.75 ID:+pDoX+WT0
「それは、君が成長したからじゃないのか?」
 声がした。
 少年の声。
 確かめなくとも、その声の主が誰なのかは容易に判った。
「中島。貴方、いきなり現れるのはやめなさいと言っているでしょ
う?」
「フフ、ごめんよ。
 ――しかし、どういう風の吹き回しだい? 君が僕と特訓したい
なんて」
「……そうね。
 正直に言ってあげるわ。私じゃあ勝てない相手がいるの」
「――ほう。それはまた」
 クツクツと喉を鳴らすように中島は笑う。
 中島は水銀燈のもとに歩み寄り、その口を一度だけ開いた。

「いいよ。君は僕の日常を変えてくれた。今度は、僕が君の願いを
叶える番だ」

264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:38:17.67 ID:z0SRyMC80
原作声で再現すると情けない事になるなぁ

265 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:39:01.40 ID:ACW4AbObO
支援

266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:42:21.94 ID:ACW4AbObO
死炎

267 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 22:51:07.98 ID:RM3UPsueO
急に腹痛が……
少し、待っていて……

268 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:54:22.39 ID:ACW4AbObO
体調悪いなら日を改めたら?

269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:56:07.76 ID:G0pJxdoz0
体調を持ち込むとか低クオリティ
それ以前にSS作家としてのクオリティ低いがw

270 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 22:56:24.82 ID:+pDoX+WT0


 ――初めて会ったのは、いつだったか。

 毎日毎日、同じような日々。
 代わり映えのしない、何の変化もスリルもない日々。
 きっとこのまま大人になって、このまま面白いことも起きないま
まに僕の人生は幕を閉じるのだろうか。

 ――それが、どうしても厭だった。
 
 生きているのに。
 ここに、いるのに。
 なにも変わらない。
 なにも起こらない。

 そんな人生が、厭で仕方がなかった。


271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 22:57:52.51 ID:ACW4AbObO
ふむ……

支援

272 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 22:59:21.64 ID:+pDoX+WT0
 ……そんな時、僕はこの古びた教会を見つけた。
 どうしてかは判らない。とにかく、この廃墟と化した教会が僕の
心情と上手く重なったのだろう。
 大きな十字架。
 この十字架のもとで、多くの者が許しを請い、愛を誓い、死んで
いったのだろう。
 
 ――滑稽な話だ。
 そんな考えさえよぎった。
 なにもすることはない。故に、僕はその教会を後にしようとした。
 
 ……と、なにかにつまづいた。
 見てみると、それは大きな鞄。
 中世ヨーロッパ風の作りで、僕はそれを開けてみようとした。
 幸い、鍵はかかっていない。大した力も入れず、それを開けた。


273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:01:33.07 ID:ZkzsocXv0
笑み社、がんばれー

274 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:02:04.44 ID:+pDoX+WT0


「――」
 ――信じられなかった。
 白銀の美しい髪。
 漆黒の装束。
 完全な少女を思わせる作り。

 それは人形だった。
 クラスの女子が遊ぶような大きさではない。
 しかし、その作りは間違いなく人形であり、その人形はまるで死
んだように目を瞑って眠っていた。
 人形を抱き起こす。
 ふわりといい匂いがして、銀髪が揺れる。
 触れてみた身体はとても柔らかくて、本当に人形なのかと疑って
しまう。


275 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:02:15.05 ID:ACW4AbObO
私怨

276 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:02:36.15 ID:tdU9GJ6NO
内容はつまんねーし いちいちレスないと泣き言ほざくし最低だな

前にあったカツオと蒼星石のSSの方がおもしろかった

277 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:05:30.59 ID:+pDoX+WT0
「……」
 
 傍らに螺子を見つけた。
 きっと、これを巻くと人形は動きだす。
 そんな考えが浮かぶなんて、僕はどうにかしていた。

 ギチリ。
 ガチリ。
 カチカチ。

 巻いてしまった。
 巻いた刹那、人形は目を覚ます。

「――貴方が、私を――?」

 なんて、まるで人間のように。
 まるで、本物の女性のように。

 僕に、言った。


278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:06:07.05 ID:ACW4AbObO
紫煙

279 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:08:15.58 ID:+pDoX+WT0


 それからというもの。僕はその水銀燈とこの教会でよく話すよう
になった。
 そこで知った。
 アリスゲーム。
 ローゼンメイデン。
 そして、磯野がそれに巻き込まれているということ。
 ……僕はそれを聞いて、どうしてだが笑い飛ばした。
 
 面白い。
 ――ああ。面白い。

 僕の日常を変えてくれる天使。
 水銀燈は僕の天使だ。
 そう思った。


280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:09:36.37 ID:ACW4AbObO
死炎

