笑み社がブログを立ち上げたようです

2ちゃんねるのVIPでSSコテとして活動中の笑み社 ◆myeDGGRPNQのブログです。基本的に作品保管庫として機能していますが一日一回日記を書きます。

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磯野カツオが薔薇乙女と出会うそうです 3


370 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:31:50.19 ID:p4PLm5T30


「――オ!」
 頬に痛みが一つ。

「――!」
 もう一つ。

「――!」
 また――

「いい加減にしろ!」
 3回目で飛び起きた。
 痛みというか、なにかいい匂いがしたからだ。
「ようやく起きたわね。カツオ、終わったのよ」
「――?」
「鈍感ねカツオ。終わったの、三郎という愚者は滅びたのよ」
 ……ああ。目が覚めた。
 ここは僕の部屋。側にいるのは水銀燈と中島。それに――

「真紅。もう少し優しく起こしてくれないか? また気絶するとこ
ろだったぞ」
「甘えるのはよしなさい。いい、薔薇水晶と三郎がいなくなったと
いうことは――」
「――あ」
 理解した。
 共通の敵がいなかくなったというコトの意味を。
 真紅と。
 水銀燈が。
 決着を付けなければならないのだ。

371 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 01:32:57.50 ID:NSbbGph6O
なんと

372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 01:34:13.58 ID:fepQX97m0
>>369
何いきなり話かけて来てるわけ?

373 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:34:28.13 ID:p4PLm5T30
「――もういいだろう? アリスゲームなんて……もう…………」
 もうやる必要はない。
 
 水銀燈にとって真紅は。
 真紅にとって水銀燈は。

 たった1人の。
 たった1体の。

 姉妹なのだから。

「いいえ。それは違うわ」
 水銀燈が口を開く。
 漆黒の装束がふわりと揺れて僕の眼前に迫る。
「その通り。私たちはお父様に頼むことがあるの。それは水銀燈も
私も同じこと。
 要するに、私たちが戦うのは単なる殺し合いではなく――」

 ――お父様に会うという権利を奪い合うということ。

 真紅は静かに答えた。

 ――ああ。
 なら、僕はその手伝いをするだけだ。


374 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 01:36:07.36 ID:lP0WwmRzO
>>372
お前ハイスラでボコるわ・・・

375 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:37:11.76 ID:p4PLm5T30
11



 水銀燈との決着は一ヶ月後に決まった。
 すぐに行わないのは僕と中島の傷を癒す時間であり、僕たちの最
後の時間を楽しむためでもあった。
 中島は水銀燈を。
 僕は真紅を。
 心の底から愛している故に、僕ら人間組が人形組に頼んだことだ。

 ローザミスティカは雛苺と金糸雀、雪華綺晶のモノが真紅に。
 翠星石、蒼星石のローザミスティカが水銀燈に渡った。

「なあ真紅」
「どうしたの?」
 どうしたの? なんて気丈に振る舞っているがその手に握られて
いるスプーンは震えている。指輪から伝わってくるのは恐怖に似た
感情。離れたくない、ずっと此所にいたいという気持ちだった。


376 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:38:57.34 ID:p4PLm5T30
「……やっぱり、怖いのか。水銀燈との決着」
「フフ。なにをいうのかしらね。
 いい? 私たちは戦わなければならない。これはドールだから、
なんていう理屈じゃあない。これは運命よ。私たちは戦う運命にあ
るの」
「それでも、怖いんだろう? 水銀燈は本当に強い。きっと、今ま
で見てきたどんなドールよりも、なによりも。
 でも、な――」
 真紅を抱きかかえる。
 彼女が震えているから。
 彼女が少しでも恐れているのなら、僕は彼女を支えよう。
 それが、僕が出来ることなのだから。


377 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:39:43.92 ID:p4PLm5T30
「――私は貴方の幸せなお人形。
 カツオ、私は――」