281 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:11:03.40 ID:+pDoX+WT0


「――中島?」
「ん? ああ、初めて会ったときのことを思い出していた」
「そう。だったら、覚えてるわよね? あの日の誓い」
 ――ああ。愚問だ。

「無論。
 ――今も変わらない。君をアリスにする。それは今も変わらない
ことだしこれからも変わらない」

 変わるもんか。
 僕の天使の願い。
 それを叶えてあげられるのなら、僕はなにをしたって構わない。

interlude out


282 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:12:23.89 ID:ACW4AbObO
試演

283 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:19:14.51 ID:+pDoX+WT0




interlude

 僕のミーディアムは、はっきり言ってもう若くない。
 どうして、僕はあのおじいさんのことをミーディアムにしてしま
ったのだろう。
 今考えても仕方のないコトだと理解はしている。しかし、僕自身、
それが気になることではあるのだ。カツオくんのような小学生も問
題があるがお年寄りをミーディアムにして力を吸い続けるのはいく
らなんでも酷すぎる。

「蒼星石ちゃん。お茶が入ったよ」
 おばあさんが羊羹と緑茶を持って襖を開ける。余計なことは考え
ず、今はごちそうになることにしよう。
「蒼星石ちゃんはいい子だねぇ、こんな年寄りの相手をしてくれる
なんて」
「いえいえ、僕もおばあさんとおじいさんのこと大好きですから」
 そう、大好きなのだ。
 僕はこの家のおじいさんとおばあさんが大好きで、その2人が喜
ぶことをなんでもしてあげたいと思うし、そのことで2人が喜んで
くれるのなら、僕はアリスゲームなんて――

「!?」

 少し。ほんの少しだけ。
 なにか、空気の流れが変わった。


284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:19:51.75 ID:ACW4AbObO
支援

285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:20:43.20 ID:w2/Ogtn70


286 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:22:47.45 ID:+pDoX+WT0
「おじいさんは?」
「ああ、今庭で盆栽をいじっているよ、蒼星石ちゃんが色々教えて
あげているから盆栽もじいさんも喜んでいるよ」
「――!?」
 走った。
 理由は簡単だ。

 ――馬鹿な。
 まだ、あと二週間あるじゃないか。

 やめろ。
 僕の幸福。
 僕の幸せ。
 奪わないで。
 取らないで。
 どこかに、いっちゃ――

「いやだ――!!」


287 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:24:48.29 ID:7X76ayx+0
支援

288 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:25:04.94 ID:+pDoX+WT0


「おやおや蒼星石。今日も教えてくれるのかい?」
「おじいさん! 逃げて!!」
 感じる力が大きくなる。
 不可能だ。
 こんな力。僕じゃ止められない。
 だから、逃げてほしい。貴方を、おじいさんを喪ったら、僕は―
―!

 翠星石は?
 真紅は?
 金糸雀は?
 こうなったら水銀燈でもいい。
 
 誰でもいいから、僕に力を貸してくれ。
 真紅は学校の裏山。
 翠星石はタラヲを連れて大きな公園で特訓している。
 金糸雀は近所にはいない。
 水銀燈は行方知れずだ。

「だったら、僕が――!!」
 レンピカに庭師の鋏を召還させる。
 おじいさんとおばあさんを守らなくちゃ。
 僕の幸せを、奪われないように――

 ――ウバワレナイヨウニ――

interlude out


289 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:25:40.10 ID:ACW4AbObO
私怨

290 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:28:26.79 ID:+pDoX+WT0


「!? あそこは――!」
「いいえ、カツオ。貴方の家ではない。ただ――」
「あそこは裏のおじいちゃんの家じゃないのか!? だったら蒼星
石が――!」
「まさか……あと二週間を残して……蒼星石が……」
 真紅もうろたえている。
 薔薇水晶が復活するまで、あと二週間。まだ完全な状態ではない
のに、きっと蒼星石は一撃で倒された。
 それがどういう意味を持つか。真紅は判っているのだ。

「今、一組だけになってはいけない……ホーリエ!! 今すぐに全
員に連絡しなさい!! 絶対に一組になってはいけない、水銀燈に
もよ!」
 ホーリエがもの凄い勢いで飛んでいく。
 翠星石はどういう顔をするのだろう。きっと、公園からあの水晶
を見て泣き崩れているのだろう。


291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:29:23.03 ID:ACW4AbObO
紫煙

292 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:31:21.99 ID:+pDoX+WT0


interlude

「水晶ですー」
 紫色の水晶。それが微かに見えた。
 大きな、殺戮の刃。きっと、妹はあれに押しつぶされた。
 それでも、彼女は守ったのだろう。

 大切なモノを。
 蒼星石……本当に優しい子だった。
 浮遊してくるローザミスティカ。雛苺のものと同じ。温かいもの。
 それで、理解した。
 自分は一組になってはいけない。
 作戦を実行する水銀燈と一緒にいなければならない、と。

 ――なによりも、蒼星石がそう言ってくれたような気がした。


293 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:31:58.12 ID:+pDoX+WT0
Interlude out

294 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:36:34.34 ID:af+PfRn50
あーん

295 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:37:54.65 ID:ACW4AbObO
死炎

296 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:39:40.78 ID:R/FYO8rAO
優しさにー
包まれたならーきっとー
目に映るー全てのモノがー
血と涙と殺戮がはびこる悲しい世界(メッセージ)

297 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:40:11.54 ID:+pDoX+WT0
10



 その日が来た。
 この三ヶ月で、僕たちは強くなった。
 雛苺の為に。
 蒼星石の為に。
 僕等は戦う。
「翠星石たちは廃墟の鏡から行くようね」
 チカチカとピチカートが僕等に知らせる。
 決行は深夜0時。
 挟み撃ちする。
 必ず、倒す。
 必ず、終わらせる。

「――あと一分ね」
「ああ」
「ノリスケ……カナと一緒でいいのかしら?」
「もちろんさ。君は僕の娘だからね」

 時計が鳴る。
 鏡にnのフィールドを作ってその中に入ろうとする。

 その時――セカイは反転した。


298 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:44:25.94 ID:+pDoX+WT0


 僕たちの街が灰色に変わる。
 音がなくなり、人なんて誰もいない。
 否、生物が見当たらない。
 だが、窓から見える景色は――

「さあ、アリスゲームを始めましょう」

 紫色の人形が――

 ――あの男と共に空中に浮いていた。


299 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:46:47.98 ID:ACW4AbObO
試演

300 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:47:04.12 ID:+pDoX+WT0


「nのフィールド……?」
「こんなこと、在り得ないかしら! 世界をnのフィールドで包む
なんて――!」

「ようこそ――!! 我がフィールド、108番目のフィールド
へ!!」 

 サブちゃんがまるで世界を統一した覇王のように大げさな声を上
げる。
 心に響いてくる。
 この声は、きっと世界を包む。

「この世界ならば、ボクは君たちドールにも負けない! さあ薔薇
水晶! ローゼンメイデンを超えようじゃないか!」
「ええ、お父様――」

 水晶が飛来する。
 狙いは勿論僕たちの方向。形は違えど、することは同じだ。

「挟み撃ちで行くぞ、真紅」

 nのフィールドなら僕とノリスケおじさんも空を飛べる。
 寧ろ都合がいいのだ。

「薔薇水晶を倒すぞ」
「ええ」


301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:47:46.42 ID:ACW4AbObO
支援

302 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:49:42.05 ID:+pDoX+WT0


「薔薇の盾(ローズシールド)!」
「守りのプレリュード!!」
 飛来する水晶を真紅と金糸雀がガードする。
 僕は力のコントロールが出来るが、ノリスケおじさんは出来るの
かが不安だったがそれも杞憂だったようだ。おじさんも完璧に力を
コントロールしている。
 ――薔薇水晶まで距離がある。
 それまでになるべく力を温存しないといけない。

「カツオくん! 僕になにかがあったら、金糸雀を頼むよ」
「? なにをいってるのおじさん。
 金糸雀も真紅も負けはしない、無論、僕たちもだ」
「は、は。言ってくれるね。ああ、そうしよう。また皆ですき焼き
といこう」
「すき焼きかしら!!」
 ――そう。
 僕たちはまたみんなですき焼きを食べるんだ。


303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:51:54.43 ID:ACW4AbObO
私怨

304 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:52:08.61 ID:DtuATiX0O

亀井支援たのむ
http://s.m.r25.jp/index.php/m/pl/a/pl000000/pcd/wbc/scd/09ranking?PHPSESSID=a33bfae81c68b8eaa56b7d2463cc2737

305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:52:29.95 ID:1+2KXDBKO
さり気なくノリスケに死亡フラグw

306 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:53:47.21 ID:+pDoX+WT0
「――遅い、です」

 ……水晶。
 ガラスのように鋭利な刃が僕等に向かって飛来する。時速にする
とおよそ170キロ。
 避けられる筈のない一撃。
 防ぐことも叶わない必殺の刃を、薔薇水晶は躊躇いなしに放って
きた。

「――!」
 ――それを。
 それを完璧なタイミング、完璧な角度で金糸雀の『音』の壁が阻
む。弾けとんだ水晶は電線を切断しながらあらぬ方向へと飛んでい
く。
 真紅の薔薇が一つの矢となって薔薇水晶へ直進する。その圧倒的
速度に薔薇水晶は一瞬驚きの表情を見せたがそれも一瞬。薔薇水晶
は水晶も使わずに素手で薔薇の矢を弾きとばす。