 真紅が僕の胸にしがみつく。
 僕はその表情を見ることは出来ないが、彼女の肩が小刻みに震え
ているのが判る。――彼女は、泣いているのだ。
「私は、怖いの……水銀燈に負けること。水銀燈が望むことも判っ
ているのに…………負けるのが、恐い……あの子に沢山酷いことを
して、あの子を沢山傷つけた。その仕返しをされるのが、その復讐
をされるのがなによりも怖くって、苦しくって、辛くって――」

「――ああ。そうか。
 大丈夫。僕はキミを勝たせてみせるから――」

 なんだ。
 僕がしたかったのはこういうことだ。

 信じること。
 それが、本当の強さだ。

378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 01:40:08.60 ID:Iq8rrK2VO
支援

379 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 01:40:20.12 ID:fepQX97m0
>>374
時既に時間切れ、下段ガードを固めた俺にスキはなかった

380 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 01:42:07.65 ID:NSbbGph6O
カツオで笑っちゃうwww

381 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:42:57.06 ID:p4PLm5T30


 ……そうして一ヶ月。

 4月15日。待ち合わせは午前7時にnのフィールド。
 これが最後の朝食であり、それを作るのは――

「別に最後の朝ご飯をお前が作らなくてもいいんじゃないのか?」
「馬鹿ね。今までお世話になったのだからこれくらいしておかない
と淑女の名が廃ってしまうのだわ」
「OK。判ったんだけどさ。その真っ黒の炭みたいのはなんだ?」
「――!」
「痛ッ!」
 真紅のツインテールでのビンタ。それを受けるのもこれが最後に
なるのだろう。

「これはトーストと目玉焼きよ。それも判らないなんて……ふう」
「ため息を止めろ。これを食うのは誰だと思っている」
「勿論、貴方を含めたこの家にいる全員よ。タラヲがいなくなって
この家族も清々しているらしいから、これだけおいしい料理を食べ
ればさらにテンションが上がることでしょうね」
「――!」
 一瞬。
 ほんの一瞬だが。
 笑っている真紅が、透けて見えてしまった。


382 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 01:44:32.20 ID:NSbbGph6O
タラヲ死んだのにいいのかwwww

383 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:44:44.71 ID:p4PLm5T30


「それじゃあ、行こうか」

「ええ」

 鏡にゆっくりと足を踏み入れる。

 一度だけ、真紅は振り返った。


384 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 01:46:19.91 ID:TNgj8FnpO
いつぞやの『真紅ゥ━━━ッ!!』を思い出してしまった

385 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 01:47:06.46 ID:lP0WwmRzO
>>379
いや今の保守でしょ?このスレじゃ今のノーカンだから

386 :ロロロ ◆2IMwLoLoLo :2009/03/09(月) 01:47:12.92 ID:8eoa87BD0
(ow)/ いつ終わるんだwwwww

387 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:47:33.53 ID:p4PLm5T30
12



「来たわね」

「ええ。来たわよ」

 何もない空間。
 ここならば、誰にも迷惑なんて掛からない。
 サブちゃんの世界のように、僕たちに補正が掛かることのない、
純粋に戦闘をすることが出来る世界で、何百年にも続いてきたアリ
スゲームに今、決着がつくのだ。

「――磯野。野球(アリスゲーム)しようぜ」

「ああ。プレイボール、だ」

 最後のアリスゲーム。

「薔薇の朱槍(ローズランス)!!」
「銀色の竜(シルバードラグーン)!!」

 ――ここに決着す――


388 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 01:49:25.87 ID:TNgj8FnpO
良い最終回だった

389 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:50:04.58 ID:p4PLm5T30


 壊す。

 殺す。

 滅ぼす。

 そんなものではない。
 僕たちは、そんな下卑た戦いはしない。

 僕たちの戦いは。

 輝いて。

 尊くて。

 守る。

 ――それが僕たちの戦いだ。


390 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 01:52:30.85 ID:lP0WwmRzO
野球アリスゲームワロタwwwwwwww

391 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:53:02.76 ID:p4PLm5T30
「真紅!」

「水銀燈!」

 指輪が何よりも輝く。力の余力なんて考えない。
 僕たちが出来ることなんて一つだけ。

 ――愛するものを助けること。

 愛する者を信じてあげること。

 愛するからこそ戦って。

 愛する故に、勝ってほしい。

 その思いが交差して。

 その願いが炸裂する。


392 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:56:02.28 ID:p4PLm5T30


 水銀燈たちに隙なんてものはアリエナイ。
 ならば方法は一つしかない。僕と真紅が出来るコトは力ずくで水
銀燈と中島の力を超越し、勝利する。それしか方法はない。

 ――勝機なんて考えていない。
 作戦なんて練ってもいない。
 ただ単純に力の限り――殴って、蹴って、放って。

 強く。
 強く。
 強くありたいという願望。
 強いものへの羨望。
 それが、今の僕たちの強さを生み出した。

「カツオ!!」
「――ああ!」
「水銀燈!」
「中島!」

 ――これで、最後だ――


393 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:58:12.22 ID:Fo/q3IBNO
さるさん死ね

394 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 01:58:21.97 ID:NSbbGph6O
もうクライマックスか……

395 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 01:58:36.76 ID:TNgj8FnpO
おいー

396 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 01:59:31.83 ID:lP0WwmRzO
ここでかよ

397 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 01:59:35.57 ID:p4PLm5T30
「――ッッ!
 あああああああああああああああ!!!!!!!!」

 
 全身を破裂させるような、力。
 目を瞑ればそのまま落ちてしまう。

 だから目を開けていよう。
 目を開けて、彼女の戦いを見ていてあげよう。

 ――漆黒と銀色の人形が膝から崩れる。
 もう、決着はついたのだ――

398 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 02:00:29.19 ID:SPsYB1Qf0
>>393
お前が死ね

399 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 02:00:51.56 ID:TNgj8FnpO
。・゚・(ノД`)・゚・。銀様・・・

400 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:02:22.04 ID:p4PLm5T30


「――水銀燈」
 ぽたり、と液体が頬に落ちる。
 ――ああ。そうか。
 負けたのだな、私は。
 憎しみもとうに枯れ果てて、悲しみなんてどこかへ行ってしまっ
た戦い。私たちはそんな戦いを最後にするコトが出来た。
 
 なにを恥じる。
 恥じることなんかなにもない。だから、私と最後まで戦ってくれ
た少年も、胸を張って笑えばいいのだ。
 私のような女の為に。
 私のような人形の為に。
 最後まで尽くしてくれた。それを本当に感謝しているのに……声
が出ない。
 声帯が潰されたというコトは断じて在り得ない。真紅がそのよう
なことをするとは思えないからだ。
 ――ならば、どうしてだ。
 私の声が。
 私の喉が。
 震える。まるで凍えたように、震えが止まらない。


401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 02:03:01.24 ID:Iq8rrK2VO
(;`O´)

402 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:05:06.14 ID:p4PLm5T30
「あ、あ」
「水銀燈――!」

「な、かじま。
 ――あ、り、がと」


 ――ああ。
 言えたじゃないか。
 ずっとずっと前に言わなくちゃいけないコト。
 それを最後でもとにかく言うことが出来た。
 真紅の願い、否、私たちを願いをお父様は叶えられるかは判らな
い。
 伝えられて、本当に良かった。


403 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:08:09.96 ID:p4PLm5T30


 ……真紅は勝利した。

 真紅は、この永い永い。本当に永い、アリスゲームの勝者となっ
た。
 水銀燈、翠星石、蒼星石のローザミスティカが真紅の体内に入っ
ていく。それはなによりも神聖なものにも見えた。
 悲しくなんてない。
 これでよかったのだ。
 僕も、真紅も。この戦いに勝利することを目的にしてきた。だか
ら、別れを惜しむなんてことは決してない。下も見ず、ただ真紅を
見つめて抱きしめよう。
「真紅、おめでとう」
「ありがとう。貴方がいなかったら、この戦いに勝利することは在
り得なかった。本当にありがとう」
 たった一言。
 これ以上話すことは出来ない。
 話すと、きっと涙が出てきてしまうから。今だって涙を堪えるの
に必死だというのに。