307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:55:47.27 ID:ACW4AbObO
紫煙

308 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:56:25.14 ID:+pDoX+WT0
「――いまよ!」
「ああ――!!」

 刹那。
 薔薇の矢に満身の『力』を込める。これが真紅と特訓した力のコ
ントロールだ。
「!?」
 薔薇水晶は右腕が痺れたような素振りを見せるがそれも大きなダ
メージにはなっていない。やはりこの距離では不利だ。もっと接近
しなくてはならない。
「ホーリエ! 行って!!」
 ホーリエが水銀燈たちに合図を送ろうと空へ舞い上がり目映い光
となろうとする。

309 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/08(日) 23:57:26.65 ID:WJaVPCOX0
支援

310 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/08(日) 23:59:02.51 ID:+pDoX+WT0
「やらせない……!」
 薔薇水晶は左手をかざし、ホーリエに水晶を放つ。

 ――あれこそ必殺。
 水銀燈と翠星石への合図を嫌った薔薇水晶渾身の一撃――

「ホーリエ!」
「!? 金糸雀!?」

 ホーリエへ水晶が炸裂する。
 それはコンマ2秒後には現実となる――されど、それは覆される。
 金色のドールによって――


311 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:02:29.71 ID:p4PLm5T30
「金糸雀ァァァ!」
「……金糸雀」
 浮遊出来ない金糸雀をノリスケおじさんが受け止める。その目には滝のような涙が流れている。
「金糸雀……金糸雀…………」
「――あ。ノリスケ……泣いちゃ、だめかしら……カナは死なない
かしら。
 ……本当に、本当に、ありがとう……かしら」
「金糸雀――!」
 真紅は金糸雀とノリスケおじさんを守る為のシールドを張り続け
ている。ホーリエを消す為に放たれた水晶はインターバルが必要ら
しい。その間にホーリエは激しく瞬き、水銀燈たちが遥か彼方に現
れる。
「水銀燈……翠星石。間に合ったかしら……真紅。カナのローザス
ティカ、貰ってほしい、かしら」
「――ええ。必ず、貴方の無念を晴らしてみせるわ」

「ありがとう、かしら」

 そうして、金色のローゼンメイデン第二ドールはゆっくりと目を
閉じた。


312 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:05:13.08 ID:p4PLm5T30


A TEAM

「タラヲ! さっさと力を与えるですぅ!」
「はいで~す! まったく、中島くんが水銀燈ちゃんとミーディア
ムだなんて驚きです~」
「はは。僕もタラちゃんがミーディアムになっているなんて聞いた
ときは驚いたよ」
「無駄話はやめなさぁい。
 ――ホーリエが合図を送ってきたわ!」

 ホーリエ、あの真紅の人工精霊が瞬いた時、それが私たちがたた
みかける合図だと、翠星石から聞いている。
 真紅と金糸雀が薔薇水晶を引きつけている間に私たちAチームが
薔薇水晶と三郎という人間のすぐ下に待機出来た。
「――じゃあ、行くか」
「ええ、そうね」


313 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:05:43.09 ID:p4PLm5T30
 翠星石の如雨露が大樹を生み、薔薇水晶へと伸びる。薔薇水晶は
不意をつかれながらも水晶の剣を精製して大樹の蔓を切る刻む。
「チイ! 水銀燈! 打って打って打ちまくるですぅ!!!」
「言われなくとも――そうするわぁ!!」
 漆黒の翼から羽を薔薇水晶へ打つ。
 薔薇水晶は余裕といった様子で水晶の壁を作ろうとする。
「やらせねえですぅ! タラヲ!」
「はいで~す」
 タラヲの指輪が緑色に輝き、薔薇水晶に切り刻まれた蔓はもう一
度薔薇水晶を拘束しようと動き出す。
「……これは…………」
 薔薇水晶も計算外だったのだろう。翠星石の蔓は薔薇水晶の動き
を完璧に拘束し、確実に私の『羽』を当てるチャンスが生まれた。
「水銀燈、右肩を狙え!」
「――!」
 中島は真紅の攻撃を受けた右肩を攻撃することを指示する。私は
その指示に従い、羽を刃に、右肩を貫こうとする。


314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:07:55.21 ID:ZaWBApED0
支援

315 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:08:29.28 ID:p4PLm5T30
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無
駄!!!!!!!!」