404 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 02:09:04.21 ID:lP0WwmRzO
さるさん落ち着きないなー

405 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:11:00.89 ID:p4PLm5T30
「――」
 僕らの前に重厚な扉が現れる。きっと、この扉の向こうには――
「さようなら。カツオ。
 また会う日には、もっと紅茶を上手に煎れられるようになりなさ
い」
「ふ、ふ。そうだな。最後までお前らしくって、助かった」
 真紅の表情は穏やかだった。僕は抱きしめていた腕を解いて、最
後にその顔を記憶に刻み付けた。
 この表情を。
 否、今まで見てきた総ての表情を。
 これからずっと、忘れないように――

 重厚な扉は、真紅が手をかざすとひとりでに開いた。
 真紅はその中へ。
 僕は、その逆へ。
 ――振り返りはしない。
 お互い、もう見せられる表情では、ないと思うから。


406 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 02:12:22.93 ID:NSbbGph6O
ちょっときた

407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 02:13:44.04 ID:Iq8rrK2VO
何この感動展開

408 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:14:05.37 ID:p4PLm5T30
Epilogue

 そうして、夏になった。

 あの戦いから3ヶ月。季節は夏で、今は夏休みだ。
 それでも、僕は呆とした日々を送っている。以前はあれほど楽し
かった夏休みが、今では退屈でたまらない。
 ――あの冬の出来事。あれを思えば、今のこの平和で代わり映え
のしない日々がどうしても莫迦げたものに思えてくる。
 あの大凡人形とは思えない人形たち。ローゼンメイデンのドール
たち。
 彼女と過ごした日々は、大変だと思ったときは幾度もあったが、
辛いと思ったことは一度としてなかった。
 今なら胸を張って楽しかったと言える。
 僕という存在が誰かの役に立てて、僕という存在を信じてくれた
彼女たち。その、かけがえのない時間を、決して忘れはしない。


409 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:14:37.42 ID:p4PLm5T30
「カツオ~。今日の御飯はすき焼きよ~」
 姉の声が響く。タラヲがいなくなって、この家は明るくなったよ
うに感じる。
 姉の表情も穏やかだ。しかし、たまに真紅や翠星石を思い出すと
悲しげな顔をする。それは父も母もワカメもマスオ兄さんもだ。皆
が彼女たちのことが大好きだったのだ。
「いーそーのくーん!」
 玄関から声がする。この声の主が誰だかなんてすぐにわかったが、
今日はいつもよりも声のトーンが高い気がする。なにかいいことで
もあったのだろうか。
「はいはい。どうしたのさ。
 ――え!!」
 目を、疑った。
 本当に、これが夢なんじゃないかと思った。


410 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 02:14:56.41 ID:lP0WwmRzO
これは……

411 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 02:15:41.76 ID:TNgj8FnpO
すき焼き・・・

412 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 02:16:14.63 ID:NSbbGph6O
さすがに落ちそう

413 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:17:19.07 ID:p4PLm5T30
「カチュオなのー! ねえ花子! 今日はカチュオと沢山遊ぶの
~!」
「そうね。というわけだから磯野くん……雛苺が……帰ってきたの
よ……」
 先刻の声とはうってかわった。花沢さんの声。涙でしゃがれてい
てなにを言っているのかが判らない。
 雛苺。ローゼンメイデン第6ドール。真紅の妹。その彼女が此所
にいる。彼女は薔薇水晶に敗北した筈なのに。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
 ――声が聞こえた。 
 声は僕の部屋からしたので、走って現場へ向かう。
「金糸雀……それに――!」
「あ! 真紅のマスター! 今日はすき焼きって聞いてノリスケと
一緒に飛んできたかしら! カナは皆を驚かす為にここから入って
きたんだけど……」
「こんばんはお姉様。さあ、きらきーにもそのすき焼きというもの
を教えてくださいまし……ウフフフ」
 ――金糸雀。ローゼンメイデン第2ドール。ドジなところが相変
わらずだ。
 それに、側にいる白いドールは第七ドールの雪華綺晶。実体を持
たない彼女がどうしてここにいるのか(それは雛苺、金糸雀にも言
えることだが)判らないが、どうしてかテンションがおかしい。
「やめるかしら~!
 ……ん?」