 ――三郎。
 薔薇水晶を作った張本人である東天宮寺三郎が間に割って入り、
その拳を以て私の羽総てを弾き飛ばした。
「サブちゃんで~す」
「ウリィヤァ!!」
 三郎の手刀が蔓に炸裂し、薔薇水晶は解放される。薔薇水晶の表
情は変わらないが、きっと心情では助かったと思っているに違いな
い。
「どうしてですぅ!? 人間が翠星石たちの攻撃を――!」
「全く……君たちは……僕が言ったコトを理解しているのか
ぁ!? この世界は僕のnのフィールドだ。故に、この世界は僕の
モノであり、この世界なら僕は無敵だ。判ったかぁ? この勝とう
人形ゥゥゥゥ!!」
 三郎の声が天空に響く。
 それでも、この世界には誰もいない。私たちだけの世界。それは
言い換えれば、なにもない世界だ。
「そしてェ! この世界ならば、この僕自身でもドール以上の力を
ォォォォォ!!」
「な!」
 既に――
 既に翠星石の背後に回った三郎は一片の迷いも躊躇いもなく、そ
の拳を振り下ろした。

316 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:10:14.73 ID:TNgj8FnpO
何者だよサブw

317 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:11:22.42 ID:p4PLm5T30
「翠星石! 中島! 早くしなさい!」
「判ってる!」
「ムゥゥゥン!!」
 私の羽は虚しく空を切り、三郎は一度距離を取って薔薇水晶へそ
の自らの無敵の力とやらを送る。

318 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:12:42.48 ID:p4PLm5T30
「――翠星石! 翠星石!」
「……なさけねえですぅ、この翠星石ともあろうものが……
あんな下衆にやられちまうなんて……。
 水銀燈? 聞いてます?」
「ええ、聞いているわ。だから――」
「は、は。なんて顔してるですぅ? まったく、いつもは翠星石の
ことなんて気にも留めねえくせに……」
「――!」
 気がつけば、涙が流れていた。
 アリエナイ。私は、いつも独りで、いつだって馴れ合わなかった
のに、姉妹がいなくなるのが、喪うことをどうして悲しんでいるの
だろう。
 アリスゲームは、姉妹がいなくならないとイケナイのに。

「あ。そろそろ動けなくなっちまうですぅ。最後に――抱っこしてほしいです……」
「……」
 本当に、ただ上半身を起こすように抱いた。
 翠星石を、力一杯抱きしめる。

「――ああ。気持ちいいですぅ。
 ずっと、大好きだったんですよ? ずっと、こうしたかったんで
すよ? お姉ちゃん……」

「翠星石ちゃん……」
「タラヲ……翠星石のローザミスティカは水銀燈にあげるですよ。
 あと、今まで、ありがとう、です……」

319 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:15:58.47 ID:ZaWBApED0
支援

320 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:16:07.10 ID:p4PLm5T30
 ――そうして、翠星石は息絶えた。
 紫色の、気高くも美しいローザミスティカ。
 それを私は両手でしっかりと受け止めようとした。
 それを――


「うざいで~す。
 これはサブちゃんにあげま~す」


 なんていう餓鬼が、阻み、愛する妹の魂は奪われた。


321 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:17:19.96 ID:hLJ49R43O
死炎

322 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:18:14.85 ID:TNgj8FnpO
。・゚・(ノД`)・゚・。

323 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:19:17.98 ID:p4PLm5T30


「なんという愛憎!
 なんという人情!
 これが! これが――! アーハッハハハハハハハ!!!!」

 木霊する。
 三郎の、下卑た嗤い。
 タラヲの莫迦げた行為。
 タラヲのふざけた行動。
 タラヲの――。
 タラヲの――!

「タラヲォォォォォォォォォォォォ!!!
 赦さない! 絶対に――! 中島ァ!」

 中島の指輪が今までにないほどに紫色に輝く。それだけ中島もタ
ラヲの行動を赦せないのだ。


324 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:21:01.78 ID:TNgj8FnpO
タラヲ死ね

325 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:22:20.70 ID:p4PLm5T30
「貧弱で~す。サブちゃんにこれあげるで~す。
 だから僕も仲間に入れてほしいで~す」
「ンンンンンンンンンンン!!!!! ローーーーーーーーーーー
ーーーザミスティカァアァァァァァ!!!! これだけは僕が!
 この僕ですら再現不可能の賢者の石ィ! 故に! これを僕が取
り込めばアアアアアアアアアアアアアアア!!」
 三郎の身体が緑色に輝き、その光は些かの際限もなく膨張してい
く。
 まるで、宇宙だ。その宇宙をも思わせる輝きに中島の力も打ち消
される。
 ――勝てない。
 そんな思考が頭をよぎった。

「死ぬで~す」

「――ああ、まずお前から、な」

 調子に乗ったタラヲを、三郎の右腕が貫く。
 腹部を貫通されたタラヲは調子に乗った発言をした数秒、否、コ
ンマ数秒後にはビクンビクンと数回痙攣しただけで亡骸となってい
た。


326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:24:18.92 ID:hLJ49R43O
試演

327 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:24:32.19 ID:ZaWBApED0
タラヲあわれw

328 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:26:05.56 ID:p4PLm5T30
「快楽――! 殺人の悦楽! 是こそ、至高!!」

「お父様……」
「さあ薔薇水晶、あの黒い天使を今度こそ――!
 ――ああ! 感じたい! 見てみたい! ローザミスティカをさ
らに取り込んだ場合どうなるのか!」

「――」
 特大の水晶。
 今度こそ躱せない。
 これで終わってしまう。
 翠星石や蒼星石、雛苺の、大事な妹たちの無念を晴らせないで――

「――薔薇の朱槍(ローズ・ランス)!!」

 赤い。
 紅い、花弁の槍。

 ――ああ。忘れていた。

「おそかった、わねぇ。おばかさん」

 まだ私には頼れる妹がいるじゃない――!

A TEAM OUT


329 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 00:27:01.68 ID:lP0WwmRzO
ちょっと目離したらタラヲ死んでたー良かったー

330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:28:24.34 ID:TNgj8FnpO
ちょw

331 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:30:12.51 ID:Fo/q3IBNO
またさるさん。

332 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:31:18.93 ID:fepQX97m0
いいとこでw

333 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 00:33:10.81 ID:lP0WwmRzO
何でだよ!明日は早くコンビニでジャンプ読むつもりなのに!タラヲ死ねよ!!

334 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:34:57.12 ID:hLJ49R43O
あとどのくらい?

335 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:35:25.78 ID:p4PLm5T30


 風が強くなってきた。
 今まで無風だったのに、急に風が出てきた。きっと、これはサブ
ちゃんの心に乱れが出ているからだろう。
「真紅、サブちゃんの中に――」
「ええ、翠星石を感じるわ。そうでしょう? 水銀燈」
「……翠星石のローザミスティカがあの人間の身体に取り込まれて
いる。金糸雀は?」
「金糸雀は誇りを守って、私に、否。
 私たちに全てを託していったわ」
「――そう。じゃあ、負けられないわねぇ」
 真紅と水銀燈に大きな力を感じる。水銀燈の中に、蒼星石のロー
ザミスティカが入っていったのだろう。
「――え?」
 その前に、なにかに気がついた。
 水銀燈のすぐ側にいる眼鏡の少年に。

336 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:38:08.09 ID:p4PLm5T30
「中島……」
「磯野……久しぶりだな」
「全くだ。だが今は話している余裕はない。
 水銀燈、中島。薔薇水晶を頼む」
 今、僕たちの中で生き残っているのは真紅と水銀燈の二体のみ。
ならば、ここは一対一で決着をつけた方が判りやすい。
「わかった。水銀燈、一度だけサブちゃんと薔薇水晶を切り離す為
に全力で力を使うぞ」
 水銀燈の羽が大きく羽ばたき、水銀燈は空を舞う。その様はまさ
に漆黒の天使であり、その速度は視認が出来ないほどのものであっ
た。
「水銀燈!」
「真紅!」

「――また、会いましょう。我が姉妹(マイシスター)」


337 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:40:26.64 ID:p4PLm5T30
 2人の声が響き、水銀燈は薔薇水晶へと突進する。
 無論、それだけの速度の体当たりなら、薔薇水晶はサブちゃんか
ら離れざるを得ない。僕たちの計画の第一段階は完了した。

「――さあ、あとは自分たちの仕事だ。
 いくぞ、真紅」

338 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:40:29.09 ID:hLJ49R43O
支援

339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:41:28.87 ID:hLJ49R43O
私怨

340 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:43:16.02 ID:p4PLm5T30


 朱の花弁を振り回しても今のサブちゃんを倒すことはできない。

 そんなことは判っている。
 判っているが故に、完璧に狙いを定めて槍と矢を放っている。し
かし、それら総てが空振り、サブちゃんの接近を少しずつだが許し
てしまっている。
「ウリィヤァ!!」
「真紅!」
 サブちゃんの拳。あれを食らったら一撃で内臓を破壊される。僕
は勿論のこと、真紅ですら一撃でバラバラにされる威力だ。
 拳は総て最硬度の花弁盾でガードし、距離を取る。それでも僕等
の力は消費している故に僕等の不利は決して変わらない。
「――真紅。もし出来たらでいいんだが……」
 真紅に耳打ちする。
 それはたった一つのこと。

341 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:44:02.95 ID:hLJ49R43O
紫煙

342 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:46:30.94 ID:p4PLm5T30
『――姉妹の力を使えるか』

 今、真紅の中に宿っているのは『雛苺』と『金糸雀』の魂だ。そ
の力を使えるのならサブちゃんのこの世界を止めるコトが出来るか
もしれない。そうすれば僕たちにも勝機はある。この世界でなくて
はサブちゃんは今のような力を発揮出来ない。