414 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 02:18:57.77 ID:TNgj8FnpO
これはくるな・・・・

415 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:19:22.86 ID:p4PLm5T30
 なにか、飛来してくる。
 茶色の鞄。それも二つ。
「おい雪華綺晶! だっけか? 窓開けろ窓!」
「いやです。ウフフ」
 ……こいつ。決行嫌な奴だな。
 雪華綺晶の謀反により開けられなかった窓は二つの鞄に粉々に砕
かれた。すき焼きを食わせんぞコイツら。文句を言ってやろうと鞄
に近づく。
「翠星石! ほら、おじいさんも怒ってないから! さあ、帰ろう!」
 タイガーアッパーカット! 勢いよく開け放たれた鞄は僕の顎に
クリーンヒットし、意識を刈り取ろうとする。しかしここで倒れな
いのがあの戦いの勝者だ。フラフラになりながらももう一方の鞄へ
と歩む。
「いやですぅ! もう終わりですぅ! あのじじいの盆栽を全部ラ
フレシア並にでかくしちまっては翠星石の人生の終わりですぅ!」
 タイガーディストラクション! もう一方の鞄が僕の顔面を打つ。
まさか僕が立っている側が止め具側だったなんて。


416 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:21:17.13 ID:p4PLm5T30
「あー! 翠星石と蒼星石なのー!」
「チビイチゴ! まさか、おめーも!」
「久しぶりだね。雛苺」
「お姉様がいっぱい。きらきー、嬉しい」
 どうしたのだろう。
 こんなにも、アリスゲームで敗れ去ったドールたちが復活してい
る。まさか――
「もう一度アリスゲームを――」
「そんなわけないじゃなぁい。ホント、おばかさんなんだから」
「!? おまえ――水銀燈か!」
「ええ。貴方、真紅の願いを聞いていなかったの?」
「……なんのことだ?」
 真紅の願い。それは父であるローゼンに会うこと。それは知って
いる。それと今のこの状況が結びつくというのか。
「あの子はね――」
「ちわー! 三河屋でーす!」
「!?」
 水銀燈の言葉を裂くように我が家へビールを持って来たのは――


417 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 02:21:18.74 ID:TNgj8FnpO
俺の嫁きた(´;ω;`)

418 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 02:22:40.27 ID:TNgj8FnpO
サブちゃんキタ━━━(゚∀゚)━━━!!

419 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:23:01.64 ID:p4PLm5T30
「サブちゃん……どうして…………」
「そんな怖い目で見ないでくれよ。
 僕は気がついたんだ。ローゼンを超えるには戦闘ではない、とい
うことをね」
「……?」
「いやだなあ。判らないのかい?」
「判らないの……?」
「!?」
 薔薇水晶まで! 一体どうなっているんだ?
「それは簡単さ! ローゼンメイデンはおしとやかさがないのさ。
 ドS。
 空気。
 ツンデレ。
 僕っ子。
 高慢ちき。
 子供。
 ヤンデレ。
 どうだい? これがおしとやかかい? その点、薔薇水晶は完璧さ!」
「配達……楽しい…………」
「――ああ! 可愛い薔薇水晶! 君こそ僕のアリスだよ!」
 ……ダメだ。付き合いきれん。
「わかった? わからないわよね。薔薇水晶の中にローザミスティ
カがあること」
 水銀燈が耳打ちしてくる。僕には判らないが、ローザミスティカ
は確か――
「そうですぅ。ローザミスティカは七つ。これは絶対に増やせない
ですぅ」
「でも、彼女。薔薇水晶にはそれがある。どういうことかわかるか
い? カツオくん」