「……判ったわ。
 ただ、一分だけ時間を稼いで頂戴。出来る?」

 真紅は僕の考えと作戦を瞬時に理解し、僕に一分の時間を要求し
た。


343 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:49:02.69 ID:p4PLm5T30


~水銀燈~

「……」
「――水銀燈!」
 水晶の剣に、私のショートソードは砕けないでいてくれるのは偏
に蒼星石の力があってこそだ。
 ――切れ味は何よりも鋭く、その硬さはなによりも硬い。
 それは蒼星石の庭師の鋏に匹敵する。
 それは蒼星石の意志の強さに由来する。
 それがこの剣。
 
「水銀燈! 二時の方向に40!」
「ええ!」
 中島の指示通りに羽の弾丸を放つ。
 水晶が放たれる方角、薔薇水晶が隙を見せるタイミング。それを
完璧に予測、計算して中島は私に指示を送ってくれている。
 ――ならば、私はそれに倣って戦う。
 まったく笑ってしまう。私ともあろうものが、誰かを信用して、
協力して戦っているなんて。
「五時の方向に角度70度!」
「――!」
 押している。
 間違いなく、私は薔薇水晶に勝っている。私と中島ならこのまま
――

~水銀燈 OUT~


344 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:52:14.80 ID:p4PLm5T30


 この世界は、人の夢。

 この世界は、僕の夢。

 この世界は、彼の夢。

 ――ああ。
 僕たちは、同じだ。


345 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 00:55:18.53 ID:p4PLm5T30


「殺すゥ!」
 サブちゃんの右拳が空を切る。
 この世界は彼を強くしている。
 夢の中なら、人はいくらでも強くいられるから。
 ……だが、それは僕にしても同じだ。この世界は『108』の世
界。人の煩悩であり、夢。
 
 僕の世界。
 彼の世界。
 同じ世界。

「――東天宮寺――三郎――!!」

 躱した勢いで身体をひねり、左裏拳がサブちゃんの顔面に炸裂す
る。
 大したダメージにならないことは承知の上だ。今の僕は真紅のた
めに時間を稼いでやることだ。

「無駄無駄無駄ァァ!! 無駄なんだよォ、気がついたのは褒めて
やるがァァ!」

 いつも乗っているスクーターよりも速く。
 それは、人が決して体現出来ない速度で。

 『シ』が迫っていた。


346 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 00:57:12.58 ID:fepQX97m0
テンション変わったなw

347 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:00:21.12 ID:Fo/q3IBNO
さるさん食らった。
>>370まで休憩する。

348 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 01:01:03.68 ID:NSbbGph6O
支援

カツオに見えないwww

349 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 01:05:17.80 ID:ZaWBApED0
支援

350 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 01:05:19.28 ID:v56xBYDG0
支援
そろそろ寝落ちしそうだ

351 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 01:06:54.11 ID:NSbbGph6O
かそく

352 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 01:12:03.39 ID:NSbbGph6O
今日は人が少ない気がする

353 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:12:08.98 ID:p4PLm5T30
>>370はやりすぎた。


354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 01:12:30.70 ID:Iq8rrK2VO
支援

355 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:13:07.40 ID:p4PLm5T30


 死ぬ。
 あれを食らえば、否応無しに。
 死んでしまったら意味がない。

「真紅――!」

「間に合ったのだわ!
 薔薇乙女の――オーベルテューレ――!!」

 真紅が持っているのは金糸雀のバイオリン。真紅の服と同じ赤色
のバイオリン。
 弓が弦をとらえ、旋律が奏でられた。

356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 01:14:48.33 ID:hLJ49R43O
寝る支援

357 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 01:15:04.86 ID:NSbbGph6O
今日のえみりんはなにやらふわふわしてる気がする

358 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:16:06.62 ID:p4PLm5T30
「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
A!!!!!!!!!!」

 サブちゃんはその旋律を聴いて頭を掻きむしる。

「はおほあんfbvなぴえぎはいhぎあbぴなえぴtばぃあhgぱ:pjhb
ぴあへぴはぴbぴあねbぴはぴghぱjrg:おpじゃえおtjぺhjぴ
あえpbぴあえhtぴあおjbj」

 世界が歪む。
 今まで吹いていた風がまるで台風のように激しくなり、世界がぐ
にゃりと、まるでこんにゃくのようにねじ曲がる。

「金糸雀――力を貸して。
 力に縛られた愚かな者を裁く、力を貸して――!」

 世界が終わる直前。
 サブちゃんは音速と形容しても間違いのない速度で逃走した。


359 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:19:58.92 ID:p4PLm5T30


「――これは?」

 それは異様な光景だった。

 薔薇水晶の身体は大きく変形していた。

「真紅! どうなってるの? これ!?」
「落ち着きなさい水銀燈。
 こうなったら止められない。あの男は第七ドールの、薔薇水晶の
中に宿っている第七ドールである雪華綺晶のローザミスティカを吸
収するつもりなのだわ。止められないのだから今のうちに少しでも
体力を回復させなさい」
「中島。そういうことだ」
「ああ、しかし納得いかないな。どうしてサブちゃんはそこまでし
て――」
「それだけ、ローゼンへの憎しみが強いんだろうな……」
「お父様はその力故に、色んな人に憎まれた。その中で7体のドー
ルを完成させた。彼もまた、そうなのでしょうね」