420 :サンポール灰川 ◆/1QHaiKawA :2009/03/09(月) 02:26:12.18 ID:lP0WwmRzO
空気と子供は認可されてもいいだろwwwwwwwww
他はさすがにないけど

421 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 02:27:12.98 ID:Iq8rrK2VO
ドS…



いい

422 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:27:42.61 ID:p4PLm5T30
「――」
 それは。
 それは、つまり。

「真紅は……私のためにローゼンに頼んでくれた。七つのローザミ
スティカで皆を復活させてほしいと。私を含めた、七体を」
「アリスは、戦いで決まるものではない。それは愚だと、真紅はお
父様に言ったのかしら」
「そして、お父様は答えてくれたの……ヒナたちのことをもう一度
動けるようにしてくれたの」
「さらに、私に『器』を作るように頼んでくれた。1人だけ閉じ込
められているのは、可哀想だと」
「――」
 ……理解出来た。
 僕は、そんなコトも知らずに。真紅を勝利させた。
 馬鹿な考えだけれど、水銀燈が勝利すれば――
「貴方、私が勝てば真紅は復活したと思った? それこそ真紅を馬
鹿にしているわよ。たしかに私もあの子と同じ望みをお父様に頼ん
だ。でも、私は中島に貴方のような考えを起こしてほしくなんてな
かったわよぉ」
 その通りだ。
 僕は、馬鹿だ。

423 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 02:28:12.56 ID:NSbbGph6O
タラヲの姿はどこにもないあたり、嫌いさが伺えるwwwww


425 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:29:26.77 ID:p4PLm5T30
「し、んく――!!」

 すき焼きの匂いが居間から漂ってくる。
 水銀燈たちは居間へ静かに向かった。


426 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 02:30:08.94 ID:TNgj8FnpO
大事な事だから2回書いたんですね

427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 02:31:05.03 ID:Iq8rrK2VO
紅い子の優しさがうかがえる大事なことなので二回言ったのですぞ

428 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:33:03.73 ID:p4PLm5T30
 ――台所にはだれもいない。
 今なら、泣いても――

「あら。泣いてしまうの? 情けないのね」

 ――当たり前だ。僕は今、自分の愚かしさを呪っているのだ。

「そう。泣くのは勝手だけれど、誰の為に泣くのかしらね」

 ……そんなのは決まっている。真紅の為だ――

「真紅――!!」

「ようやく顔を上げたわね。
 ねえカツオ。紅茶を入れて頂戴。上手になっている?」

「は、は。バカにするなよ。僕だって練習したんだ。でも、今日は
すき焼きだぞ?」

「あら? この国ではすき焼きと紅茶はだめなの?」

429 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:33:44.99 ID:p4PLm5T30
 ――いいや。いいよ。
 赤いドレス。いつもと変わらない態度。
 覚えている。覚えているとも。
 お前はいつだってそうだった。
 これからも、そうでいいんだ。

「――OK。待ってろ。最高に美味しいお茶を入れてやるからな。
 それと、おかえり。真紅」

「――ただいま。カツオ――」

磯 野 カ ツ オ が 薔 薇 乙 女 と 出 会 う そ う で す
              FIN

430 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/03/09(月) 02:34:39.12 ID:TNgj8FnpO
歴史に残る名スレだった
乙!

431 :こなほて ◆KONATA/tR2 :2009/03/09(月) 02:34:56.92 ID:NSbbGph6O
盛大に乙

432 :ロロロ ◆2IMwLoLoLo :2009/03/09(月) 02:34:59.62 ID:8eoa87BD0
おわった。



おわった。

433 :笑み社 ◆myeDGGRPNQ :2009/03/09(月) 02:35:18.81 ID:p4PLm5T30
終わった。





終わった。
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