「あ、あ、ああ、あ、あ、あ、あ、あ、あ――ああああああああ」

 サブちゃんの身体が白く輝き肥大化する。
 その肉体はまるで防具でガチガチに固めたアメリカンフットボー
ルプレイヤーにも思える。


360 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 01:20:12.02 ID:NSbbGph6O


361 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 01:20:56.83 ID:Iq8rrK2VO
再開してる
支援

362 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 01:21:37.70 ID:lP0WwmRzO
なんかいきなり始まってて
おどろいたよ
がんばれ笑み社

363 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:22:05.35 ID:p4PLm5T30
「――■■■!!」
 声にならない声。
 その轟音を鳴り響かせ、突進してくるは力と才能に縛られた愚者。
「マズい――! 真紅――!」
 真紅を抱えて最大速度で避ける。中島も同じように水銀燈を抱え
て僕と同じ方向へと避ける。
「――ッ!」
 右肩を翳めた――!
 そのダメージは本来なら何でもないものではあるが、相手は人間
の器に、二つのローザミスティカ、二つの神秘を身に宿した者の一
撃。翳めた程度でも痛みは想像を絶する。
「カツオ!? 大丈夫?」
「大丈夫だよ、それよりもサブちゃんを倒すにはどうしたらいい?」
「……磯野。真紅、水銀燈。一つだけ頼みがあるんだが聞いてくれ
ないか?」
「? どうしたのさ」
「奴の弱点。もしかしたらあるかもしれないんだ。
 サブちゃんは攻撃した際にたった1秒から2秒ほどの僅かな時
間隙が生まれるんだ、それをついてほしい」
「――いい作戦じゃなぁい。どうしてそれを『頼み』なんて言うの
かしら?」
「……ああ。それはな。
 確証がないんだ。一撃しか見ていないからね。だから、頼みなん
だよ」
「――OK。わかった。中島のコトを信じようじゃないか」
「そうね。どちらにしろそれしか方法はないのだから」

 ――さあ、最終決戦だ。


364 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 01:22:52.99 ID:fepQX97m0
おいィ?

365 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 01:24:11.15 ID:NSbbGph6O


366 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:25:13.88 ID:p4PLm5T30


「■■――!」

 突進。
 先刻と全く変わらない突進。
 サブちゃんは何も変わらないが僕たちは違う。僕たちは対策を練
ってここに来た。
「真紅――!」
「ええ! 苺轍――!」
 雛苺の苺轍。僕は見たことのない能力ではあるが、この能力は拘
束の出来る能力だ。
 たとえ一瞬でも、この突進を止められるのならばこの場に於いて
究極の能力となる。

「■■■■!!!!」
 
 暴風のような暴力を紙一重で躱す。
 その瞬間。僕と中島は自らの中に秘めている力総てを放出する。


367 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 01:26:18.75 ID:NSbbGph6O


368 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:28:37.22 ID:p4PLm5T30
「貴方は――娘である薔薇水晶を裏切った」
「貴方には絆がないのよぉ! とんだジャンク!」

 ――紫と。

 ――赤の。

 何よりも尊い。
 絆と生命の輝き――!!


『――絆――パンチ――!!!』


 崩れていくサブちゃんの肉体。
 崩れていくサブちゃんの世界。

 力を振り絞った所為か。

 それとも、他の要因か。

 ――眠く。
 ――眠く。
 ――なっていった。
スポンサーサイト

Comment

Comment_form

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

左サイドMenu

アクセスは分身しています

現在の閲覧者数:

読み方はえみやしろ

笑み社 ◆myeDGGRPNQ

Author:笑み社 ◆myeDGGRPNQ
VIPで活動中のSSコテ。
頑張る。
頑張らないと、いけない。


なお、リンクの希望は下のプロとも申請からかコメントでお願い。
随時受け付けている。

ツイッター

    follow me on Twitter

    最近の記事

    アクセスランキング

    [ジャンルランキング]
    日記
    48024位
    アクセスランキングを見る>>

    [サブジャンルランキング]
    小学生
    2572位
    アクセスランキングを見る>>

    最近のトラックバック

    右サイドメニュー

    ブログ内検索

    ブロとも申請フォーム

    QRコード

    QRコード
    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。